●くるる(代理:本多正信)

「『剣豪2%キャップ理論』という言葉をご存知だろうか?」

 

●吉乃ちゃん(嫁)

「2011年頃に流行った剣豪を使った兵削りのテクニックでしたっけ?

あまりちゃんと覚えてないですけど……」

 

「ということで今回は『剣豪2%キャップ理論』について考察していこうと思います!

今回の記事を読んで何が得られるかと言えば『うわ~懐かしい~』以外の感情は特にないだろうことはあらかじめ明言しておきます」

 

「2015年頃まではたまに使えた記憶がありますが、今となっては単語すら聞かなくなりましたもんね」

 

「ということで今回はこんな感じで話を展開していこうと思います!」

 

 

 

①剣豪2%キャップ理論とは何か?

 

②剣豪2%キャップ理論の仕組み

 

③剣豪2%キャップ理論が現環境で通用しなくなった理由

 

④それでもなお現環境で剣豪2%キャップ理論の使い道を考える

 

 

 

①剣豪2%キャップ理論とは何か?

「『剣豪2%キャップ理論』を一言で説明すると『武将攻撃力の2%に当たる兵数を指揮することで、指揮兵数とほぼ同数の被害を与えることが与えることができる』という理論だ。

実際に空地攻撃で試してみよう。

宝蔵院さんを攻撃振りして、その2%に当たる兵を積んでみる」

 

 

「宝蔵院さんの武将攻撃力が12,595。

長槍足軽を指揮して槍の統率が1.2倍ですから、武将攻撃力は15,114

その2%にあたる302兵を指揮している状態ですね」

 

指揮兵数 = 武将攻撃力 × 統率 × 0.02

     = 12,595 × 1.2 × 0.02

     = 302

 

「これを★8の空地に当ててみると、ほぼ同数の298兵を削れる

★8の空地は当然数十万の防御力があるから4倍差以上の負け判定なんだけど、ほぼ同等の被害を与えることができるわけだね」

 

 

「なるほど……?

勝判定が出るわけでもHPを削れるわけでもないように見えるんですが、これって何が強かったんですか?」

 

「剣豪2%キャップ理論において、攻撃側の指揮する兵科は何でもよかったんだ。

それこそ最弱兵の足軽でも同じ効果が得られた。

しかも剣豪はランクアップさえしていればそれ以外の育成も不要だった。

逆に防御側は基本的に鉄砲足軽を積んでいたから、足軽を使って同数の鉄足を削れるっていうので資源効率が良かったというのが本質なんじゃないかと思ってる」

 

「今でこそ配布兵や保食スキルで潤沢な兵を生産できますが、当時はそうではなかったですもんね」

 

「もちろんそれ以外にも剣豪ノックNPC影砦にも活用されるようにはなるんだけれど」

 

「これだけ聞くと現代でも通用しそうな気がするんでけど。

一時期は落石のような将攻デバフスキルがあったものの、今はそのアンチスキルも登場していますし」

 

「それが今の対人戦だとほぼこの理論は通用しない

例えばここに攻撃振りし、武将攻撃力の2%にあたる2959兵を指揮した宮本武蔵さんを置いてみる」

 

■攻撃側部隊

 

「防御側は一切のデバフスキルは載せずに、九戸さんの初期スキルを模倣した部隊を置いてみます。

相性補正が掛からないように兵科は穴で統一しています」

 

■防御側部隊

 

「これで検証してみると、現代のIXAにおいて、キャップ理論は全く成り立っていないことが分かる」

 

 

「以上をまとめると下記のようになるわけですね」

 

剣豪2%キャップ理論とは何か?

(1)統率も含んだ武将攻撃力の2%を指揮することでほぼ同数の兵を削ることができる

(2)攻撃側の指揮兵科は何でもいい

(3)現在の対人戦では通用しない

 

 

 

②剣豪2%キャップ理論の仕組み

「ここから話を進めるにあたって『キャップ理論がどういう仕組みで成り立っていたのか』について正しい理解をする必要があるだろう」

 

「確かに……なんとなく2%の兵を積めば成功するくらいの感覚ですね」

 

「このキャップ理論の説明をする上で当時と今で大きく変わった仕様がひとつある。

それが『ランクアップによるHP回復速度仕様の変更』だ」

 

「あー。そういえば昔はランクアップすると武将HPの回復速度が遅くなるみたいな仕様がありましたね。

それゆえに1軍武将は★0Lv20で留めておくのが一般的だったんですよね?」

 

「そうそう。

だから基本的に軍師もいない防振りによる防御力上昇もほとんどなかった

それを踏まえた上で、被害兵数の計算式を見てみよう」

 

■被害兵数式(自分が負けた時の敵被害兵数式)

 

「これは今と変わらないんですね」

 

「ここで出てくる『敵軍総火力』というのに注目したい。

当時はスキルがそもそも弱く、スキル追加合成はおろかスキル強化合成ですら鬼みたいな仕様だったため、上記の軍師が作れないという仕様も相まって基本的にスキルによる上昇効果はほぼなかった

当然本領固定ボーナスも本丸陣形もデバフスキルもないし、鉄砲足軽には兵科相性補正すら掛からなかったから補正効果もなかった」

 

「ということはほとんど素防による防御しかできなかったわけですか?」

 

「しかも武将防御力を抜いた素防、つまり指揮兵数と兵士防御力で総火力が決まっていたと考えていいだろう」

 

 

「当時は素攻vs素防の戦いだったって言う話は聞きますよね」

 

「これを先ほどの被害兵数式に代入してみる

そうすると分母分子に現れる敵指揮兵数を消せるため、敵に与える被害兵数は自軍総火力と敵兵士防御力で決まることになる」

 

 

敵兵士防御力って何を指しているんですか?」

 

「これは兵科ごとに定められた防御力のことで、ヘルプ画面から確認することができる。

下の画像は今の兵士防御力なんだけど、確か当時は最高が鉄足の26、最弱が騎馬兵の10だった気がする」

 

 

「そう考えると今は兵士防御力もインフレしてるんですね……」

 

「当時は最高が26・最低が10だったことから、敵兵士防御力を20と仮定しよう

実際はもうちょい高くてもいいんだけど説明しやすいので20とする。

すると被害兵式に20も代入してみる」

 

 

「『自軍総火力の2%の被害を相手に与える』って式になりますね!」

 

「剣豪キャップにおける自軍総火力とはほぼイコールで武将攻撃力だったため、『武将攻撃力(統率込み)の2%の被害を与える』という理論が成立していたわけだ」

 

「でもですよ?これだけ見ると攻撃側は兵1でもいいわけですよね?

自軍総火力のほとんどが武将攻撃力なわけですから。

どうして2%の兵を積む必要があるんですか?

 

「もっともな疑問だね。それはIXAにおける『兵士被害限界点仕様』があるからだ」

 

「『兵士被害限界点仕様』ですか?」

 

「『戦力差4倍以上で負け判定を出した場合、敗北側が指揮していた兵数が勝利側の被害兵数の限界点となる』という仕様だ。

要するに4倍差負けした場合は自分の指揮していた兵数以上は削れないんだよね。

例えば先ほどの宝蔵院さんの指揮兵数を150にしてみる。

すると150以上の被害は与えられないため、火力は先ほどとほぼ同じなのに298だった被害兵は147に減少する。

これを当時の人達はキャップに引っ掛かったと表現したわけだ」

 

 

「被害兵数式だけを見れば兵1でも相手に武将攻撃力の2%の被害を与えられるんですが、実際にそれをすると兵士被害限界点仕様によりキャップがかかるため、自分も同じだけの兵を指揮する必要があったということですね」

 

 

 

③剣豪2%キャップ理論が現環境で通用しなくなった理由

「ではなぜ現環境ではキャップ理論が通用しなくなったのか

 

 

「もちろんデバフスキルによる影響も大きいでしょうがそれ以前の問題がありそうですね」

 

「上記で紹介したキャップ理論は敵軍総火力が敵指揮兵数と兵士防御力のみで決まるという大前提があってこそ成り立った話だが、今のIXAだとそうはいかない」

 

■2011年のIXA

 

「今だと素防100万の部隊が平気で1億、2億と出す時代ですもんね」

 

■2022年のIXA

 

「仮に敵が全員兵法振りだったとしても分母にスキル効果やらを含めたα=100くらいが掛かるので、キャップ理論が成り立たなくなっているんだよね。

仮にこのαの部分が分かったとするとそれは敵総防御力が正確に分かっているわけで、だとしたら普通に殴った方が早くないかという話になってくる」

 

 

「現環境における対人戦だとキャップ理論を活用するのは難しそうですね……」

 

 

 

④それでもなお現環境で剣豪2%キャップ理論の使い道を考える

「上記のことから敵側に×αの掛からないNPC空地以外は従来のキャップ理論が成り立たないことが分かる。

それでもなお何か使い道がないかと考えてみよう

 

「現代だと理論が破綻してるって話じゃなかったでしたっけ?」

 

「理論が破綻するのは分母側(敵軍側)にのみスキル効果等による×αがあるからだ。

だから分子側(自軍側)にも同じだけのα(上昇効果)を掛けてやれれば、現環境でもこの理論は成り立つ

 

 

「でもそもそも敵側に掛かるαが分からないのが問題なんですよね?」

 

「対人戦ではね。でも唯一、αを正確に見積もれる状況がある

すなわち果心異境だ」

 

「確かに……。果心異境であれば指揮兵数と総火力が判明していますもんね」

 

「例えば9鯖における25砦をデバフ無しの器兵科で殴った場合、敵総火力が約5億・指揮兵数が30万くらいだった気がするので、兵士防御力を20と仮定するとα=83くらいになる」

 

敵総火力   = 指揮兵数 × 兵士火力 × α

500,000,000  = 300,000 × 20 × α

 

α = 83.3

 

「これを相殺するために自軍にも同じ上昇率を掛ける必要があるとするとスキル効果で8300%……。

わりと現実的な数値ではある気がしますね。

ただそれなら普通に殴っても勝判定が出そうな気はしますが……」

 

「上位の異境砦を攻略する場合って防御側が砲3種で守る関係で雑賀衆が必要になってくるじゃない?

というのも器系兵科で兵士攻撃力が高いのが雑賀衆だけだからさ。

でもキャップ理論である程度敵兵を削ることを目的にするなら、兵士攻撃力は関係ないから破城鎚でもいいんだよね」

 

貴重な雑賀衆を節約するという目的であれば活路はあるかもしれませんね」

 

「この果心異境でのキャップ理論についてはYoutuberの七夕さんが先日ツイートしてた内容なので気になる方は調べてみてください。

僕はそれを見るまではキャップ理論は現在では使えないと思ってたんだけど、果心異境においては『火力が足りない』『雑賀衆を節約したい』『レベリングに使いたい』みたいな目的がある場合は使えるかもしれません」

 

「その場合は2%にこだわる必要はないかもしれませんね。

αが足りなければ1%にするような調整を加えてもいいかもしれません」

 

「ということで『剣豪2%キャップ理論』のお話でした!

最初にも言った通り『懐かしいなあ~』以外の感想は特にない内容になったけど、今後さらに誰かがこの話を昇華させてくれることに期待しつつ今回は以上にしようと思います!」

 

「くるるさんは全く果心異境をやってないのでこの話の続きを書くことはないですもんね」

 

「ということで今日はこの辺で!

おつでした!」

 

「お疲れ様でした」

 

 

 

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