お酒の価格 | 北庄司酒造店 会長の独り言

北庄司酒造店 会長の独り言

 元三代目蔵主、会長による「酒蔵と趣味」のお話です♪

酒蔵見学に来られた方々に「お酒に関する疑問や知りたいと思う事がおありでしたら何でも結構ですからご遠慮なくどうぞ」と申し上げますと、以外と多いのはお酒の価格に関するご質問です。

私どもが価格決定の基本としている要素は
① 原料にする酒造米の種類、品質、精米歩合など
② 酒造工程の違いや要する日数、手間など
③ 貯蔵段階などに要するコスト(古酒や生貯蔵酒など)
④ 商品に仕上げる段階の容器、ラベル、化粧箱等の諸経費
などです。

私どもの様な小さな地酒蔵の殆んど手造りの酒造りと、大きな会社の工業化した酒造りとでは製造工程でのコストの違いは当然あるでしょうが、価格決定の大きな要素はやはり原料米です。

例を上げますと、「荘の郷・純米山田錦」という製品は山田錦100%仕込みで、精米は70%に抑えてますが、仕込み工程はこうじ造りからもろみの管理まで全く吟醸酒を造るのと同様に、時間を掛けてじっくり仕上げてますので、五百万石100%仕込みの「荘の郷・吟醸花穂」より高い価格になっています。

「他社では720ml瓶1本1,000円しない吟醸酒もあるのに、お宅の純米酒なんでこんなに高いの?」なんて思われるかも知れませんが、それなりの理由(わけ)があるのです。

純米酒にも、加工用米と呼ばれる3等級の一般米で造ったのもあれば、高価な酒造米・山田錦で造ったのもあります。
吟醸酒や大吟醸酒でも同様です。

プレミアが付いて、メーカーの正規の価格をはるかに超えた特殊な価格になっている一部の銘柄は別として、安価な商品、高価な商品それぞれに、それなりの理由があると言う事を理解して頂ければと願っています。

因みに、私どもでは平成19酒造年度より、原料米全て酒造好適米を使用した酒造りを行っています。