従来、「従業員の副業先における労働時間を通算すると法定労働時間を超える場合に、その事実を知らない使用者でも割増賃金の支払義務を負う」ものと解されているように思っていたが、案外そうとも言い切れないようだ。
内閣府のサイトに、「副業・兼業に関する法的課題」と題する森・濱田松本法律事務所の荒井太一弁護士の資料(*1)が掲載されており、「・・・副業は、本業の関与しない事象であるにもかかわらず、副業の事実を知らないまま法定労働時間を超えて労働させた使用者に労基法違反の責任を課すことはあまりに不合理・・・」(20ページ)、「・・・副業・兼業の労働時間について認識がなければ通算しなくても責任を負うことはない、という帰結が学説・裁判例のスタンス・・・」(21ページ)とある。
この資料では、裁判例として、横浜地判平成30年3月28日・同控訴審東京高判が挙げられており、「裁判例においても、労働者が副業・兼業をおこなっており、かつ、労働時間を通算すると労基法32条所定の労働時間を超えることを当該事業主が知らなかった時には、同事業主の下における労働に関し割増賃金の支払い義務を負わないと考えられている。」と記している。
ChatGPTで調べると、東京地方裁判所令和7年3月27日判決で「使用者が他の勤務先での就労状況を「知らなかった」場合には、労働基準法第38条第1項の通算規定による割増賃金の支払い義務は負わない。」「したがって、本件では使用者(運送会社など)が、副業などの他の就労を知らなかったため、割増賃金の支払義務を負わないと判断された。」とされたということである。
Geminiで同じ判決を調べると、「この判決は、従業員が副業を行っている場合に、会社が副業の事実を知らないのであれば、副業先の労働時間と自社の労働時間を通算して法定労働時間を超えても、割増賃金の支払義務は生じないということを明確にしました。これは、労働時間の把握が現実的に困難な状況において、使用者側の責任範囲を限定した点で重要な判例と言えます。」ということであった。
Claudeでは、「この判決により、以下の点が課題として浮き彫りになりました」として、次の3つを挙げた。
・使用者は副業の有無をどこまで把握する義務があるのか
・労働者の申告義務はどの程度求められるのか
・労働時間通算制度の見直しの必要性
なお、厚労省でこの問題について検討されている、ということは兼ねてから報じられている。
・使用者は副業の有無をどこまで把握する義務があるのか
・労働者の申告義務はどの程度求められるのか
・労働時間通算制度の見直しの必要性
なお、厚労省でこの問題について検討されている、ということは兼ねてから報じられている。
微妙な問題で下手に手は出せない感じである。法改正できちんとまぎれのないようにしていただきたいと思う所以である。
写真は新城のセントトーマスでのドルチェ。ピザが美味しいという評判だが、平日のランチではそれが出ないということで、パスタをいただいた。
