役所広司さん主演のこの映画

アマプラで視聴可能になってたので観てみました


凄い良かった

台詞は多くはありません

東京の知ってるいろんな風景がすごく味わい深い

特に浅草とか東のエリアの旨味がすごく感じられる


私はその昔アメリを観てフランス映画が大好きになりましたが

あの一種独特な心地よさ、というか心地の悪さというかには

人間らしさが感じられました

当時私はそれをオシャレだと錯覚して見ていたけど

綺麗なばっかりじゃない、汚いものも通して見えてくる人間らしさが生々しくてすごくリアルでした

毎日公共トイレの掃除をしながら(映画に出てくる公共トイレは現代的な建築物で素敵なものばかり)

銭湯でスッキリして近くの呑み屋さんで晩酌する主人公のルーティーン

たまに古めかしいコインランドリーや古書店にも行ったりする

おじさんは使い捨てのフィルムカメラを使う

スマホで音楽を聴く代わりに、おじさんはカセットテープを車でかける


前半、共感する人は少ないかもしれないけど、私には般若心経が思い浮かんでました

「無眼耳鼻舌身意」から先は特に私が好きなフレーズ

私たちは何らかの刺激を受けるとそれに支配されて

さもそれが世界のすべてかのように錯覚してしまうのだけれど

世の中は私たちとは全然別に動いていることを

主人公は日々お掃除に精を出しながら胸に刻んでいるよう


後半、おじさんの人間らしさが徐々に滲み出てきます

分かっていても、自分の存在意義を見出したいと願う、それが人間

何気ない日々の中にも面白さ、やるせなさ、寂しさ、やさしさ、そして美しさを見い出してしまう

「ここ昔何があったっけ。年取るとこれだもんなぁ」

私も思い出せないことよくあるな

たまにイラっとすることもあるし涙が出てくることもある

知っている感情が色んなところに散りばめられていて

私もこの風景見たことあるな そういうシーンがたくさんありました

美術館に行った後みたいな感覚でした



そう言えばスカイツリー、昔から縁がなくて結局登れてないんだけど、そろそろ上まで行ってみたいな



東京で暮らしてて、Perfect Daysって思うのは至難の業かもしれません

東京じゃなくてもそうか、現代ネット社会において

上を見れば際限ない上があって

下を見れば際限ない下があって

何がPerfectなのか判断に彷徨ってしまう

でもひと息ちゃんと深く呼吸してみたら

意外と幸せが近くにあることを思い出せるかもしれません


私はインドでその感覚に触れました

この味わいに長く身を浸し定着させることが

幸せの秘訣のような気がしました


この映画の良さが分かるとは、私も大人になった笑


ほっとひと息つきたいときに、おすすめです