先日記事と重複箇所も多いとは思いますが、ひとまず備忘録としてこのブログを使ってることもあり、2019年末のオーディオルーム改装で自分はどう考えてどう部屋をいじくったか、年月が経ってもこの記事を見れば分かるように内容をひとまとめにしておきます。

①正面側


・ラックの交換:サウンドマジックのラックをマルチチャンネルオーディオ用に振り替えてクワドラスパイアのQ4D slitを導入。導入当初は3段にしていたけれども、2段に減らした。ラックはセットのパーツ半分しか使用しておらず、パーツ単位で買った方が安かったかもしれない。
棚板は必要悪と感じており導入数は最低限にしたかったと、なるべくラックの全高を低くして音像形成の邪魔をして欲しくなかったというのがその目的。交換前よりも最終的に30%くらい高さをスリム化できたかもしれない。ACリジェネレーターを棚板から床面に移動。

・正面壁にホワイトオーク板を張り付け:当初は正面壁に調音パネルを設置していたりしたが、付帯音が付いてしまっていることに気づいて撤去したら音がすっきりした。
さらにすっきりした音にできないかという狙いで、より壁からの反射音をハイスピードに素直な音にすることを狙ってホワイトオークのフローリング材を正面壁の下半分に貼り付けることにした。
真正面は奮発して?1枚板の巾150mm厚15mmのヨーロピアンオークを使用したが、材の計算をギリギリまでやらなかったせいで、ツギハギをそれなりに作ってしまった。折角の1枚板だったのに。
スピーカー背面は中国原産のホワイトオーク巾90cm厚さ15mmのユニタイプ。比較的お手軽な価格だが、質感は結構満足している。通販で2番目のグレードのものを買ったが、床材よりも木目は目立つ感じだ。まあ音質には関係ない要素ではあるが。
ここに板材を貼る際に、あまり使っていないコンセントを2つ埋めてしまった。オーク材をコンセント周りに綺麗に処理するのは素人では不可能だ。
都度試聴しつつ、少しずつ貼り足していったが、結果的には真正面に板材を貼ったことよりも、スピーカー背面に板材を貼った効果の方が大きいようだ。距離に比例して減衰する訳なのである意味当然か。スピーカーの真後ろの壁は一番減衰の少ない音波を反射している壁なのだから。
 壁材を貼ったことによる効果は狙い通りになってくれており、音が好みの方向にいってくれたようだ。スピーカー背面を拡散するケースも多くそれにより音場の立体感が生まれるが、その分音が前に出てこない。自分は前に出てくる方が好きなのだ。

・スピーカーにベースをマウントして可動式に:今まではステレオスピーカーをスパイクで床と直結していたが、ベースを介在させて、位置を移動させやすくした。
レーザー距離計を使って左右対称性は1cm未満の誤差まで改善もすることができた。
何度か移動させて壁からの距離を取ったりもしたが、結局それなりに壁と比較的近い位置まで寄せることになった(改装前よりは距離は取っているが)。
離せば離すだけ奥行きも出るが、背面からの反射音が遅れるし埋もれるのであまり期待している音の方向にいかなかった。この辺りはスタンダードなセッティングとは異なるのでこれを良しとしつづけるか今後も検討の余地はありそうだ。

②側面側


・5.0chオーディオシステムこのポーネントの移動:側面壁にあったものを背面に移動。それに伴い、収容能力が低下したためステレオ専用のSACDPを撤去した。
これでリスニングポジション周囲の開放感が増したが、リスニングポジション周囲にフラッターエコーが生じやすくなってしまう。

・調音パネルの位置調整:正面に設置していた調音パネルは一部の音が遅れるので撤去したが、その分を側面壁に設置し左右合わせて4枚のパネルを設置した。
当然側面からの反射音は擬似的にも実際にも反射音の位相が遅れるわけになるが、側面からの反射音が遅れる分には、擬似的に横幅の広い部屋と似た音響効果になり、側面からの圧迫感が少なくなってくれて良い方向の効果がある気はしている。

・フラッターエコー対策のクリ材ブロックを設置:建設会社の発表済みの論文を参考に、側面の反射壁に生じるフラッタエコーを減少させるため、クリ材を使用した階段状のブロックを壁面に設置した。DIYで硬く反りやすい材を使用したため、綺麗に固定することがなかなかできなかった。もう一度やり直すチャンスがあればもっと綺麗にできる自信はあるのだが、まあ素人工事であまり見てくれに拘っても仕方ないか。

現時点で側面はかなり拡散や吸音を多用することになってしまったが、部屋の大きさが何よりの根本の原因ではあるとは思っている。
91cm(半間)モジュールで縦6横5高4の15畳部屋だが、左右の横幅をそれぞれ91cm分足して縦6横7高4の21畳部屋にしておけば、横からの圧迫感も減るし、サラウンドスピーカーも理想に近いポイントに設置できただろうし、小手先を加えることの少ないより理想的な部屋と言えるかも知れない。
とは言ってもその大きさを実現することは今の取得用地では不可能だったろうし、生活空間とのバランスも取りづらく、コストも跳ね上がっただろう。
建設当時にこの知見があったとしても土台無理と言わざるを得ない。身の丈に合った大きさの部屋で後は小手先の工夫で対応というのが、小市民の自分にはふさわしいのだと言い聞かせるしかない。

③背面壁


・5.0chの引っ越し:従来センタースピーカー用のパワーアンプを置いてあったスペースに5.0chのSACDPとAVアンプを移動した。SACDPはステレオ用も兼務することにした。まあ殆ど使用していないのだが。
さらに5.0chのサラウンドスピーカーをシアターサラウンドの803Sではなく、シアターフロントSPの802Dに任せることにした。配線し直しがかなり面倒ではあったが、原因は設計時に視聴位置が定まっていなかったのが最大の原因。


・調音パネル移動
正面壁のスピーカー背面部の壁をより積極的に反射させることにしたので、平行面となる背面壁の部分に調音パネルと置いてフラッタエコーの発生を積極的に抑制することにした。
今までは持て余していて機材の裏に目立たないように置いていたが、あまり効果は実感していなかった。
今回の移動により持て余していた感のあったパネルに積極的な設置意義ができてくれた。その効果はあまり実感できていないのだが。

・細かいパーツの黒色化:ラッカースプレーやハイミロン生地を使って、シアタースクリーン周辺の細かい機材を黒くした。黒に統一すると機材がごちゃごちゃしているはずが、漆黒に埋もれてうるさく感じず、迷光対策になってくれる。見た目にもすっきりしてくれて好印象だ。

④床


・オイル塗り直し:4年経過しているのでオイルの塗り直しをした。てっきり最初に塗ってあったのがオスモのオイルだと思い込んでいたが、思い返すとキヌカを塗ってあったようだ。
それに気付かず今回はオスモを塗ってしまったが、塗った直後は結構臭いがきつかった。いままでと別のものを塗ったので木目の風合いも少し変わった。音の影響も見た目も誤差の範囲だが。
床は壁や天井よりも強度が強く、落とし穴を作るわけにも行かないので壁天井のような吸音部が作れない。否応なく床からの反射音が多目になってしまっている。局所的にクッションをいくつか置いてフラッターエコーを局所的に減らそうと試行錯誤している。

⑤天井


基本的には何も弄っていない。3.5mの天井を素人が弄るのは大けがに繋がりかねない。
ただ、LEDの調光は生理的にも電気的にもあまり良くないのではないかと思い始めている。
電気設備を交換するというより、真面目に聴くときは消灯するようにしはじめた。

そして現在の部屋の特性


800Diamondの無響環境での特性(stereophileより引用)


聴感上も測定上も案外それなりに良い感じの特性になってくれているように感じる。
昨年末からにわかに再燃し始めたオーディオ熱ではあるが、現時点でのボトルネック(ネットワークプレーヤーやDAC、プリあたり)を解消するという課題はあるものの、
その辺りが一段落すれば当面は機材の更新はしないような気がする。(そもそも今の時点でも4年間も主要機材が更新されていないのが現実ではあるが)

ある程度のグレードになると機器の更新の重量品のため肉体的にも負担が大きいし(金銭的にも当然ながら)、大型オーディオの配送は断られたりコストが高くなったりで以前よりも気軽に交換して楽しむというのができなくなっているのは間違いなくある。

それだけでなくスピーカーから出た音を耳に届くまでの室内音響の方がいろいろ気軽に試行錯誤できるので楽しかったり、そもそも機材の回路を見てどうこうの評価ができる知識がないので機材の吟味をする楽しみがどうしても浅いレベルでしかできていないという壁を感じている。

オーディオは一生続けられる趣味だとは思う。
音楽鑑賞を楽しむ上で、より深く楽しむためには
・楽曲に対する理解を深める素養があった方がいい
・演奏に対する理解が深い方がいい
・音楽再生を担う電気回路に対する理解が深い方がいい
・スピーカーからでた音がリスナーに届くまでの室内音響の理解が深い方がいい
・音を人はどう感じるかという生理学の理解が深い方がいい

これらのジャンルの異なる幅広い素養を身につけることで、より深く楽しめるようになると思っているからだ。
音楽、工学、生理学、建築学、音響学など幅広すぎてなかなか追いつかないが、良い音を聞きたいという一つのモチベーションから様々な分野の知見を得る機会になるのだから、続けていけば面白いに違いない。
当面の目標は電気回路に関する知識を身につけたいのでDACやアンプの習作を自作してみたいなとおもってはいる。
改装によりリスニングポジションで中高域のフラッターエコーが出るようになってしまったので対策をと思っていて、
あまり吸音をしたいわけではなく、厚みもコストもかけたくない。というところで検討していたところ、
戸田建設が手軽な方法でフラッターエコーを減らせることを科学的に証明した論文を見つけたのでそれに倣うことにした。
https://www.toda.co.jp/lucubration/pdf/v644.pdf

自分が建てていたときにはそんなこと知らなかったが、建てているときにこの知見があれば設計が変わっていたかも知れない。

論文の寸法通りの巾4.5cm厚み1.5cmのオーク材はネットで探してもなかなかないし、他の材にしても送料が馬鹿にならず途方に暮れていたところ、
近くのホームセンターで巾4.5cm厚み1.5cm長さ45cmと巾9cm厚み1.5cm長さ45cmのクリ材を見つけた。
木目や色は多少異なるものの似ており、硬さも同じような感じなので、仕方なくクリ材で作ることにした。



クリにしろオークにしろ、反りやすい材ではあるし、固いので穴空けなども難しいし、自分に加工のスキルや優れた道具もあるわけでもないので、仕上がりが汚いがまあ、仕方ないか。
位置を動かしたりする可能性があるので接着剤は使わず、ネジのみの固定。



フラッターエコーは明らかに改善。リスニングポジションでの聴感はすっきりアッサリした音調になった。フラッターエコーが減ったなったからなのか、凹凸が増えて吸音効果になったからなのかは分からないが、予想していた効果と少し違う。何にしろ結果的には良い方向に行ってくれたので良かった。音が悪くなれば外して破棄する予定だったので。

フロント壁用の端材で細かい部分も付け足しをした。



 リスニングポジションから見て左側にあった5.0chオーディオシステム用の機材ラックを後方に移動させたらリスニングポジションの左右でフラッターエコーが出るようになってしまった。
側壁が平行面になったので当然ではある。石井式の本によると、スピーカーの発声部でフラッターエコーが出なければ問題ないというが、リスニングポジションでフラッターエコーが出る環境を一切問題ないとはなかなか考えづらい。
何よりリスニングポジションで声を出したり物音を立てたりしたらいちいち耳障りなエコーがかかるのは不快極まりない。
さすがにスピーカー周りだけでなくリスニングポジション周りもフラッターエコー対策しておきたい。フラッターエコー対策で拡散を少々に増やしておけば、ひいては高次反射音が増えて程よい臨場感に繋がるだろう。

 そのためにもそろそろ自分も部屋やシステムの特性の計測を始めようと思うようになった。建てるときの当初は機材やソフトが高価であったので厳しかったが、今はそれなりに安価で入手できる環境のようだ。
USB対応の測定用マイクUMM-6というものを購入した。USBなので入力のためのオーディオインターフェースが必要なく、キャリブレーションなども設定済みなのでお手軽簡単でトータルコストも安い。



出力はオンキヨーのSE-U55XというUSBオーディオインターフェース。20年近く前の物なのだろうか。かつてはPCの出力管理、その後カラオケマイクの入力に活躍し、今は測定用音声の出力に使っている。なんだかんだで自分の一番付き合いの長い機器になる。
録音をしないにしてもオーディオインターフェースはちょいちょい使うのでもう少し良い物を買ってもいいのか?
ちょいちょい使うにしてもスペックの古い機材でも十分な用途だけにそこまでの必要は感じないが、間違いなく価格以上に活躍した機材としては自分の中では一番である。次点はNP-S2000か。

インストールに苦戦し、現行のOSのMacだとマイクを使うときにアテンションのポップアップが出て上手く測定できず、Win10のサーバーPCだとうまくインストールできず、
旧OSの今は使ってない古いMacにインストールしたら上手く起動できた。
SE-55XといいMacといい古い物も案外役に立つ物だと思うことが多い。
測定結果の解釈が難解だが、極端なディップやブーミングはないようだ。ここから少しずつ理解を深めて改善に繋げたい。


石井式で指定されている表層の壁の石膏ボード2枚+ベニヤ板の組み合わせであるが、現実的なコストパフォーマンスや消防法を考慮した物なのかも知れないが響きがそんなに好みでは無い気がする。
消防法的に問題ないのかは不明だが、石膏ボードではなく構造用合板を用いたり、ベニア板ではなく安いパイン材などでも良いので無垢フローリング材を用いた方が追加コストがそんなに多くない割に響きや強度をしっかり強化できるように思える。
天井にその設計は工事的に厳しいだろうからそこまでしなくても問題ない。床がどうしても壁に比べて普通にやっても強固になるので、天井は少し柔らかいくらいで丁度良いとは思うが、側壁も壁に聞き劣りしないような反射が欲しいとは思える。

そして間柱の設計も文句なしとまではいかない。内部に吸音材を入れないといけないので、細かくしすぎると十分入らなかったり、手間が多くなったりするが、壁を叩いたときの音が場所によって異なり、ガチガチとまではいかない。

正面壁の反射面は拡散させずに素直に反射させる方針としたが、その反射の質を良くしたいと思い、リスニングポジション付近の壁を補強することにした。
壁材でも良いのだが、種類が少なく選択肢が少ない。それならばフローリング材を壁に貼れば良いだろうということでオークの無垢フローリングを正面壁に貼った。
フローリング材は厚みが十分で種類が豊富でお買い得なものが多く、細かく分かれているし接着剤と釘の固定を併用もできるため、大きな板を張るときに比べて接着不良が起こりにくい。割と理想的な内装材と思える。



塗装は当初は無塗装とした。無塗装の音を試してその後塗装をするというのはある意味DIYでしかできないものであるが、
無塗装は内部摩擦が少ないため反射音が一番大きいのだという。反射音は吸音壁を作るくらいなので量は求めていないが、内部損失が少ない音が理想的なのかもしれない。それを確認したかった。
試してみたところ、反射音が大きいのか不明なくらい痩せた音になっている。正直自分の好みでは無い。
よくよく調べてみると、塗装により反射音は減るが反射音の立ち上がりの早さは早くなるという。
やっぱり塗装をした方が好み的にも良いし、それを肯定する理論もある。無塗装は木目が出ないので見た目が微妙だっただけによかった。



オイルを薄めに塗って視聴したところ、期待通り音が澄んでくれたように感じる。固くて強固な正面壁を作ったので正面壁の一次反射音がハイスピードになり、音の濁り感を減らしてくれているのだろう。
 どうもルームチューニングのやり方を間違っていたようだ。

 ふと思ったのがボーカルに付帯音というかエコーがかった感じの濁りがあるなということ
試しに正面のパネルを撤去してみたら一気に澄んだ音になった。調音パネルが逆に悪影響になっていたようだ。
そのパネルをスピーカー側面に設置したところさらにすっきりした感じになった。





 それならばと実験的に背面にもシアター側で使っていたパネルと試しに置いてみた。するとまた最初のような音に濁りを生じることになった。



 ルームチューニングは定在波だったり残響特性であったり、吸音遮音の周波数であったりと様々な理論が存在し、それを否定するつもりもないが、少なくとも自分にとってはそれよりも優先すべきもっとシンプルな理屈が存在するのではないか、そういう考えに至っている。

 部屋の壁は吸音壁でない限りスピーカーからの音を反射している。
つまるところ、壁自体が振動板となってそれぞれの壁がスピーカーの様に音を出している。
吸音させたり拡散させるということは壁の出音機能をなくしたり、その性質を変えることになる。
拡散系のアクセサリーを沢山置いたり、壁から十分距離を離すと音に奥行きが出るのは、正面の壁から発する音が実際に遠くなったり、拡散によって1次反射ではなく何度も反射して残響成分になってしまっているからである。スピーカーが遠くなったようなものなのだから、確かに奥行きが出るのは当然だ。
だからスピーカー背面の壁、つまり正面の壁面をそもそも拡散するべきか、どれくらいするかは好みによるところが大きい。
奥行きをつ付けすぎれば良い物ではないと思うし、近い音の方が好きな人もいる。コンサートホールの前席が好きな人もいるというのと同じだ。
そして拡散するなら扱いは慎重にしないといけない。反射の回数が少ないと、残響成分にならず、直接音の濁りになってしまう可能性がある(自分はその過ちをやってしまっていたようだ)。
逆に反射の回数があまりに多すぎると、それは消音器になってしまい、吸音壁と変わらなくなってしまう。
そもそも残響を作り出すことは正面の壁面でなくてもできるので積極的に正面の壁で拡散させるべきなのかは(少なくとも自分の好みのサウンドを作り上げる過程の中では)その必要性が少し疑問に思う。あえて、定位が敏感で扱いの難しい正面でなくても側面背面で積極的に拡散する方がより理に適っている気もする。
元々スピーカー側はデッドにしたい場合や正面の壁があまりオーディオ向きでは無い中空の壁でその悪影響を排除したい場合などに利用する分には良いのだろうが。

 それならばリスナーの眼前の壁面だけをチューンすれば良いかというと実験的にもそうではないようだ。
音波は距離とともに減弱するのでスピーカーに一番近い背面の壁が一番反射する音波が大きい。そしてその壁面は左右とも存在するので、反射音も左右で音像をステレオフォニックに結ぶ。
スピーカー背面の反射音も結果的に正面から出ている音の様に聞こえるのだ。



 側面の壁はというと正面の壁の様に直接音にあまり影響してくる感じがない。
四角い部屋の場合ではあるのだが、リスナーの方向に向いていないこと、左右の壁が向かい合っていることからか理屈は明確では無いが、素直に反射しても聴覚的に窮屈さを感じるだけで、それなりの面積を消音や拡散させてしまった方が部屋が大きくない場合良いような気もする。
自分は縦長に部屋を使っているというのと、部屋がそこまで大きくないからなおさらなのかもしれない。側面を積極的に反射させてサウンドを作れる資格がない自分としては、拡散効果のあるパネルを置いたところ良い方向に働いたようだ。

 ということで自分の中では正面の壁は素直に反射させたい。その反射音は他よりもより配慮したものにしたいという気持ちになった。
壁は石井式の石膏ボード2枚と突板のボード1枚の組み合わせでコスパが良く、なおかつそれなりの剛性があるのだが、厚い板でさらに補強すれば硬さはもう少し改善できそうだ。正面の壁だけでも施工すれば澄んだ反射音になり、音の鮮度の向上に期待できるかもしれない。
オーディオファイルの人達はとパワーアンプ以外の機器は少しケーブルを伸ばしてスピーカーより話した位置にセッティングすることが多い。
理由は明白で、スピーカー間は音像を形成するスペースなのであまりモノをおかない方が音が良いからである。
自分でもセッティングをそれなりに試してそれは割と実感しているところではある。

ただ自分も含めて真ん中に機材を置きたい人もいるのは事実である。
その理由としては、ケーブルの取り回しが最短でできること、視覚上の対称性や音の上流から下流まで一つの視界に収めることができるルックス上の利点などがある。

結局どちらもメリットデメリットはあるが、何を一番問題にするかという考え方によって、スタイルが変わってくる。
そもそも論として本当に全く何も置いてはいけないのかということを落ち着いて考えてみる。
パワーアンプは大半の人がスピーカーの間に置いているように、床付近に背の高くない機材を多少置いてもあまりデメリットは顕在化しない。スピーカー間の耳の高さ付近の空間が音像に影響するのであって床付近はそれを担っている要素は少ない様に思われる。
それであれば上流機器もスピーカー間にセッティングはしてしまうが、なるべく機材を最小限に搾り、背を低く積んで音像に影響する部分を超えないようにする。そういう折衷的な志向でやるぶんには良いのではないか。今現在そう考えている。



その分だけ上流の機材の数は限られてくる。なのでメインではない機材は離れた所に設置するし、ネットワークプレーヤーとDACとプリアンプをハイレベルで兼ね備えた機材が欲しいのは上流の機材の数を減らして高さを減らしたいのが一番の理由であったりする。
なるべく背を低くしたいがために機材の距離が狭いことによる多少の悪影響がないとは言えないが、背を高くする方がデメリットが大きいと感じており、何を大事とするかという取捨選択をした上でそれは甘受している。


 我が家のホームシアターシステムとマルチチャンネオーディオシステムは基本的にはあくまでオーディオルームのステレオシステムのおまけである。
だから本体部屋を狭くする原因となる機材室など作らなかったし、音響面で悪影響の多いためステレオ側に機材を設置するわけにもいかない。今までは側面に一部の機材を置いていたが部屋が狭くなり圧迫感もあり、部屋の対称性が毀損されるため撤去してしまった。

 結果的にシアターのセンターとフロントの間のスクリーン下のスペースがホームシアターシステムとマルチチャンネオーディオシステムの機材設置スペースになる。
 当然のことながらそのスペースに機材を積むとシアターの音響的には良くないのだが、シアターシステムはステレオの邪魔をしないことが第一優先事項なので割切っている。
機材やスピーカーはぎゅうぎゅうに余裕無く敷き詰めて設置しているし、壁との距離も確保していない。セッティングとしては劣悪なことを甘受した上でそれなりに納得いく楽しめるシステムにしようとしている。

 機材を敷き詰めたらその分だけごちゃごちゃと乱雑な印象になりかねないが、ちょうどスクリーン下の空間は迷光対策が必要な位置である。
だから機材群を黒に統一してしまえば迷光対策になるだけでなく、機材がごちゃごちゃしていても闇に紛れてわからないし、フロントに大型機材が並んでいる割には圧迫感も存在感も軽減される。一石二鳥である。
そのため機材をなるべく艶消しの黒の機材を集めて、黒にできないものは黒覆布をかけたり、着色したりして小物も含めて機材を黒に統一した。







 音響的にはありえないがセンタースピーカーの下の空間にiRemocon、アンプセレクター、wifi子機をセッティングしているが黒色処理されていてほぼ普通にしていると存在を認識できない。スピーカーのスパイクも全部黒くしている。センターの裏側は配線の交差点になっている。HTM1Dの意外に素晴らしいところはその巨体ゆえにいろいろなものを隠せる所にある。こんな罰当たりな使い方は肯定されることも少ないとは思うが割り切ったシステムでは大きなメリットになっている。唯一無二のスピーカーだけに我が家では当面外すことが出来ない重要なスピーカーになっている(というか大きすぎてドアを通るのが厳しいためおそらく専門業者がいないと部屋から出すこともできないのが現実だが)。

 黒に統一したらそれなりにすっきりしてくれたように思われる。
整頓と同時にある程度機器のセッティングや個数が固まってきたので積み起きされていた機器にラックをあてがうことにした。

シアター機器のラックはハヤミ工産の NX-B301L。オーディオラックとしては間違いなくローエンドの部類に入る。ぶっちゃけ低品質ものの激安品だ。だが単純に出費をケチっただけが選定の理由ではない。こちらで考えていた条件が厳しく、それにこのラックが適合したからだ。
シアターシステムのラックの条件として
①スクリーン付近に設置するので黒一色のもの
②設置スペースが逼迫しているため幅60cm未満、高さ70cm未満
③18〜19cmの機材を2つ積むため、それが収納できるような棚板設定。
④パワーアンプがゴールド色だがスクリーン付近のためそれを隠せるような遮蔽設定
⑤AVアンプのメンテナンス性向上のため移動しやすさと背面の最低限の操作性

これらを考慮したところ適した数少ないラックがこれであった。



棚板は2枚付属しているが使用は1枚のみとしている。背板も配線上理由で1つを真ん中に設置。キャスターは1度取り付けたが高さがありすぎたので撤去。ガラス扉は反射がうるさいので撤去。ちっともマニュアル通りに作らない。
パワーアンプの色隠しのため、ハイミロンのカーテンを取り付けて隠してしまった。リモコン受光部がない機器だからこそ可能な芸当ではある。


オーディオラックはクアドラスパイアのQ4D Slitを選定。理由は
①自分のオーディオルームがシアター面を除けばオーク木目+黒をコンセプトカラーにしているので、オーク突き板と黒色のポールを選べるのはデザイン的にベストだった。
②ステレオのラックは音響面からなるべく高く積み上げたくないと考えており、段の量を増減できたり、ポールの長さを細かくオーダーメイドできるこのラックは機器にぴったりの最低限の高さに収めることが可能だったから
③個人的にはラックは必要悪的な存在であるためできるだけ存在を主張しないものの方が良い。Q4D Ventは板も厚くポールも太いため控えめな細身のSlitの方が良かった。

以上からこのラックを選定。とりあえずなるべく高さを抑えるため天板は1枚外している。高さを抑える理由でスパイクも外した。前よりもラックの高さを抑えることには成功。



 今まではSACDマルチch再生用のシステムを部屋の左側側面に設置していたが、
使用頻度が少ない割に部屋の中での存在感が大きく、部屋の対称性を損ねていたり、シアターのフロントに近い位置にあったりで、どうにかしたいとは思っていた。
マルチチャンネルのサラウンドはシアターのサラウンドと兼用していたが、実際に使用した印象ではグレードや設置位置を考慮するとシアターのフロントをサラウンドに使った方が良いのではないかという感じがしていた。
 そのためシアター機器のスペースを整理してそこにマルチチャンネルのサラウンドシステムを移動させよう、ついでに配線の組み直しもしようと思い立った。
ステレオ、シアターで使っているスピーカーをマルチchオーディオシステムでも兼用していることもあり、配線が複雑怪奇すぎる。配線の長さも足りないのでケーブル自体の交換も必要になってくる。ケーブルは交換可能ながら地下空間に収納してあるので取り出すのは骨が折れる。
さらに新築時と違いCDプレーヤーを離れたところに設置するようになったのでその配線やiRemoconの信号の入りを良くするためにIRケーブルなども新規で敷設したいと思っていた。
 今回の改装を機にそこに手を付けることを決意。
①全てのスピーカーを配線作業位置から移動する
②幅木を外す
③配線を整理する
④交換が必要なケーブルを床下からサルベージする
⑤新しいケーブルの長さを採寸する。
⑥ケーブルを床下に敷設する
⑦ケーブルの端末、端子処理をする
⑧幅木を付ける
⑨スピーカーを戻す。
これを複数やったからなかなかの作業量となった。
マルチchオーディオ再生をシアターシステムでやったり、ステレオコンポーネントの近くでやったり、そもそもやらなければこんな大変な作業はないのだが、
なぜ使用頻度の少ない設備にこんなに苦労せねばならないのかと思ったが、まあ部屋いじり自体も趣味だからとしか言いようがない。
何度かの動作不良を経てようやく動作確認OK。

作業前


作業後(まだスピーカーの位置や幅木を完全に戻していないが。)


ステレオで使っていたラックを転用。コンパクトになった。
更にラックの天板にしまっていて操作が難しかったファンレスサーバーPCを移設し、PC操作スペースとしても使えるようにした。
ソニーのHDMI端子付きのSACDPでディスク音楽再生の全てを担って貰うことにしたので、SA-13S2はとりあえず構想外となり、部屋から撤去。処分も考えているが、CDPの上級グレードを買う予定はなく、ソニーのやつもディスク再生の挙動に高級感が感じられないため、なかなか決心がつかない。
シアタースペースの所にマルチchシステムやCD再生機能を移設できたのでその分部屋をすっきりさせることができた。