ヒト型のムシ | 三遊亭朝橘のどぶろぐ

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ドロッと濁った酸っぱいブログ(密造)

舞台観てきました。
舞台っていうか、舞踏と言わなければですかね。

麿赤兒さん率いる大駱駝艦による
「ムシノホシ」

私が落語会をさせて頂いてる
吉祥寺の蕎麦屋、中清さんに
麿さんがちょいちょいいらっしゃるんです。

っていうか大駱駝艦のお稽古場が
私んちの凄い近所なんです。
だから時々お見かけするんです。
つい先日、仕事終えてフラフラしながら
帰る道すがら、
麿さんと奥方様にばったり遭遇しまして。
ちょっと暗がりだったから
シルエットだけしか見えなかったんですよ。
コナンの犯人みたいなアレ。
どう見てもその筋のお方とそのオンナ、
という雰囲気にびびって逃げようとしたら
声かけられまして。
よく見たらいつもの柔和な笑顔のお二人で。
あの時挙動不審ですみません。
恐かったんです。

受付で貰ったパンフレットを
開演前に目を通す。
「表現とは翻訳である」
と。
「体のどの部分を使って翻訳するかで
色々違ってくるから面白い」
なるほど…。
流石の含蓄である。

麿さんの舞台は要するに肉体言語オンリー。
正直、敷居は高いと思います。
前回のウィルスって舞台は
難解なのとビギナーなのとで
くじけそうになる瞬間が何度か。

今回のムシノホシはシンプルでわかりやすかったです。
一緒に観に行った中清グループも
一様に同意見。
「虫」っていう題材と、
麿さんの翻訳手法が
凄く相性が良かったのでは、と思う。

肉体言語を用いるために
極力情報をカットして、
伝達に必要な部分にブーストかけるのが
本当に凄いと思う。

内容は、SFというかシンプルなファンタジーだと
受け取ったんですけど。
合ってるか間違ってるか分かんないから…。
もっというと昆虫記だと思う。

人間以外のモノを表現するのに
よく用いられる擬人化を
一切使わずに、
人が虫を虫として描くっていう。

あのね、私、虫が大っ嫌いなんですよ。
嫌いっていうか、
この世で最も怖いのが虫だと思ってまして。
個体ではなく、種としての
生存のみに機能を特化した
集団、群体としての優秀さ?
人間より高位の存在、が
居るか居ないか分かりませんけど、
その方から見れば人間も
おんなじように見えるのかもしれないけど。

とにかく虫は怖い。
虫って怠けないんですよ。
働きアリの何割かが必ずニートになるって
何かで見たけど
集団、ユニットとしては
常に働いてるわけで。
情も遠慮も礼儀も無いから
恐ろしく効率的なわけで。
虫が人間と同じ大きさだったら
絶対勝てない気がする。

寝不足による思考の泥沼化。
いつも大体こんな感じだけど。

群体としての統一感、
その中で生じる誤差のような個体差、
ヒトとムシの段階的な融合、
霧散するヒト要素、
あー、確かにムシノホシ。

行きたくない、そんなとこ…。
発狂するわ…。


という、「ムシノホシ」
まだやっておりますんで是非。

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表現の面白さを堪能できると思います。