ジョブ型とメンバーシップ型について、この間のワールドシリーズで考える議論を聞く機会があった。
山本由伸は第2戦で完投。アメリカは野球でもジョブ型なので、先発は6回まで、その後中継ぎ、抑えとなっているそうだが、そのルールを破って完投に至った。
これには皆驚いたが、感動もしたそうだ。
次の試合では、延長19回にリリーフとして出るために準備をした。
これはジョブ型ではあり得ないことで、アメリカ人はまたも驚いたという。
第6戦では先発して6回5安打1失点で投げ切り、翌日、第7戦にリリーフで出てきて3勝目を挙げ、ワールドシリーズ制覇に貢献した。
こういうことに皆感動はしたものの、やはりアメリカ人の間にはクレイジーだという評価が強かった。
日本の侍はここまでやって(自分を犠牲にして)チームの勝ちを取りに来るのかという、驚きもあった。しかも、それによって結果が出た。
それでも、こんな(クレイジーな)ことをやったら、その年はいいかもしれないが、そのあと選手生命が短くなるからそんなことはしない、という選手がやはり大半ではないか。自分もこうなったらやるぞ、という選手が続くとは中々考えにくい。
アメリカでは契約が当然に厳しく、山本選手があのような投球をして契約上問題にならないのか。さらには、仮にこれによって故障でもすると、本人だけではなく球団の損失にも繋がるので、これらを考えると、結局のところ、アメリカの野球におけるジョブ型スタイルが変わるとは思えない。
以上、ジョブ型のアメリカとメンバーシップ型の日本と、顕著な違いがここでみられた、ということであった。
なるほど、正社員は与えられた職掌を、必要とあらば無制限に超える、残業休日出勤遠距離転勤なんでもあり、こういう社会にジョブ型なぞ溶け込めるのか。ジョブ型と言ったって、いつの間にか日本型ジョブ型という、訳のわからない姿になっていくのではないか、そんな気もしてくる、聞いていて、そして後で考えて、そう思った。