2021年3月:

子宮頸がんステージ4Aの告知

扁平上皮がん

膣、膀胱壁に浸潤

骨盤リンパ節に転移

 

2021年4〜5月:

化学療法(シスプラチン)

放射線療法(小線源療法 含む)

 

2021年4〜2023年3月:

治験(免疫療法・キイトルーダ or プラセボ)

 

2021年8月:

寛解 チョキ

 

現在、経過観察中

 

下矢印 2021年の備忘録 下矢印

 

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

 

 

 
 
 

面談室から出て、救急病棟へ。

 

手狭な待合室は、人で溢れていました。

椅子が空いていなかったので、隅っこで大人しく立つことに。

 

10分ほどすると、看護師さんがやって来て、私の名前と生年月日の確認。

待合室から少し離れた場所の廊下へと案内されました。

 

 

長い廊下の片側の壁には、キャスター付きの簡易ベッドがズラッと並んでいます。

 

その中の空いているベッドに促され、

 

「病室の準備ができたら、係りの者が来ますから、それまで休んでいて下さい。」

 

 

「休んでいて」って言われても、

 

救急病棟なので、当たり前といえば当たり前なのでしょうが、バタバタガヤガヤ。

 

しかも、なんせ廊下なので、ベッドのすぐ横を、医師や看護師が忙しなく動き回っています。

 

人の往来が激しく落ち着かず、

そこにいるだけでストレスになるような雑然とした空間です。

 

 

「そういえば、コロナの影響で、どこの病院でも許容オーバーが深刻な問題になっているって話を聞いたっけ。」

 

どうも私のイメージしていた優雅な入院ライフとは違うようだぞ、、、

 

何とも嫌な予感がし始めていました。

 

 

高熱でだるく、とても疲れていたので、入院バッグをベッドの片隅に置いて、私服のまま、ゴロリと横に。

 

 

沢山並んでいる簡易ベッドの殆どは誰かしら使っていて、

皆、寝転がったり、座ったりしながら、

病室に案内されるのを待っています。

 

 

2台くらい先のベッドに座っている中年男性は、既に数時間待っている模様。

 

イライラを隠さず、大きい声で、

 

「もう2時間以上前からここに居るんだ。まだなの?」

 

看護師さんが通る度に、懲りずに同じ質問(文句)を繰り返しています。

 

「順番が来たら声をかけますから。コロナで患者さんが多くて、時間がかかるんです。」

 

と、どの看護師さんも同じ答え。

 

近くで、何回も何回も同じやり取りを聞かされている私もウンザリ。

 

 

「だーかーらぁー、まだ順番じゃねーんだよっ!」

 

って、心の中で毒づいていました。

 

 

何人もの看護師さんたちから軽くあしらわれ続けた彼は、

 

今度は、

 

「もうずっと待っている。どうなってんだ!」

 

と、横のベッドの人に話しかけ、

 

二人して、病院システムの批判、ひいては、この国の政治のあり方まで語り出し、大いに盛り上がっていました。

 

(もっと静かにしゃべって下さい。。。)

 

これだけエネルギッシュな彼は、一体、何の病気で緊急入院となったのか?

 

 

うるさくて参りましたが、

 

同時に、

周囲の観察(ダンボ)は、よい暇つぶしにもなりました。

 

 

さて。

そうこうしているうちに、看護師さんが私を呼びに来ました。

 

思っていたより あっという間で、待ち時間40分も経っていなかったと思います。

 

 

あらためて、名前と生年月日の確認。

準備が整った病室へ向かうことになりました。

 

ベッドから起きて歩いて行こうとすると、

「寝ていて下さい。このまま運びます。」と言われ、

キャスターの留め金を外し、ベッドに横たわった状態でゴロゴロと移動することに。

 

 

申し訳ないことに、あのギャンギャンうるさいオッサンより、先に旅立つことになりました。

 

 

オッサンの鋭い視線。

 

「アイツ、オレより随分あとに来たぞ。」

 

と、彼の瞳が怒りに燃えています。

 

 

こりゃマズい!と瞬時に空気を読んだ私。

 

オッサンの横をベッドでゴロゴロと通り過ぎる時、

 

半目で眉間に皺を寄せ、口角を落とし、少しだけ呼吸を荒めにして、

わたし、すっごくしんどいんですぅ風に演出(笑)

 

救急を要する患者Aを装ったのでした。