ネットワークオーディオプレーヤーの更新を数年前より検討してましたが、ついに更新することができました。
EsotericのN-01XDを導入。



ディスクリートDACで設定がいろいろ弄くれるけれどもPCMのリファレンスはbit数のアップコンバートなしでモジュレーター周波数最高、ランダマイズが最も少ない設定。
これで出る輪郭が明瞭。中抜けしていないエネルギッシュな音の印象。両者があいまってエッジが効いたくっきりした音の印象が強い。
ハッキリと立ち上がる音は素性が悪いと粗が目立ちそうなものだが、そういった粗をまったく感じさせないゆえに澄んだ綺麗な音という印象を際立たせる。
同価格帯と比較しても輪郭の明瞭さは白眉な印象。ジャンルや好みによっては逆にエッジが効きすぎていて分離しすぎてきついと感じることがあるのかもしれない。
その場合は設定を変更すると分離が緩い感じにできるので、設定の使い分けをすれば致命的な問題にならない。
ただリファレンス以外の設定をメインで使う場合、この機種、この価格帯を選択する理由がどこまであるのかはなんとも言い難い。
基本的には初期設定の音の好みかどうかがこの機種を選択するかどうかの分かれ目になると思われる。

ディスクリートDACはチップと比べて数字上の特性が単純に優れているわけではないので、どれだけ特徴のある音、他では出せない音、聴感上より優れた音が出せるか、がポイントになる。
そういう意味ではそれなりにユーザーがディスクリートDACに期待しているポイントに適った仕上がりになっていると言えると思う。

ただ購入した人間が言うのもなんだが、比較試聴した感想としては同価格帯ならDAVEの方を選ぶ人が多いだろうなあという印象も持ってはいる。
どちらも特徴的な音には仕上がっていて、N-01XDの輪郭の明瞭さは優れているが、DAVEは躍動感があり、うねるような音の立ち上がり、下がり方は他のDACでは味わうことはできず、情報量が一段抜けているように思われる。一聴した感じではDAVEの方が魅力的に感じた。

その上でなぜN-01XDを選んだかというと
①Openhome対応のネットワーク部がある
DAVEにはDAC機能がないので結局ネットワークトランスポートが必要になる。Openhome対応のネットワークトランスポート自体の選択肢が多くない上に、音質的にも後で買い直したくならないくらい十分配慮されたものはさらに選択肢が少ない。
さらに伝送系統の不安もある。ハイレゾ各種網羅した伝送だとUSBになるが、USBの伝送はいろいろ言われている通りオーディオ用に最適化されておらず複数の問題が存在している。独自の伝送方式で改善された技術もいくつかあるが、その互換性が良くない。
結局DAVEを選ぶとその辺りで今後も悩まされ続けることになるし、価格的にも相応の追加コストがかかってしまう。
一体型でネットワーク部の電源も十分配慮されたN-01XDだとそうした部分で悩む必要がない。

②DAVEの独特の鳴り方が長期的に気に入る自信がなかった。
DAVEは抜きん出た情報量のある音だが、他の同価格帯のDACがどれも音源の情報を再現できず抜けてしまっているとは考えづらい。
ならばその情報量は独自のフィルターによりもたらされるものと考えると,その人為的に作られたのではないかという鳴り方が気に入るかどうか、ということになる。試聴時の印象は少し割り引いて考えた方がいいと思えた。
ただN-01XDも自宅で使ってみるとリファレンス設定は分離が良すぎて、万能に音が優れているとは断言しづらい。このあたりは結果的にはどっちもどっちであったように思われる。

③DAVEの後継機種の時期が近いかもしれない
DAVEは現地での発売から4年近くが経過しており、新機種が出てもおかしくない。発売元はまだまだ、と言っているが、そんなものはセールスに影響を及ぼさないように発売目前になるまで否定するに決まっている。
後継機種が出た型落ち機種を型落ち価格で買うのも好きなのだが、型落ちする直前に型落ちしていない価格で買うのはあまり精神衛生上よろしくない。
しばらく出ないにしても、もしかしたら出るかもしれないという恐怖に怯えることになる。
ならば後継機種が出るまで待つかというと、いつ出るか分からないし、これだけ評価が確立している企業が次のハイエンドDACを作るなら、さらに上の価格帯で出してくる可能性が高い。
結局DAVEを今買うことを検討するといろいろ気になってしまうのだ。

④プリアンプの問題
DAVEにはデジタルボリュームコントロールが付いており、プリアンプがなくても動作できる。
ただその機能は評価が定まっておらず、オマケ機能であって別途プリアンプが必要という意見も見られる。
その辺りの機能が万人に納得させられる出来にできなかったのが少し惜しいように感じる。
N-01XDにも正直プリアンプを付けて欲しいところだったが(リファレンスがアップスケーリングなし設定だからか)音質悪くなるのでデジタルボリュームコントロールはできないと割切られてしまう方がかえって好印象にはなる。

⑤並行輸入品の存在と内外価格差
DAVE自体は並行輸入品が存在し、そちらから入手すれば、比較的廉価に入手できる。ただこの価格帯で保障が不十分になるのは不安ではある。
そもそも並行輸入品が安くなると言うのは内外価格差が大きいからである。
どこから買うか、内外価格差を許容するのか、そういうところでモヤモヤしてしまうのはあまり好きではない。

と列挙してみると音質とは別の部分が決め手になった感が多いなあと思える。
まあDAVEにしろN-01XDにしろ情報量の多さ、エッジの効きの強さが多ければ多いほど良いかというと、手放しにそうだとは言いきれないところがあると思う。
真空管アンプやアナログレコードやホーン型スピーカーなどの人気がそれと似たことなんだとは考えている。
あえてチップを選ばずディスクリートDACを選ぶハイエンドDACの世界はそういう好み次第の領域に入っているのかもしれない。
ただ、他の機種の経験から言うと所有満足度が高いのは平凡で無難に上質に仕上がった機種ではなく、どこかぶっ飛んだ機種の方が愛着が沸く。それにディスクリートDACはDACチップの新製品の報道に惑わされずに済むので、長く付き合うつもりの機種ならディスクリートDACはお勧めではあるとは考えている。
20〜1000Hz


20〜2000Hz


インパルス応答


視聴位置などを調節したがこれ以上は大幅な改善は難しそうだ。
そもそも反射音が強いがために悪影響の排除しきれない側壁→LPや側壁→床→LPの初期反射音がそこまで必要なのか、改めて検討する必要があるが、
とりあえずはじっくり作戦を考えないといけない。
ひとまず細かい凹凸のデザインが目障りなので柿渋系の塗料で塗装した。
すこしはマシにはなったか。






初期反射のコントロール目的に取り付けた造作の見た目を整えること、正面壁の無垢フローリング材を壁に貼ったら音が良かったことなどを考えて主に正面壁、側壁の壁材を新しく追加することにした。

一つは正面壁と同じホワイトオーク材。正面と比べて細かい部分が多いのでヘリンボーンタイプを選択した。一つ一つが小さいので接着不良が起こりにくく、最初からこれが良かった感があるくらい使い易い。
もう一つはデザイン系の壁材であるチークの厚みの異なるキューブを並べたウォールパネル。段差が少ないので拡散効果は殆どないが、位相干渉を少し分散させてシミュレーションの誤差の緩衝効果を期待した。

ひたすら貼ってみる。ウォールパネルは意外に接着が難しいが、ハサミで切り離して使えるので細かい場所を埋めるのには有用であった。



デザインウォールパネルだったが、異物感は結構ある。落ち着いた部屋という意味では少し遠くなってしまった感はある。



周波数測定1000Hzまで。すごい大きなディップはないが、中程度のディップが増えている。側壁と正面壁を干渉させようとしたが、正面壁の反射が弱すぎるようだ。機材が増えていることは落ち着いたら記事にする予定。


施工前


理屈通りに行く部分も行かない部分もありなかなか難しい。

リスニングポイントとスピーカーの距離2.47

正面壁のディレイ1.84m 5.17ms
ディップ 93Hz ★280Hz ★467Hz 654Hz 841Hz ピーク ☆186Hz ☆372Hz 558Hz
側壁のディレイ0.96m(上ウーファーのみ1.06) 3.1ms
ディップ 179Hz ★537Hz ★896Hz ピーク ☆358Hz 717Hz 1075Hz
側壁ウーファー 1.06m
ディップ 162Hz 487Hz 811Hz ピーク 325Hz 649Hz 973Hz

床のディレイ
ミッドレンジ0.70m 2.1ms
ディップ ★246Hz↑ 737Hz ピーク ☆491Hz 983Hz
Uウーファー0.52m 1.5ms
ディップ ★331Hz
Lウーファー0.40m
ディップ 430Hz

側壁→床面 の二次反射のディレイ(ミッドのみ試算) 1.46m 3.9ms
ディップ 118Hz ★353Hz 589Hz 824Hz ピーク ☆236Hz 471Hz 706Hz



正面→反対側壁 の二次反射のディレイ4.17m 12.1ms
ディップ 41Hz 124Hz 206Hz 289Hz 371Hz ピーク 82Hz 165Hz 247Hz 330Hz

側壁→正面の二次反射のディレイ2.44m 7.1ms (スピーカーキャビネットに遮蔽)
ディップ 70Hz 211Hz 352Hz ピーク 141Hz 282Hz 423Hz

反対側壁のディレイ3.36m 9.8ms(半分吸音)
ディップ 51Hz 154Hz 256Hz 358Hz ピーク 102Hz 205Hz 307Hz

後壁のディレイ4.0m 11.6ms
ディップ 43Hz 129Hz 215Hz ★305Hz ★367Hz ピーク 86Hz 172Hz ☆258Hz ☆344Hz
天井のディレイ2.9m 8.4ms(だいたい吸音)
ディップ 59Hz 178Hz 297Hz 415Hz ピーク 119Hz 237Hz 356Hz 474Hz


側壁→床→LPから生じるディップは天井や反対側壁の吸音しきれていない反射音が相殺してくれると考えていたが、そうもいっていないようだ。


側壁の反射板の大きさを調整。
再計測

比較用

だいぶ大きなディップは減少している。側壁の上段の板をもう1枚足すと残ったディップも目立たなくなるのかなと思われる。
あとはこの造作を自然なものにしていくか。
900Hz台前半のディップが計算しても特定できない。どうしたものやら。

4kまで

インパルス応答


リスニングポイントとスピーカーの距離2.47

正面壁のディレイ1.84m 5.17ms
ディップ 93Hz ★280Hz ★467Hz ピーク ☆186Hz ☆372Hz 558Hz
側壁のディレイ0.96m(上ウーファーのみ1.06) 3.1ms
ディップ 179Hz ★537Hz ★896Hz ピーク ☆358Hz 717Hz 1075Hz
側壁ウーファー 1.06m
ディップ 162Hz 487Hz 811Hz ピーク 325Hz 649Hz 973Hz

床のディレイ
ミッドレンジ0.70m 2.1ms
ディップ ★246Hz↑ 737Hz ピーク ☆491Hz 983Hz
Uウーファー0.52m 1.5ms
ディップ ★331Hz
Lウーファー0.40m
ディップ 430Hz

側壁→床面 の二次反射のディレイ(ミッドのみ試算) 1.46m 3.9ms
ディップ 118Hz ★353Hz 589Hz ピーク ☆236Hz 471Hz 706Hz



正面→反対側壁 の二次反射のディレイ4.17m 12.1ms
ディップ 41Hz 124Hz 206Hz 289Hz 371Hz ピーク 82Hz 165Hz 247Hz 330Hz

側壁→正面の二次反射のディレイ2.44m 7.1ms (スピーカーキャビネットに遮蔽)
ディップ 70Hz 211Hz 352Hz ピーク 141Hz 282Hz 423Hz

反対側壁のディレイ3.36m 9.8ms(半分吸音)
ディップ 51Hz 154Hz 256Hz 358Hz ピーク 102Hz 205Hz 307Hz

後壁のディレイ4.0m 11.6ms
ディップ 43Hz 129Hz 215Hz ★305Hz ★367Hz ピーク 86Hz 172Hz ☆258Hz ☆344Hz
天井のディレイ2.9m 8.4ms(だいたい吸音)
ディップ 59Hz 178Hz 297Hz 415Hz ピーク 119Hz 237Hz 356Hz 474Hz


コムフィルタ効果によって生じるディップを分析していくと、目立って観測される原因の反射音は近場の反射音でほとんどが説明がつく。

自室の場合、
①スピーカー(SP)→床→リスニングポジション(以下LP)
②SP→SP側の側壁→LP
③SP→SP側の側壁→床→LP
④SP→正面壁→LP
が目立ったディップを作っており他はそこまで影響は大きくない。
(意図的に排除してある反射音もあるので、他の部屋の環境では天井や反対側壁や後壁からの反射音もそれなりにディップを作ることが予想される。)

これらを反射音と反射音で位相干渉させて節を消してしまい、直接音への位相干渉を減らせないかと考えている。
反射音をリストアップして適当に近そうな部分を微調整してバッティングするさせるので試したが、よりシミュレーション通りになりにくい1000Hz以降ではどうにもならないので意図的に狙って作っていかないといけなそうだ。

直接音の距離差を2倍にすると完全に消去できるとは言わないものの、お互いが打ち消し合う方向に働くので
(近い方のディップがχHz,3χHz,5χHz・・・とすると、遠い方のピークがχHz,2χ,3χHzとなるので)
反射音同士で打ち消し合うとすればこの辺りを狙っていくのが適切に思われる。

ある程度実現可能で比較的近い種類の反射音の方がいいということで、
①ミッドレンジ→床→LP
③ミッドレンジ→SP側の側壁→床→LP
この音を干渉させることを狙ってみる。

どちらも床に向かって入射して反射して帰ってくる反射波なので指向性の強い音は乗ってこない。周波数的にも似た音であることは予想される。距離を2倍にするのにも手頃になりやすい。
今の①の直接音からの遅れは72cm分、③の遅れは157cm分。スピーカーの位置調整や壁の加工で2倍にするのは現実的なレベルか。

床からの反射音はミッドレンジとウーファーで位置が異なるので別々にディップを作る(使用しているスピーカーがダブルウーファーだが地面近くのウーファーの位相干渉する帯域クロスオーバー以降なのであまり問題ない)。その部分は計算を別にしないと対応できない。
①ウーファー→床→LP
②ウーファー→SP側の側壁→LP

これで対応できる。現時点での①の遅れは50cm③の遅れは99cm。ほとんど2倍で測定上もあまり大きなディップになっていない。なのでそのままで良いが、逆に言えば他の事情であまりスピーカーを動かすと、この辺りの均衡が崩れてしまう。

床の対応が概ねできたところで側壁の位相干渉の緩和を試みる。
②ミッドレンジ→SP側の側壁→LP
④ミッドレンジ→正面壁→LP
これでどうにかできないかなとは考えている。現時点での①の遅れは100cm③の遅れは180cm。スピーカーの位置をある程度変えて対応したが、これ以上は少し変な位置になってしまう。なので反射面の壁を加工して2倍になるようにしていく必要がある。

ということで側壁にもっと近づけたいポイントとそのままの距離がいいポイントが同時に存在していることがわかった。
なので壁に凹凸を付けて調整してみる。

周波数特性1番目のディップは幅が広くバッティングさせても幅が足りない。なので干渉させる側の音を細かい凹凸をつけて幅広にするといいのかもしれない。


試作ではあるが壁の距離を調整するための板を取り付けてみる、


1kHzまでの周波数特性


設置前


理論上一番良いポジションで、この位置は実際には少し無理があるのだが、一部相殺漏れした狭いディップがあるものの、全体的にピークとディップが打ち消し合ってくれている印象。

4kHzまで見てみる。

設置前

鋭いディップは普通に残っているが、細かいノコギリの歯のような波形がすこしなだらかになっている。

インパルス応答。これは今回はそんなに変わらない

正面壁の吸音部に一次反射面があるのだが、今回それを一次反射面に限局して反射面にすることにした。



残響時間が少なめなのでもっと反射してもいいのだが、手間やコストの負担が大きく、
聴感上有利に働くかがはっきりしていないので、ひとまず一次反射面のみの施工にした。
定在波を崩すという意味では吸音部は大事なので、適度に板毎に隙間を作って空気が抜けるようにしてある。
吸音部に取り付けた板なので、中心に支えが無く、弦のような共振を起こしやすい。
なので加工が難しくそれなりのコストにはなったが、普通の軟らかめの板材ではなく、広葉樹集成材で厚さ2cmあるものを使った。
表面にも使える材を使ったがデザイン的にはすこしうるさいので、後で化粧材を貼る予定。

試聴すると音に厚みと奥行きが若干付加された感じ。スリットがあるのと割と狭い領域の反射なので量感がそこまでなく地味な変化かもしれないが、悪いものにはなっていないようには感じる。

インパルス応答

設置前


この2つの測定は直接音を認識した時間軸が若干ぶれているのでわかりにくいが、5msあたりに1本立っている反射音が今回の施工で得られた反射音と思われる。

周波数特性
設置後

設置前

案の定ではあるが新たに290Hz、490Hzあたりにディップが新しくできているが、あまり大きな谷にはなっていない。



背面のスクリーン真下にレールのような造作を行った。素人手作りなので細かい作りが荒いのだが、黒くして適当にごまかしている。



何に使うかというと今回の改装で構想が中に浮いていたヤマハの調音パネルをスクリーン前にたてかけるため。
これで張り込みスクリーンがあっても部屋の響きへの悪影響は相当に減少する。映画を見たいときは面倒だが、パネルを外すとスクリーンは普通に使える。



中央のパネルが傾いているのが今回の最大工夫ポイントである。建て付けが悪いからではなくあえてそうやっている(これの難度が高かった)。
どういうことかというと背面部の一次反射音がリスニングポジションに入射しないように方向を逸らしているのである。普通に並行に置いたところ、音像が少し気持ち悪かったので敢えて逸れるようにしている。

インパルス応答でも後壁からの反射音(12ms)は特に目立って観測されない。残響時間が延びることも期待していたが、それはあまり変わらなかった。

周波数特性もスクリーンからの歪んだ一次反射が排除されたせいか、若干整った。

設置前


肝心のサウンドは直接音の濁りが減り、残響も後ろからの成分が増えて包まれ感が少し増えた。
今回の改装の中では一番良い影響があったかもしれない。
リスニングポイントとスピーカーの距離2.53
天井のディレイ2.9m 8.4ms(だいたい吸音)
ディップ 59Hz 178Hz 297Hz 415Hz ピーク 119Hz 237Hz 356Hz 474Hz

後壁のディレイ4.2m(吸音しきれてない) 12.2ms
ディップ 41Hz 122Hz 203Hz ★285Hz ★367Hz ピーク 82Hz 163Hz ☆244Hz ☆326Hz
正面壁のディレイ1.78m(現在吸音) 5.17ms
ディップ 97Hz ★290Hz ★483Hz ピーク ☆193Hz ☆387Hz 580Hz
側壁のディレイ1.08m 3.1ms
ディップ 159Hz↑↑ ★478Hz ★796Hz ピーク ☆319Hz↑↑ 637Hz 956Hz
反対側壁のディレイ3.36m 9.8ms(半分吸音)
ディップ 51Hz 154Hz 256Hz 358Hz ピーク 102Hz 205Hz 307Hz

床のディレイ
ミッドレンジ0.73m 2.1ms
ディップ ★237Hz↑ 711Hz ピーク ☆475Hz 948Hz
Uウーファー0.50m 1.5ms
ディップ ★344Hz↑
Lウーファー0.40m
ディップ 430Hz


側壁→床面 の二次反射のディレイ(uウーファーのみ試算) 1.37m 3.9ms
ディップ 126Hz ★377Hz→ 627Hz ピーク ☆251Hz→ 502Hz 753Hz
正面→反対側壁 の二次反射のディレイ4.17m 12.1ms
ディップ 41Hz 124Hz 206Hz 289Hz 371Hz ピーク 82Hz 165Hz 247Hz 330Hz

側壁→正面の二次反射のディレイ2.44m 7.1ms (スピーカーキャビネットに遮蔽)
ディップ 70Hz 211Hz 352Hz ピーク 141Hz 282Hz 423Hz




 インパルス応答の説明がようやく付くようになってきた。
 一番早い1-2msくらいの初期反射音は床で、次の反射音よりも音量が比較的小さい。最短で来るということは本来一番減衰していない音なので大きくなるはずなのに、である。これはミッドレンジに相応の指向性があって床で反射するような角度にはあまり音を出していないことと、2つのウーファーとミッドレンジで反射音の到着時刻がずれるので測定結果上はグラフのバーが小さめの3本に分割されて表示されている可能性がある。ともあれ床しかこの早さは説明が付かない。
 次に大きい反射音が3msくらいにやってくるが、これが側壁の反射音になる。スピーカーを壁から離したら到着時刻が遅れたので間違いない。床の音と区別が付きにくかったが、スピーカーを動かした測定結果の変化から確認はできた。測定結果を見ても一番大きい反射音になるのでこの辺りの壁面処理が実は一番大事と言うことになる。
 その後4msくらいにバラバラっと-20db前後の音が入っているが、それは側壁→床と反射し耳に届く二次反射音だろう。2度も反射しているので側壁からダイレクトにくる一次反射音に比べて小さめではあるが、残響成分とは言い難いくらいの強さが残っている。一概には言えないのかもしれないが反射が1つ増えると-7dbくらいの減衰効果があるのかもしれない。バラバラっと入ってくるのはウーファーとミッドレンジでは到達時間が異なるからである。
その後しばらくは主立った音が入らず8-10msくらいに-18dbくらいの反射音が入るがこれは天井や反対側壁からの音だろう。吸音しているが、しきれてはいないようだ。とはいえ、無処理よりはずっと小さくなっていると考えられる。
 13msくらいに-12dbくらいの反射音が入ってくるが、これはスクリーンからの反射音だろう。スクリーンが反射する濁った音が初期反射音の結構大きなウエイトを占めるのは少々気に入らないところではある。スクリーンはなかなか対応が難しいが、試しに一次反射面に調音パネルを置いて測定してみる。





13msの反射音がばらけて整った感じになる。ポン置きなので反射角度がずれて一次反射音が入らなくなったのか、拡散されたのかは不明だが、やはり13msの初期反射はスクリーンが反射した音だったことは間違いなさそうだ。
スクリーンは無くせないが、ルームチューニングに本腰入れるならスクリーン部が無処理のままでは他をどんなに頑張っても焼け石に水のようだ。
これはスクリーン手前に取り外し式の響板固定器具を設置しないといけないだろう。

後壁にパネルを設置する前(上)とした後(下)の周波数特性(軸目盛りを中低域にフォーカス)
全体的にはディップが減っている感じ(325Hzと500Hzと550Hzのディップは逆に深くなっているが)。壁よりも全面にパネルを置いたことによりコムフィルタ現象の起こる周波数が変わっただけで無く、スクリーンの癖や共振などの影響が減ったのかもしれない。

肝心の音はというと、音の広がり感は圧倒的に増した。これはこれでいいのかもしれない。だが個人的には前から出ている音が後ろからも割と聞こえるので定位が気持ち悪く感じた。一次反射面にパネルを置くのはいいが、耳に届けずに逸らしてしまうように角度を調整した方が良いような気がする。


いろいろ考えていくスピーカーを壁に近づければ天井からの一次反射音は吸音できるけど、
そもそも現環境での天井からの音はあまり有害性がないようなので、
逆にスピーカーを側壁からも正面壁からも距離を取ることにした。

f特


やっぱり反射音自体の距離による減衰効果が大きくなり、
その分位相干渉する力が減弱し、コムフィルタ現象によるディップが少し減っている。
周波数特性を良くするという意味では大きい部屋でスピーカーを広々鳴らすということほど
手軽で確実はないのだろう。
その位置で音楽を鳴らすと、芯がないわけでもなく、押し出し感が強すぎるわけでもなく、定位が前すぎるわけでもなく、中庸な音。


インパルス応答。やはり2msくらいの初期反射音が以前よりかなり遅れて到着している。
好みの世界だがもっと押し出しがあってもいい。なので初期反射音はもう少しあってもいい。
なので細工がいろいろ必要になる。
細工をするにはしっかり現状を把握しないと仕方ない。

とりあえず設置し直した環境で一次反射面と、今度は二次反射面も鏡像法で確認していく。


①床から一次反射音
最も減衰の少ない反射音のことが多いが対策が取りづらい。その減衰の少なさの割には聴感上そこまで大きく感じない。下方向の音が生理的に比較的鈍いからというのもあるのかもしれない。
マルチウェイだとそれぞれの振動板の距離差も馬鹿にならず、別個に計算しないと実測との辻褄が合わない。下にあるウーファーは位相干渉起こす帯域が中音域に位置しておりあまり影響を起こさない。ツィーターは指向性の限界で床まであまり来ない。問題になるのはミッドレンジと上方にあるウーファー。
床の性状や高さを数センチ変えるだけでかなりの変化を期待できる。

②天井からの一次反射音
天井が高いほど作業的に対策が取りづらくなるが、高くなるほど問題が少なくなる。
こちらもマルチウェイスピーカーだと振動板ごとの距離に差がでるが、ちょうどクロスオーバー帯域あたりの帯域が位相干渉によるディップを作りやすいので、ともすると位相干渉を勝手に軽減してくれる可能性すらある。天井が低い場合や共鳴しやすい構造だと反射する前に吸音するしか対策の取りようがない気はする。



③スピーカー側からの側壁の一次反射音
指向性としても全帯域の周波数が含まれ、一般的に減衰や遅れの少ない音。
床と違って万人共通ではないものの、比較的スモールルームでライブに鳴らす場合
一次反射音で一番重要な気はする。
この音の時間差と大きさで押し出し感がかなり違ってくる。
距離差に関しては床の距離差の丁度2倍に設定すると位相干渉がそれなりに相殺できる。(特に低音域)
数センチ厚みを変えるだけでかなり干渉する位相が変わってくる。



④正面壁からの一次反射音
スピーカーの後ろ側からの音なのでツィーターの反射音は期待しづらい。
スピーカーを内振りにすると指向性のある帯域もある程度反射できることは期待される。
今のところ吸音しかしていないので評価がしづらいが、
指向性の問題以外には悪い点はなく距離やアレンジの操作性も良好。
今まで活用しなかったものの、初期反射を使っていくなら反射させていくのもいいだろう。
それなりに距離差があるので位相干渉を減らすには凹凸を他よりも大きくしないとディップの分散化は期待しづらい。




⑤反対側壁からの一次反射音
反射しやすくアレンジしやすい面で減衰も少ない反射音が返ってくるところではあるが、
これを残すと響き的に一瞬左右の定位が逆になる瞬間が発生することになる。
後述はするが、その現象を音響障害とみるか包まれ感をみるかは難しい。
今の所この反射音はなるべく届かないように細工した方がいいということになるのか。



⑥後壁からの一次反射音
指向性のある音も十分に含まれており、減衰も少ない。後方の音になるのでこの反射音が含まれていることにより広がり感も演出される。いわゆるデッドエンドライブエンドを肯定する時に、それが拡散音場で無い場合はこの反射音を積極的に使用しているということにもなる。
ただ、壁とリスニングポジションとの距離が短いと過剰になるので、積極的に使うか拡散や吸音で排除してしまうかは対応が2分されがちではある。

無視できない二次反射音
⑦スピーカー側からの側壁の→床からの二次反射音
側面からの反射音と二次元的には同一ながら床も1度反射して耳に届く反射音(図示が難しい。)
4つの壁からの一次反射音にはそれに加えて床、天井にも反射する二次反射音があり、
計8種類あるが、一番減衰が少ないのは上記のもの。


⑧正面壁→反対側壁からの二次反射音
正面壁のわりと中央近くで反射し、反対側壁の割といいところでさらに反射して反対の耳に届く音である。指向性のある音はそれほど多くは無いのかもしれないが、減衰も距離の遅れもすくなく、初期反射の中でも出現確率が高く実測でも乗ってくる音なのかも知れない。
室内音楽で右側から発せられた音をが反対の壁や響板から返ってきて耳に届くことは普通にあり得ることではあるし、日常生活の室内空間でも反対側の壁から反射した声を聴くことも日常である。
音の一次反射は四方からやってくるのは当然であり、全方位からの反射音を聞いて包まれる感じを感じる可能性もある。
だが、一般的なオーディオルームの初期反射音は小ホール、スタジオ、豪邸のオーディオルームなどと比べても圧倒的に初期反射が大きく早く到達する。
ホールの反対からの一次反射音はオーディオルームで言うところの残響成分に近い。狭い室内での反対からの一次反射音は声の主のいる方向を間違える音の錯覚の現象の主犯になることがあるものである。
要は小空間でしか起こりえない、現実の演奏でも金持ちのオーディオルームでも入らない、害になっているかもしれない音をあえて活用するのかどうかということになる。
そもそも初期反射自体区別無くすべて使わないで拡散するケースも多いのに、である。

正直包まれ感を演出する反対からの反射音は複雑な多次反射音や残響で十分ではないのか。

というわけでこの反射面はどこからトラップして排除する必要がある。側壁は側壁からの一次反射音と近いので吸音や角度変化などするわけにもいかない。

それなら正面壁である。処理しやすいようにどまんなか近くに持っていった。これで左右とも一撃で対応できる。
何か反射角度を変えるものがあるといいが、それは中央の機材やセンタースピーカーでいい。



今まで中央機材やセンタースピーカーを取り除いて音が良くなると思っていた。確かにボーカルなどセンターに定位するものの質の良い二次反射音が1つ増えるので、音に厚みや奥行きが出るのに一役買っていたのかもしれない。そういう意味では少し音が良くなっていたという部分もある。
だが、その反射音は左右反転である。左右に偏位した楽器の明瞭度は落ちている可能性が高い(音質評価の際に偏位した楽器の明瞭度は今まで評価していなかったし、なかなか評価が難しいので)

なので真ん中に機材を置くと音が悪くなるというのは狙ってやれば必ずしもそうではないのかもしれない。





前回の仮定に基づいて天井の一次反射がうまく吸音されていないようなので
壁際に寄せてみた

寄せる前(縮尺変更)


寄せた後


うーん、8msくらいの谷がさらに深くなっただけで11msくらいの初期反射音はなくなっていないですね。むしろ大きくなっている。
この正体は天井の一次反射音ではなくて他の二次反射音だったのかもしれない。
壁に寄せると増幅され到着が早くなっていることから側壁→正面壁→リスニングポジションの二次反射音の気がしてきました。

これは残しておきたい音ではありますね。
ということで天井の一次反射音は既に最初から吸音されていたことがわかり、さらに壁に寄せた意味もあまりないので壁との距離は再び戻しにかかります。

リスニングポイントとスピーカーの距離2.57m
天井のディレイ2.9m(吸音)
 ディップ 59Hz 178Hz 297Hz・・・ ピーク119Hz 237Hz 356Hz・・・
後壁のディレイ4.0m(吸音)
正面壁のディレイ1.74m(吸音)
 ディップ 95Hz 287Hz 478Hz・・・ ピーク191Hz 382Hz 573Hz・・・
側壁のディレイ0.86m±0.015m(3段で分割)
 ディップ 200Hz 600Hz 1000Hz・・・ ピーク400Hz 600Hz 800Hz・・・
      196Hz
      203Hz
反対側壁のディレイ3.43m(吸音)
床のディレイ
ミッドレンジ 0.72m(今回拡散)
 ディップ 239Hz 573Hz 955Hz・・・ ピーク478Hz 955Hz 1433Hz・・・
上のウーファー 0.50m
 ディップ 344Hz 1032Hz(ウーファー帯域外) ピーク 688Hz(ウーファー帯域外)
下のウーファー 0.40m
ディップ 430Hz   ピーク

側壁→正面壁の二次反射のディレイ2.5m
 ディップ 68.8Hz 206Hz 344Hz・・・ ピーク138dB 275Hz 413Hz・・・
正面壁→反対側壁の二次反射のディレイ

今のf特(中域メインなので今回からはx軸は対数表示をなくした)


床のコムフィルタ現象はそれなりに対応を迫られそうだ。
他の壁と比べてもスピーカーから近い分パワーが強い。大きいディップ=減衰の小さい反射音による強い位相干渉になるのではないか。

 その分析についてだが今回使用しているのは3way4スピーカーではあるものの、床を介さない反射の場合直接音との時間差はどの振動板からも大差がないのでほぼ1音源と認識して問題はない。ただ床からの反射の場合は別個に考えないといけない。下のウーファー、上のウーファー、ミッドレンジで3倍くらいの時間差がある。まったく別のタイミングで反射してくるのでそれぞれ別に考えないといけないだろう。
240Hzくらいのディップは多分ミッドレンジの反射。拡散したつもりだがおそらくポン置きなので比較的低周波の音は透過してしまったのだろう。
300Hz台のディップは上のウーファーからの一次反射音が怪しい
下のウーファーからの一次反射音は400Hz台で作るはずだがクロスオーバーで350Hz程度から減衰しはじめているので影響無さそうだ。

ミッドレンジは床に軽い凹凸を作っていかないといけなそうだ。
ミッドのコムフィルタ現象がやっかいだからと言ってその反射をそらしたり吸音したり拡散させたりするとウーファーの低音だけがやってくるので低音だけが補強されることになってしまう。
上のウーファーは多少の対応はするつもりだが、そもそも今マウントしているスピーカーベースを最終的には撤去することで半分は解決する気はしている。
スピーカーの高さを下げればディップが高い波長に行き、ローパスフィルタでカットされやすい音になる。反射面に数センチの板を置ければさらに上にいく。
そこまでやればおそらく問題になることはないのではないか
下のウーファーはまったく問題にはなってないようだ。