国民生活センターが注意喚起した「失業保険の給付額や受給期間を増やすとうたう申請サポート」は、雇用保険制度の仕組みを正しく理解していない、または意図的に誤解させる点に大きな問題がある。(*1)

 失業保険(基本手当)の給付額や給付日数は、離職理由、賃金日額、被保険者期間、年齢など、雇用保険法および関係法令で定められた基準に基づき、ハローワークが個別に判断するものである。第三者が介入したからといって、恣意的に「増やす」ことはできない。

 実務上、特に問題となるのは、「診断書を取れば給付が増える」「特別な申請方法がある」といった説明で、利用者を契約に誘導するケースである。これらは事実と異なるだけでなく、虚偽申告や不正受給につながるおそれがある。不正受給と判断されれば、給付の返還に加え、返還額の最大2倍の納付命令や刑事告発を受ける可能性もある。

 センターには、以下のような相談が寄せられている:

 申請サポートを依頼すれば受給額が増えると期待したが、実際には増えなかった
 途中で解約を希望したが、事業者が認めなかったり、違約金を請求された
 うつ病などのメンタルの不調はないにもかかわらず、指定のクリニックで受診するよう指示されるなど、不正受給を促すかのような誘導をされた

 また、費用や解約条件が十分に説明されないまま契約が成立している点も、消費者トラブルとして深刻である。制度理解の不安につけ込んだビジネスと言わざるを得ない。

 失業保険の手続きで不安がある場合は、まず住居所を管轄するハローワークに相談することが原則である。そのうえで、制度の説明や書類作成の助言を求めるのであれば、国家資格者である社会保険労務士など、正規の専門家に相談することが重要である。  
 「給付が必ず増える」といった断定的な説明をする業者には、十分な注意が必要である。

*1 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20251203_1.html