以前暫定的なオーディオルーム案として



こんなデザインが自分好みの音になるかも、という結論にしていたが、
半円柱をログハウスのように並べることでいろいろ面白いことができるんではないのかなと思ってそれを取り入れた案を考えている。

また、上記の斜めに設定するふかし壁は想定するのはいいものの、実際に建築する際に壁の共振を十分に防げるような強度を取れるか、吸音材をしっかり入れられるかなど、やや不安も多く、
部屋としても少し狭くなってしまう。
真四角の部屋で響きを理想的にデザインできればそれに越したことは無い。

コンセプトとしてある程度響きを幾何的にシミュレーションできる部分を残しつつ、そこそこの拡散性のある音場を形成し、包まれるような残響感を実現するというものである。

部屋全体にひたすらに拡散体をしきつめて全拡散すれば話は早い気もする。それは良質な残響を豊富に得る事ができることに間違いはない。ただ、初期反射音を全て残響レベルの音圧を細分化してしまい、直接音を補強する音圧が得られず、薄い音になってしまう。
直接音+初期反射音が少ないが、残響が豊富になるのでS/Nとして良いとは言えず、残響自体がノイジーな音環境となってしまう。
また拡散体のコストが半端なく、見た目的にも目がチカチカするようなものとなり、部屋も狭くなってしまうというデメリットもある。

とはいえ拡散しないと早期反射音のシミュレーションだけではあるものの、リスニングポイントに入射する反射音はほとんどが前後方向からのもので、明らかに側方方向からの反射音が不足気味である。側方成分はLEVを増加させるのに効果的であるので増やしたいところだ。側方を中心に乱反射させることで反射音を増やしつつ、側方からの方向の成分を増やすことが必要である。


自分の考えるコンセプトとしては、直接音との干渉による悪影響を最小限に抑えつつという条件下で初期反射音は直接音の補強をしっかりしてもらう。
その上でノイジーにならない程度に適度に残響音を作り出す。
その位の方がコスト的にも居心地的にもS/N的にも丁度良いと思われる。

そういう意味で拡散性がものすごい高いものではなく、ある程度拡散する範囲や拡散せず反射の要素を行う要素もあり、どちらもある程度シミュレーションできる半円柱を使うといろいろ具合が良いように思える。
以前に挙げたペーパーでも12個のクサビを敷き詰めるだけでも残響時間内に乱反射状態にできるくらい拡散性は向上する。


十分大きい半円柱を横に並べると高さを無視した二次元的に反射波の挙動は変わらないが、高さ的には半円柱の数だけ反射波が理屈的には分割されるはずだ。


十分大きい半円柱を縦に並べると半円柱の数だけ反射波が分割されるが、高さ的にリスニングポイントを通らない波は沢山分割されてもどの波もリスニングポイントは通らない。


そのため初期反射をする場所で「初期反射を使いたいけれども悪影響を最小限に減らしたい」ポイントは円柱を横に並べる
また、初期反射が二次元的なシミュレーションでリスニングポイントに到達しない場所を、「初期反射が到達しない、という性質を維持しつつ拡散性を上げたい」時に円柱を横に並べるといいのかもしれない。

初期反射波が高さ方向の要因によりリスニングポイントに到達しない場所で「初期反射がリスニングポイントに到達しないという性質は維持しつつ拡散性を上げたい」というポイントで円柱を縦に並べるなどの使い方をするといいのではないだろうか。

図示とこんな感じである。


側壁と正面壁での初期反射は排除していないものの、垂直方向の拡散により複数に分割され、それぞれが干渉する周波数が異なるため位相干渉効果が軽減される。


反対方向からの初期反射音は反射方向を逸らすことにより排除される。


後ろ側の壁は耳の高さあたりは垂直方向のみの拡散、耳よりも高い位置では水平方向のみの拡散であるため、拡散しなくても初期反射音が入ってこないポイントではあるが、拡散をすることにより初期反射が迷入してくるということはない。


今回の見つけてきたものは残響におけるLEV(音の包まれ感)はどのあたりの壁を拡散させると効率よく感じるのか、という疑問の回答となるもの。

多分だけれどもカワイサウンド技術音楽振興財団の研究助成による論文の抄録、九大の藤本一壽教授の執筆。

残響音の方向性が音場の空間印象に及ぼす影響
http://sound-zaidan.workarea.jp/11R08.pdf

見つけてきたのは抄録なので詳細は分からないが、そもそも詳細を理解できない人間なので抄録が一番ありがたい。

1.側方後期反射音レベルが一定でも、それ以外の方向から到来する後期反射音が異なればLEV(音に包まれた感じ)は有意な差が生じる。
2.LEVは側方後期反射音の影響が最も大きいが、上方や後方から到来する後期反射音もLEVに強く影響する。
3.前方から到来する後期反射音とLEVの相関は非常に小さい。
という結論のようだ。

つまり残響の包まれ感を演出するという目的でオーディオルームに拡散体を設置する場合効果的な場所は
・側方、後方の耳の高さ付近からその上方

逆にあまり効率が良くないのは
・正面や床付近

ということになる。
今回のはダイレクトに理解しやすい。
KEFがスピーカーの背面に高度に計算された特殊な消音器Metamaterial Absorption Technology (MAT) を配置して振動板の反対側から生じるノイズを99%カットする技術を搭載して新製品を出すそうです。

https://www.phileweb.com/news/audio/image.php?id=21901&row=0


逆方向の音の処理はスピーカーの歴史と言っても過言ではなく、
壁に埋め込んで背面空間をなるべく大きく取って拡散させる平面バッフル、
直方体の中に囲い込む密閉型エンクロージャー
位相を反転させて低音だけ活用するバスレフ型
無限遠に集める逆ホーン型(チューブ型)
音波を伝える空気をなくす背面真空型
など背面から逆相の音が出てしまい、それが有害だからこそ様々な工夫がされています。

詳細は未だ不明ですが、MATで様々な構造によって幅広い周波数を吸音できるとは言っても帯域はそんなに広くはないと思われます。
とはいえ消音器をそのまま拡大したり縮小したりすれば吸音できる周波数を簡単にずらすことができます。
吸音できる周波数の広さがどの程度になるのかは不明ですが、
もしかしたら5wayなど細かく帯域を分けていくことが必要かもしれません。
期待通りの吸音性能があるのであれば、
ハイエンドスピーカーの性能が次のステージに行くだけでなく、
スピーカーが超巨大でなくてもいい、軽くてもいい、今のトレンドのエンクロージャーに金属をガンガン使いまくらなくてもいい、
ひいては高すぎないコストで究極の音が手に入るかもしれないと考えると
なかなかわくわくするものに思えてきます。
現時点での今自分の持っている知見でオーディオルームを設計していくとどういうものがいいのか暫定版で考えてみる。

まず低域対策として、
100Hzを下回る低域は積極的に外に出してしまった方が良いように思える。
部屋の構造としては1棟独立した形態の1階建て木造で良いだろうと考えている。
爆発音満載のシアターであればまだしも、音楽の場合は低域がモリモリ入っている音源はあまりなく、
常識的な防音がしてあった上で近くに近隣の家と距離をとれば近所迷惑には到底ならない。
室内に音が漏れるという対策としては「離れ」のような構造になっていれば室内騒音は基本的には存在しない。
RCで壁をガチガチに固めたり地下室にしたりすると、10m前後の低域と向き合わなければならず、1mを超える厚みの吸音材を入れないと本格的な対応ができない。
共振や太鼓現象、コインシデンス効果などが起こらないようにしつつ、近所迷惑にならないように立地で配慮しつつ、低音は抜けていくのが現実的には最適解だろう。

初期反射音としては少なくとも第一波面の法則が成立する30ms以内は初期反射として処理する必要があるようだ。距離にして10m程度。
初期反射は排除する場合と残す場合があるが、排除する場合は吸音でも、方向を逸しても、拡散しても何でもいいとは思われる。
正確な意味での拡散が活きてくるのは残響の方だというのが自分の認識だからである。
自分としては排除すると音が薄く、前に出てこない音になるので好みではないこと、
また初期反射音があることによりASW(音場音像の幅)の拡大が望めるため、自分は完全には排除しない方針でいる。
ただ一次反射の一般的な床、側壁、天井、正面壁、後壁からの反射音だと直接音との位相干渉でカラーレーションは避けられない。
今の環境だとそれぞれの反射音で位相干渉させて直接音と干渉させづらくさせているが、完璧ではない。
またインパルス応答上もスムースな減衰をしていない。
そのため一次反射面に拡散しきらない程度に日東紡的な発想で円柱を並べて、「側壁、正面壁から壁の反射音が1つずつではなく数個ずつ程度リスニングポイントに到達するけれど、一つ一つは大きくない」という状態にするのが良いのではないかと思っている。
床もハードルは高いが同じことをしてもいいのではないか。
ただ、音遅れを数センチずらせたとしても位相干渉の緩和効果は少ない。ある程度実効性のある配置にする必要がある。
円柱で弱めの反射音を複数箇所から取り込むとしたらどのように配置すべきか。
円柱を縦に配置する方法と横に配置する方法がある。

縦のイメージ

出典:https://www.monoandstereo.com/2016/05/analog-room.html#more


横のイメージ(オーディオルームではないけれども)

出典:https://www.okutadami.jp/facility.html

縦に配列する場合は上から見た反射面として

こんな感じで反射音の入射が得られる

横に配列する場合は反射面として

こんな感じの反射音の入射が得られる。

縦の場合の特徴として
・丸い柱なので建材として多く選択肢がありそう
・水平方向に様々の方向に入ってくる
・その分反対方向からの反射音が迷入してくるので定位感は不利な可能性はある
・複数の音が入ってくるが遅延は案外そんなに変えられない。反射面を水平に50cmずらしても遅延は10cm程度しか変わらない。


横の場合の特徴として
・横に半円形の建材を並べる手法はログハウス建材以外なかなか見つからない
・高さを無視した二次元で考えると反射面は変わらないのでシミュレーションしやすい。
・反対方向からの音が入ってこないようコントロールできる。
・ASWの水平的な拡大はしづらい
・遅延の程度を変えやすい(三次元のため計算はできていないが)

以上の特徴が想定できることから横方向に円柱を並べる方が有効と思われる。



残響に関してではあるが残響時間を無理に伸ばさなくても良いと思われる。
ソースに残響音が既にある程度入っていること、
オーディオルームで残響音を伸ばすのは限界があること、
残響はS/Nで言えばノイズに相当するので長すぎてもS/Nが悪くなることからである。
とは言っても可能であればLEV(音の包まれ感)が出るような環境を作りたいものである。
LEVをしっかり生じさせるためには残響音圧のレベルが聞こえないくらい下がりきる前に部屋の音波が完全に散乱した状態にしてやることがポイントなのだと思われる。
そのために残響時間を延ばすという方法が取りづらいので、拡散性を上げていくのが必要になってくる。

壁四方にトゲトゲのような拡散体を作れば100ms以内にだいぶ拡散状態にもっていけるようなので基本的にはくさび形の拡散体がいいのだろうか。
先日上げた論文では拡散体の幅は160cmのものを使っていた。

LEVは500〜2000Hzが関与しているので波長としたら17〜68cm程度なので60cm以上の幅の拡散体が欲しいところだ。それより細かいものがあっても良いが、60cm以上の拡散体も作っておかないと拡散する周波数が偏りが出てしまいそうである。
リスニングポイントの真横から後ろにかけてはクサビ型の拡散体を詰めておくのがいいのではないだろうか。
クサビ以上に具合に良い物がないか今後調べてみたいと思うが、数十センチ単位の拡散体にしようと考えると現実的な選択肢は限られそうな気もする。
LEVの音は直接音と相関性の低いぼやけた音であっても問題ないとの研究結果があったので後ろ側の壁は正確に反射する必要ないと言えるかもしれない。なのでそのエリアは強固に作ることが必須ではないのかもしれない。
もちろん共振や太鼓現象が生じてはいけないのだが。

以前に考えた部屋の設計図もある程度クサビ状になっている。この設計図でスピーカーの側面と正面壁を横方向に円柱に並べたような部屋が現時点では自分の理想にはなってくる感じか。
江田和司氏の東京大学の博士論文

拡散性制御に基づく室内音響設計に向けた音場解析に関する研究
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=8550&item_no=1&attribute_id=14&file_no=1

細かいところは正直難解で自分には厳しそうだが、部屋に拡散体をどう配置するとどんな感じで拡散されるか測定したものがあるのでそのあたりをピックアップ

以下の画像の出典は上記論文からの引用
256m^2(16m四方)の正方形の部屋の音波が反射を繰り返して拡散していく挙動
オーディオルームに応用するには広めではあるが、500ms(0.5秒)経過してもまだ十分に拡散されていないのがわかる。
オーディオルームの残響時間は200~800ms程度だろうから十分拡散されLEVを感じられるようになる頃には聞こえないくらい減衰してしまっていると考えれる。





平坦な正方形の部屋(上)と拡散体を敷き詰めた部屋(下)の反射波の挙動
拡散体がないと100msでもかなり偏りがあるのに、
拡散体があると50msでもかなり乱反射状態となり100msで相当な拡散状態になってくれている。これならLEVを感じることは期待できそうだ。



拡散体がない部屋(上)1面に配置した部屋(中)2面に配置した部屋(下)の反射波の挙動。
なんとなく予想されているように面が多いほど拡散が早くなる。拡散体が配置されていない方向には方向性が時間が経過しても若干残ってしまっている。1面よりもむしろ2面に残っているような感じもする
Twitterの#お前らのオーディオ環境晒してけのトレンドに少し便乗。
TwitterやInstagramはブログよりも他のオーディオファイルと交流しやすいことに魅力は感じているものの、
備忘録として記録をしていく分にはブログの方が使い勝手がいいので、今後どう活用していこうかと模索中。

今回はLEV(音の包まれ感)についての論文のかいつまみ

パイオニアの技術者の論文

https://jpn.pioneer/ja/manufacturing/crdl/rd/pdf/14-2-2.pdf


時間軸をずらした人工的な残響を付与することで狭い部屋でも広い部屋の響きを作ろうという機能の基礎研究のようだ。
こういうものはヤマハでもやっているが、人工的な響きになりがちなのであまりステレオ再生と相容れるものではないが、すばらしい技術だと思う。
それだけにここ最近のAVアンプを半分撤退したような状況は惜しい。

LEVを感じやすい周波数、そうでもない周波数があるようで500Hz〜2000Hzが特にLEVには重要な周波数のようだ。残響をコントロールする際にはこの周波数に効くよう狙っていくことが大事と言える。
飯田 一博氏の学位論文
音像の空間的性質の評価に関する研究

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/thesis/d1/D1001220.pdf


古めの論文ではあるし学位論文ではあるが、かなりダイレクトな内容で実験もしっかりしている。この人は室内音響学の専門家として千葉工業大学で教授になっているようだ。
かなり長い論文だし、分からないところも多いのだが後々のtipsとして使うため、使えそうなところをかいつまみしてメモしておくのが今回の記事。第一筆の時点では完全に読めていないので適宜加筆予定。

第一波面の法則
1~30msの遅れによる間接音は直接音と区別ができない。ASWや音の厚み、コムフィルタ効果によるカラーリングなどに関与はしているが、早期反射音は30ms以内で考えればいいのだろうか。30msは10m程度である。遅れが10m以内の反射音を処理してしまえばRefrection Free Zoneを作れるということか。

ASWは反射音の大きさによっても変化する。
見かけ上の音像の幅(見かけ上の音場の幅もあり区別されているようだが区別が理解できていない。後で読み直す予定)は早期反射音の遅れの程度や両耳間相関関数などによって変わるが、音量の大きさによっても変化する。
 →つまり、一次反射面を半分反射半分吸音の様な構造にすることによってもASWの大きさを調整できる。

ASWの幅は反射音の入射角には依存せず両耳間相関関数のみに依存する。
結局ステレオ再生上は入射角が変わると両耳間相関関数が変化するので、反射音の角度に依存しているということになりそうな気がするのだが、後で再読して確認するためメモしておく。

ASWは周波数依存性があり、低域の寄与度は低い。
ASWの幅は反射音の両耳間相関関数のみに依存する、ということから自ずと分かることではあるが、
低域は回り込みやすく波長が長い分位相が変わりにくいので左右の耳で同じようにい聞こえてしまう。そのため音像の幅に低域が寄与する要素は比較的少ない
それを応用すれば、ASWだけを考慮して反射吸音拡散などの壁面処理をする場合、低域まで処理する必要がないということになる。つまり馬鹿でかい反射吸音拡散の装置を置かなくても効果は期待できることになる。

まだ理解がさっぱり追いついていないのだがこの人の他の論文や著書、同じ部屋の人の論文、参考文献などをあたると欲しい情報が入手できるのかなとは期待している。
標題の通りですが、3Dクラシックというコンセプトでatmosのクラシック音源が登場したようです。


https://www.phileweb.com/news/audio/202007/10/21804.html




まだ聴いていませんがSACD5.0ch音源に高さ情報が付与されたものと考えるとなんとなく想像はつきます。
イロモノにも果敢に手を出すロンドンフィルがやっているのはなるほどと思ってしまいます。
鳴らせないこともない環境は揃っているので興味はありますが、
amazon musicHDを受けられるAVアンプがない(新しめのデノン・マランツだと対応できるのでしょうか)、HDMIで出力できるトランスポートもない、音源も少なすぎる、と3ないのため、現時点では聴ける見込みはありません
amazon musicHD対応機機が思ったよりも出ないなというのが現在の所感ではあります
以前から情報自体は何度も流れていたソニーのニアフィールド用ハイエンドスピーカーが発売されたようです。
https://www.phileweb.com/review/article/202007/07/3884.html

ニアフィールドを追求する気はないし足を踏み入れたこともないし試聴する機会もないのですが
デジタル部分も内包したアクティブスピーカーで
FPGAのDSPを使ってユニット毎にディレイをかけてタイムアライメントをデジタル状態または増幅前に調整し、
デジタルでユニットごとにハイパスローパスのフィルタをかけて
デジタル時にスピーカーユニットの特性に応じたイコライジングをかけて結果的にフラットな特性にする

詳細な説明がないのでこれでいいのかわかりませんが、
上記今後高性能スピーカーはこうあってほしいと思っている性質を多く持っているスピーカーな気がします。
そういう意味でかなり未来を感じさせる内容にもかかわらず、
ニアフィールドスピーカーというニッチな部分で勝負に出てきたのは残念です。
大型スピーカーを作ろうとするとプロジェクトの予算がつかなかったのか分かりませんが
是非大型スピーカーで同じコンセプトのデジタルアクティブスピーカーを作ってほしいものです。
欲を言うならスピーカーユニットから内製で作ってほしい。
そういう意味ではもったいないなあと思いつつ今後に期待したいと思います。
現在のオーディオシアター兼用室も兼用という意味では自分のスタイル(重視度としてオーディオ8:シアター2)に合わせた仕様としてそれなりに一生懸命考えて、それなりの出来にはなってくれているとは思っている。
ただ、一度部屋をゼロから作って使ってみた経験がある中で、未経験のままでは見えてこなかった視点や重要視すべき点などがいろいろ見つかってくる。それをまとめてみたいと思う。

まず第一にオーディオシアター兼用室にすると視聴時以外は出入りをなかなかしなくなってしまうことがある。
視聴覚室なのだから視聴するときだけ使うので何が悪いと言えばそれまでだが、
室内音響を考えるとオーディオルームは広い方がよく、広く場所を取るなら在室時間が長い部屋にしないとコストや面積のパフォーマンスがイマイチになってしまう。本当はもう少し頻繁にこの部屋に在室するつもりで作ったのだが、問題点がいくつかあり視聴する時以外は別の部屋で在室しているのが現状である。

なぜ視聴時以外は入ろうとしないかというと、何より防音仕様により同居人との連絡が取りづらいことがある。
部屋の中に入っていると周囲の状況がまったく分からない。
ならば同居人も同一の室内にいれば良いじゃないかと考えるとそれには多くの難点がある。
シアター環境としてそれなりのクオリティを、と考え天井スピーカー以外は埋め込みでないフロアスタンディングタイプのスピーカーを設置しているが、文字通り四方八方にスピーカーが設置してあるので視聴覚用途以外での居住性が犠牲になる。
特に低年齢の同居人がいるとなかなか目が離せない状況にはなってしまう。

もう一つ原因と考えているのはシアターとしての利用のためにかなり室内が暗くなっていることがある。
窓を多用するとシアターの暗さを作れないだけでなく、室内音響的にも良くはない。
だが外の明るさ、季節感、天気、庭の造園という日々変わりゆく情景を窓から見て音楽を聴ければ、毎回の鑑賞体験もちょっとした変化が毎回生まれることになり、部屋で音楽を聴くときの楽しみが増えてくれる気がする。
窓の大きさは大きい必要もないし、窓には音響処理した扉つけて開閉できる構造が必須だ。窓が見える状態でも音響障害の影響は最小になるよう配慮する必要がある。
そのあたりを配慮すればリスニングポジションの正面には窓があっていいとは思っている。

正面以外にも多少の採光用の窓があっていいとは思っている。シアター兼用という部分をなくせば窓はそこまで忌避すべきものでもない。
響きとして悪影響する場所を避けるという意味ではリスニングポジションより後ろで、座位での耳の高さ(1m弱)よりも高い位置にあると影響が少ないだろう。窓の開閉操作のしやすさも考えると高さ2m前後がいいのかもしれない。
個人的にはオーディオルームの照明はステレオスピーカー付近の照明は暗く、リスニングポジションより後ろが少し明るいと具合が良く感じる。
生活空間としての過ごしやすく在室時間を増やそうとするなら、オーディオルームにも採光用窓は多少つけるべきで採光という意味でも音響への影響度を考える意味でもリスニングポジションよりも後ろで2mくらいの高さにあり、窓の内側に遮音扉をつけてオンオフができると良さそうと言うのが暫定的な私的意見だ。

それに加えて同居人も在室しやすい環境を作るにはどうするかというところだが、リスニングポジション以外にも常設の椅子とテーブルが必要だろう。
ただ、それはリスニングポジションの後ろでいい。
本気で音楽を聴くときはいずれにしろ1人であることが前提条件となるのでスピーカーとリスニングポジションのトライアングルの中には余計なものを置かず、その後ろに置けばいい。
リスニングポジションの後ろは対称性は持たせつつ拡散傾向の反射をしてほしいので、テーブルやチェアに木製やファブリックが多用されたものを使い、家具自体がそこそこ具合の良い拡散体になるように配意すれば共存できるはずである。

だからと言ってリビングオーディオがあるべき姿かというとそれは無理と断言するしかない。
リビングは家のメインの空間なので高価でデリケートなオーディオ機器との共存が難しく、生活空間としての利便性とオーディオルームとしての必要要件とのバッティングが必ず起こる。日用品も室内に増えてしまう。
なので雑多な日用品の使用や管理はリビングダイニングに任せて、物を極力持ち込まない第二のリビングとしての機能をオーディオルームに付与すると良いのではないか。
生活スタイルとしては平日の仕事や学校が終わり、夕食を食べ終え、入浴も終わり、家事が一段落した時間を過ごす部屋、休日の朝食や昼食を食べ終え、家事が一段落した部屋として活用することを想定する。
持ち込むのは軽飲食、スマホ、本くらいを想定する。

まとめると、
オーディオ専用ルームとしての視点だけで作るとオーディオやる時しか使わない部屋になる可能性が高く居住性が両立しづらい。
オーディオシアター兼用室として作ると視聴覚の時にしか使わない部屋になる可能性が高く居住性が両立しづらい。居住性を向上させようとすると特にシアター機能が多く制限される。
リビングオーディオは居住性は高くなり、その部屋の使用時間を非常に長くすることができるが、オーディオ的には数多くの妥協を強いられる。
セカンドリビング兼オーディオルームというコンセプトにして居住性も配慮しつつ、オーディオルームとして追求したい部分を妥協せず追い込む形が良いのではないか。

音楽を聴きたいという気分でなくても行きたくなる部屋で、BGMとしてでも音楽を聴ける部屋、そういう部屋の魅力は今の視聴覚専用部屋を使ってみて気づいた魅力ではある。
自分としてそれを実現する見込みは現時点では全くないのではあるが。