日本一の温泉に入って来ました。 | 喜多屋 社長の徒然なるまま   おやじブログ

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冷涼な気候と美味しい水の郷、信州諏訪地方でこつこつと味噌しょうゆを醸している蔵元おやじのブログです。発酵、グルメ、オーディオ関連が多いです。

観光県でもある長野県に住んでいても、連休などでは県外有名観光地などに目が行き、

つい地元を見落とす傾向がありました。
新型コロナ禍で県外の旅行を控えるご時世となり、なかなか行けなかった黒部立山アルペンルートの室堂(富山県だけれど)へGW終盤の4日に行ってみる事になりました。

 天気予報で快晴を確認した上で黒部ダムへの電気バス始発6:30の予約が無事取れました。自宅を出発して1時間40分、朝6時に扇沢バス停に到着。始発でもあり、無料駐車場に停められると思っていましたが、すでに満車。登山客の多さにびっくり。有料の駐車場(1日1000円なり。近くてありがたい)に入れてバス乗り場へ。



想像以上に多くの人がスノボ、スキー、登山装備などで身を固めで行列を作っていました。
朝6時過ぎには名物笹寿司や弁当の販売があり、コンビニにぎりを食べなければ良かったと後悔。

立山までの往復切符はQRコードの読み込みでバスやケーブルカー、ロープウエーなどの乗り換えはスムーズに出来ます。


無事電気バスは出発し、難工事だった破砕帯の説明などを聞きながら15分くらいで黒部ダムに到着。

この時間に乗る客は立山目指しなので黒部ダムには目もくれず全員一斉にケーブルカー乗り場に向かいます。アスリートが多いためか皆歩くのも半端なく早い。

ケーブルカーは古臭い小型バス風で床が35度くらい斜めになったひな壇のような椅子位置が面白い。


ロープウエー乗り場には5分程で到着。またまた長い乗車待ちを経て乗車。ここのロープウエーは中間に支柱が無いのでも有名です。
車窓から見える急斜面には既に新雪をスキーで滑った跡が2本見えます。猛者がいますねえ。

終点の大観峰の駅の壁にツバメが多数飛び交っていました。アルプスにも住むというアマツバメでしょうか。

はたまた電気バスに乗り換えて室堂に向かいます。バスは4台程がずらり並び、皆満席です。

この室堂までのトンネル内も破砕帯があり、やはり難工事だったと説明がありました。立山の雄山の頂上直下を抜けて15分程で室堂に到着。
室堂駅は富山方面の西口が1階、雄山など室堂高原への東出口は3階屋上からになります。

まずはみくりが池方面に向かうので屋上から屋外へ。

「眩しい!」暗がりから一歩出ると目が眩むほどの白銀の世界に圧倒されます。

始発から直行での到着なのでGWとしてはまだあまり人は多い方では無いのでしょうが、それでも新雪残る雪道はソーシャルディスタンスぎりぎりくらいの間隔で列が続きます。
 

目指すみくりが池まで徒歩10分の案内でしたが新雪まじりの雪道で歩きずらく、ややアップダウンもあり20分位掛かったと思います。

北側に見降ろす地獄谷からは煙が立ち上り硫黄の香りがします。

 

朝の室堂の気温はマイナス1度位と聞いていたのでアンダーもしっかり着込んでいましたが、あまりの日差しに既に汗ばんで来ます。

みくりが池方面に来た目的の一つは雷鳥も見かけるエリアと聞いていたからです。

雷鳥をよく見かけると聞いたハイマツ群落下あたりを探したけれど残念ながらみつかりません。GWの後半で人の気配が絶えない上に晴天なので身を潜めてしまっているようです。

立山を映した美しいみくりが池の写真を見た事がありますが、5月のみくりが池はまだ雪の下で真っ白い窪地が広がるだけでした。

なぜ「みくりが池」というのか。きっと植物の「みくり」でも群生しているのか、と思ったが調べてみると立山信仰の中で神にささげる水をここから取ったので神様の台所から「御厨」となったようです。
みくり
まったくの雑談ですが最近また話題のガッキーのはまり役「みくり」さんは植物のみくりから付けた名前だそうです。逃げ恥のみくりさん家族の名前は皆植物から選んだそうです。でも料理が得意なみくりさんの名は厨房の意味も込めて選んだのかもしれません。

 

登山やスノーボーダーはさらに黙々と雄山方面に向かいます。

ちょっと日帰りで室堂に行ってみたかっただけの観光客としてはこれ以上昇るのは厳しい。

 

もう一つの目的は日本一の秘湯に浸かる事です。何が日本一かというとここにある「みくりが池温泉」は日本で一番高所の温泉(きちんと施設のある温泉として)なんです。

みくりが池温泉到着時刻は8時30分。 9時からの入浴受付開始まで待たねばなりません。

併設のカフェで景色を眺めながら待つことしばし。 フロント

 

コロナ対策で1度に入れる人数は男女別で6人まで。受付窓口にて入浴料800円也を払うと日本一高所の温泉入湯記念のプレートをもらいました。おかげ様で一番風呂組に加われました。

決して広い浴室ではありませんが2つの浴槽があり、先に支度を済ませたお客さんは左の浴槽にじゃんじゃん水を入れて待っています。満々と湯が張った右の浴槽に手を入れてみると、源泉そのままなのか45℃以上はありそうな熱さです。

自分は熱め好きなので他の入浴待ちの方を後目に一番風呂へ。おお!流石に熱い。すぐ出たくなるのを少々見栄を張って我慢しているとジンジンと気持ち良くなります。泉質は単純酸性泉で、筋肉疲労に効果があるようです。

 

まさしく地球のエネルギーを充填している感じです。ものの10分でしっかり茹であがり、早々に退散です。やはり日本一の温泉は凄かった。

 

ここでカメラが見当たらない事件が勃発します。浴室に戻っても無い。

フロントに聞くと玄関桟敷にカメラが置きっぱなしなのでそろそろ預かろと思っていた所だとの言に振り替えると愛機が置きっぱなしで迎えを待っているではないか。
 

ああ、日本でよかった!と思う瞬間。

さて、温まった身体が冷や汗をかいてちょうど良くなったので室堂駅に戻り、名物の「雪の大谷」見学です。

写真やニュースなどで見た事ある方も多いと思います。富山から室堂に通じる道に吹き溜まる雪を除雪し開通させた、高さ最高14mもの雪の回廊です。今年のGWは11mくらいなのだそうです。

こちらは正直あまり期待はしていませんでした。やはり想像通りの景色です。それよりあまりの人の多さに驚きです。道が狭くなるまでの800mあるかどうかの歩道を原宿かと思うほどの見学客がひしめいています。

途中の雪壁には天使の羽が描かれた、インスタ映えポイントなどもあり俗化した感じも興ざめです。
 

雪の回廊の上にそびえる山の急斜面を滑るスキーヤーが見えます。

ここまで来るならあれをやってみたいものだと見上げながら多くの人々の往来でぬかるんだ歩道を早々に退散し帰路につきます。

電気バスに揺られ大観峰、ロープウエー、ケーブルカーを乗り継ぎます。帰りは待たずにそれぞれの乗り物に乗れました。


最後は黒部ダムをゆっくり見学しました。
有名なダムの観光放水は6月後半からなので残念ながら見れません。

ダム東側の岩盤には殉職者慰霊碑があります黒部ダムの工事で亡くなった方は171名、さらに雪崩に巻き込まれ81名もの方が犠牲になったそうです。

高台からのダム全景を見に展望スペースに向かいます。途中の売店では金箔をかぶせた高級ソフト「幻の埋蔵金ソフトクリームプレミアム」1500円也のポスターを発見。立山には信長に仕えた武将 佐々成政の埋蔵金伝説があるのです。

各地で名物ソフトを食べてきた小生としては見過ごせないアイテム。これは展望台の帰りに疲れをいやしに寄りますか、と思いながら長い階段を上ります。途中にダム工事に利用したコンクリートを運び込む巨大なコンテナと、それを吊るしたワイヤーがありました。直径10cmは優に超える太さです。これだけでも工事の規模の大きさを感じます。

途中に上から降りてくる観光客に「この階段を下りればダムに行けますか」と質問され、ではあなた達はどこから降りてきたの?と疑問に思いましたが、屋上に出ると謎が解りました。

黒部ダム駅から地下を抜けて展望台に直接出るコースがあるのでした。

展望台からの景色はダムの全景や放水の様子などを見るのに最適です。

黒部にお越しの際は面倒がらずに一度登られる事をお薦めします。

駅に直接向かうコースを選択したため、プレミアムソフトは断念となりました。
一路電気バスに揺られ無事扇澤に帰ると昼頃になりました。

下界に降りるとあの眩しい白銀の世界が夢のようです。
黒部立山アルペンルートを通じ日本の近代化の基礎を作った人々の凄さを感じると共に、今、平和を享受している自分たちには凋落しつつある日本の経済立て直し等、未来の為に身を投げ出す覚悟はあるのだろうか、と自問してしまいました。