ペレニアルライグラスという草を初めて知ったのは牛に与える牧草の草種からです。
道内の酪農家では放牧でペレニアルライグラスを利用している場合が多く、特に短草利用すると牛にとって栄養価が高く、嗜好性の高い飼料となります。
また、短草利用で草の密度が上がり、芝生みたいに綺麗な放牧地になっていきます。
このペレニアルライグラスは芝生として本州以南では冬にオーバーシーディングで追播したり、北海道ではゴルフ場や競馬場の芝草としても普通に栽培されています。
うちの芝生はケンタッキーブルーグラスをベースとして、ペレニアルライグラスを徐々に追播してきました。
左側の濃い緑がペレニアルライグラス、右側がケンタッキーブルーグラス。
ペレニアルを4年間追播してみて、個人的に次のような利点を感じています。
・とにかく密度が高い
・緑が濃く、葉が光って見た目が美しい
・秋遅くまで青々している
・分けつでよく広がる
・競争力が強く雑草が生えにくい
・発芽が早く初期生育が良い
特に競争力の強さではケンタッキーブルーグラスを凌ぐのではと感じています。
緑が少し淡いケンタッキーブルーグラス
一方、欠点として感じていることは次のようなことです。
・病気や暑さに弱い
・冬枯れが発生しやすい
・刈り遅れると密度が下がる
・直立茎なのでケンタッキーブルーグラスのようにほふく茎で個体が増えて裸地を埋めてくれることはない。
ほふく茎とはイチゴで言えばランナーです。ほふく茎で新たに子株を作り個体が増えていきます。ちなみにコウライシバもほふく茎を作ります。
ペレニアルライグラスはこのほふく茎ができないので、個体を増やすには種以外では株分けくらいしか無いと思います。
この部分が芝草としてのペレニアルライグラスの最も大きな欠点だと感じています。
ペレニアルライグラス単体の巻芝を見たことが無いのも、ほふく茎ができないので、巻芝として不向きなのだと思います。