後半は仁祖と奸臣にイライラ。『華政』④ | コワれるまで ALLORA

後半は仁祖と奸臣にイライラ。『華政』④

『華政』(ファジョン)(2015年)、全話観終えました。
正史ではなく、フュージョン時代劇です。

光海君(チャ・スンウォン)が失脚した24話以降は、綾陽君
( ヌンヤン)
(キム・ジェウォン)改め
()
씨朝鮮第
( チョソン)
16代国王仁祖に
(インジョ)
よる、ヒロイン貞明公
(チョンミョン)
主(イ・ヨニ)への執拗な嫌がらせが続くのです。

もう、なんでそこまで捻くれるかな~
「いやだ」「嫌いだ」で国政が歪んでる~

本作後半は、けっこうイライラさせるシーンが多かったです。

本作(に限らず韓国ドラマってみんなそうだけど)ではインジョ王ばかりがワルいのではなく、とにかく臣下の面々がワル過ぎます。

そもそも後金を
( フグム )
怒らせて国難を招いたのは、もともと明と
( ミョン)
の交易で利潤を得ていた重臣らが光海君の明と
(ミョン )
後金
(フグム)
との均衡外交に反対したから。

国政が歪み歪んで、ついにはインジョ王の三跪九叩頭
(サムグェグゴドゥ)
を招くことになるわけで、これだけ臣下に踊らされた光海君やインジョ王はちょっとかわいそうでもあります。

だから私、光海君を理解し受け入れたチョンミョンが、次の王インジョと対立する中で、やがて王の座の重さに苦しむインジョをも理解し、王という座に就いた者をサポートする、懐の大きな女性になっていくのか、と思いました。
三跪九叩頭で傷ついたインジョを支えてあげるような女性になるのか、と。

でも韓国ドラマというのは、そんかなに甘いものではありませんねぇ。

どんなにチョンミョンがインジョの心を溶かしても、奸臣らが寄ってたかってチョンミョンを悪者に仕立て上げるのです。
もう観ている側はイライラするばかり

ところで私、実際に映像化された “三跪九叩頭” を観た記憶は少なく、
推奴(チュノ)(2010年)と本作くらいなものではないでしょうか。

加えて意外なことに、仁祖
(インジョ)
の反正・即
( パンジョン)
位から病没に至るまでをきっちり描いた作品って、今まで無かったと思います。

もちろん本作はフュージョンでして、まるで 『善徳女王』(ソンドンニョワン)(2009年)のヒロインが中央アジアのタクラマカン砂漠で育ったように、本作のチョンミョンも日本の長崎県で青春時代(奴隷だけど)を送るという奇想天外ぶり。

でも、重要な歴史的事件を押さえていて、なかなか史劇としても興味深かったです。



               



本作の残念なところは、公主であることがバレた以降、男勝りな男装姿が無くなってしまったことです。

>同伊(トンイ)(2010年)でもそういうところは感じましたが、でも剣契( コムゲ)の残党が現れた時には、トンイちゃんは昔の監察府の(カムチャルブ )恰好をしてくれましたからね。

でもドラマの最後の最後でチョンミョンは、夫となったホン・ジュウォン(ソ・ガンジュン)と共に昔のコスチュームで火器都監に( ファギトガム )姿を見せてくれました。

ソ・ガンジュンは 『キミはロボット』(原題:君も人間な
(ノド インガン)
の?
(イニ)
 2018年)のロボット「ナム・シンVer.Ⅲ」ですね。


最後にこのドラマ、「数年が経って」というすごい中抜けがあります。

いつの間にかチョンミンには2人の息子がいて、仁祖の正室仁烈王
(インリョル)
后(イ・スンア)は亡くなっていて、中殿は荘烈王
(チャンリョル)
后(キム・チェビン)になってて、もう「お前誰だよ」と言いたいくらいです。

火器都監の職人スドク(カン・テヒョン)はいつの間にか、火器都監の炊事係ウンソル(チョン・ジソ)と夫婦になってたり、あれほど「チョンミョンはホイホイ男子を生むのに、なぜ私には子供が授からないんだ」と苛立っていた貴人
(キイン)
趙씨
(チョ )
(キム・ミンソ)には、いつの間にか崇善君
( スンソン )
という息子がいたり。

すごい設定変更で、そこは視聴に戸惑いました


きちんと光海君からインジョ王への興亡劇についてじっくり観られた本作、よかったです。