117回 戦前は天皇独裁暗黒国家? ~なぜか辞めさせられた東條英機~ | 日本人のための近現代社会

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 前回の動画で、サイパンを守るために行ったマリアナ沖海戦で帝国海軍は持てる力の全てを出しつくしたにもかかわらず惨敗したという話をしました。

 今回はその続きで海戦で破れた後のサイパンと日本国内の動きについて話をしていきます。

動画解説

ようつべ https://www.youtube.com/watch?v=CqP6rZLzOz0&t=4s

ニコニコ http://www.nicovideo.jp/watch/sm31027101

 

 マリアナ沖海戦で海軍が負けて制空権、制海権が完全にアメリカに奪われた事でサイパン島にいる日本軍守備隊は完全に孤立してしまいました。そして日本軍の10倍に当たる約65000人のアメリカ軍の上陸部隊によって日本軍は奮戦するも全滅。

 そして守備隊が全滅した事により島の北端に追い詰められた現地人約5000人が崖から身を投げて自決するという悲劇が起こっています。

 なんで本来なら意図的に殺されるはずのない民間人がこんなにもたくさん自殺してしまったのか。その理由はアメリカ軍の素行の悪さですね。

 アメリカ軍に限った話ではありませんが、当時の米軍では民間人への略奪とかレイプってのは当たり前に行われていましたから、捕まって死よりつらい苦しみを味わうくらいなら身投げするというのも理解できない話ではありません。

 

 さて、この戦いによって日本はサイパン島をアメリカ軍に取られることになります。そしてこの事が日本国民の生活にきわめて大きな影響を与えることになりました。というのも当時の米軍のB29爆撃機の航続距離がだいたい5000キロちょいなんですが、日本とサイパン島との距離がだいたい2000キロちょいなんですね。つまり、日本の主要都市が全てアメリカ軍の爆撃の射程圏内に収まってしまい、本土空襲の脅威が身近なものになってしまったんです。

 これまでもドゥーリトル爆撃隊のように日本本土への爆撃はありました。しかし、日本本土に爆撃をするためには空母に爆撃機を乗せて日本近海まで近づくというリスクを取る必要があったんです。ところがサイパンから日本までの距離は2000キロ、往復4000キロですから普通に往復できてしまうんですよ。

 つまり、空母を使って飛行機を日本近海まで運ぶ必要がなくなってしまったんです。そしてこれ以降、米軍機が度々日本本土を訪れ、日本の航空機の生産力を潰すために工場を爆撃し、東京大空襲や原爆投下と言った民間人を意図的に狙ったえげつない空襲まで行われる事になっていきます。

 

 この後も日米の戦闘は続きますが、このサイパン島陥落が実質的な日米戦争の決着と言っても間違いないのではないかと僕は思います。

 

 さて、サイパン島が陥落したことで、日本国内の政治にも大きな動きが発生しました。それまで東條の脇を固めていた側近たちが「サイパンを取られては戦争継続はできない。講和しよう」などと出来もしない事を言い始める等、内閣に混乱が生じることになります。そして結局はサイパン島陥落の責任を取らされる形で東條内閣は総辞職、小磯内閣が誕生する事になってしまうんですね。

 あれ?ドM史観の先生達が言うには戦前は天皇独裁の暗黒国家だったはずですよね?どうして独裁状態の国家で戦争継続中に総理大臣辞めさせられるなんて意味不明な事になっているんでしょうか。

不思議ですね。

次回は特攻隊の初出撃となったレイテ沖海戦について解説し、その後硫黄島の戦いについて話をしていこうと思います。

(こんな感じで絶望的な戦力差)

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