孫に会いたいという義両親に呼び出されて義両親宅へお邪魔することになったある日。

いつもと変わらぬ道順で、いつもと変わらぬ義両親宅へ。

ただ1つ、変わっていたのは義両親宅の表札。

新しくなったーとか、オシャレなデザインになりましたねーとかの次元ではない。

義両親宅の表札は義父と義母の名前がフルネームで並んでいるものだったのだが、そこにあるはずの2人の名前はまったく別人のものに変わっていたのである。

『誰!?』

あたしの脳内は大混乱。

訪れるお宅を間違えたわけでもない。

家の外観はそのまんま。

表札の人名だけがまったくの別人になっている。

不安な気持ちでインターホンを押すと、普通にご在宅な義父母。

育児による寝不足か過労で白昼夢でも見たのかと思いつつ、念の為もう一度玄関前に戻り表札を確認するとやはりまったくの別人の名前。

訳が分からなかった。


『気付いた?

 運気を上げる為に名前を変えたの。

 有名な先生に見てもらったのよ。』

と笑顔で言う義母。

話によると戸籍上の名前を変えたわけではなく、通り名?通称?を変えただけとのこと。

そう言えば、義母は車のナンバーもどこぞの先生に占ってもらった数字をつけるようなスピリチュアルなタイプの人だった。

また別の日には、義母が真剣な顔で『私が病気がちなのは、夫家一族の業を私1人で背負っているからなのよ。』とあたしに語ってきたこともあった。


信じるものは人それぞれだし、それを信じることで気分が前向きになるだとか人生楽に生きられるならば全然アリだと思う。心の内は誰でも自由だ。

それと同じだけ、そんな義母を怖いと感じてしまうあたしのことも許して欲しい。心の内は誰でも自由なのだから。