お久しぶりです。4ヶ月ぶりの更新になります😅


今回は紋別郡遠軽町に存在したスーパーマーケット「イチワ遠軽店」(1963~1986)についてです。


改めて、イチワは1913(大正2)年に北見市にて○わ渡邊商店として創業したスーパーマーケットでした。


現在におけるスーパーマーケットの形が全国的に広がりだした1959(昭和34)年に個人経営から法人化しチェーンストア化を目指したイチワが翌1960(昭和35)年にセルフサービス方式を採用。そしてチェーンストア2号店として開業したのがこの遠軽店でした。


(写真1 岩見通南1丁目)
(写真2 岩見通南1丁目)

イチワ遠軽店は1963(昭和38)年に紋別郡遠軽町岩見通南1丁目に開業しました。正確な位置は把握できていませんがJR遠軽駅から程近い街の中心部にあたります。この界隈は岩見通商店街として商店、飲食店が軒を連ねています。

イチワに関する著書である「イチワ創業八十周年記念誌」(1993年 イチワ・月刊あるふぁ 刊)では、あえて遠隔地でまだセルフサービス方式のスーパーマーケットがなかった遠軽町を選んで出店したそうです。北見からは山を隔て、距離にして60㎞程離れています。

開業当初はスーパーマーケットとして独占的な地位を築くことができたと言われています。

イチワを筆頭に遠軽町農協購買部三徳うらべ(現 福原)、道東市民生協遠軽店(現 コープさっぽろ)など続々とスーパーマーケットが増えていったのだそうです。

(写真3 写真中央 岩見通南3丁目イチワ跡地と思われる)

開店から4年後の1967(昭和42)年には程近い岩見通南3丁目に移転し、しばらくこの地で営業していました。移転前と移転後で店舗面積はあまり変わらず、495㎡ほどであったようです。

この地では19年営業していましたが、1984(昭和59)年10月に遠軽町の地元資本 道東市民生協(2006年コープさっぽろに統合)が二階建ての大型店プラザコープを開業させたことで、岩見通商店街の客足が減少。イチワは2年後である1986(昭和61)年8月に閉店し、開店以来23年の歴史に幕を下ろしました。


正確な位置関係についてまだ確証はありませんが、

所在地が岩見通南3丁目だったこと

前述のイチワの著書にある店舗外観写真では角地に立地していたこと

遠軽町百年史(1998年 遠軽町刊)の文中にある「プラザコープ進出による岩見通の客足の減少」という記述から察するに岩見通に面していた?

この3点から写真3の場所がイチワの立地していた敷地なのではないかと考えていました。


現在はカラオケ歌屋 遠軽店の駐車場となっていますが、不自然にコンクリートの基礎が残っておりそこに建物があったことを窺わせています。

また、2003年の遠軽町の地図が手元にあり調べてみると当地にはアミューズメントの記号と共に「SEGA」の記述がありゲームセンターがあったこともわかりました。わりと近年まで建物が残っていたことが考えられます。

偶然かもしれませんが、以前ブログ内でいただいたコメントから北見市に所在したイチワ銀座店の跡地も「SEGA」のゲームセンターとして活用されていてイチワの創業家が貸していたという事例があったそうなので、もしかしてここもなのかなとイチワ跡地らしい感覚がありました。

(写真4 コープさっぽろ プラザ店)

イチワ閉店のきっかけになった大型店、プラザコープは現在もコープさっぽろプラザ店として営業しています。遠軽町随一の大型店で2フロア。現在は1階にコープさっぽろ、2階に衣料品店のサンキ、100円ショップのmeets.(ミーツ)等を主なテナントとしています。

これが開業した1984(昭和59)年当時のオホーツク地方ではまだGMS(総合スーパー)は数少なく、他に紋別市の紋別ローズタウン(1980年開店 現在のイオン紋別店)しかありませんでした。この翌年には北見市にイトーヨーカドーが進出。個人的にはプラザコープの開店がイトーヨーカドー北見店より早かったことが驚きでした。

少し脱線してしまいましたが、今回はこの辺で…☺️


今回もまたTwitter等を通じて情報をくださりました皆様、ありがとうございました🙇‍♂️

今後もブログのコメントやTwitterアカウントきたのやま百貨店の方で情報や思い出話などお待ちしております😊


最後にイチワ跡地の近くにあった踏切の写真を…📷️

青い空、瞰望岩、長い歩道橋、踏切、そしてその先にある遠軽神社。なかなか良い絵になる風景だなぁと思いました。☺️

ではまた✨



参考文献
▪イチワ 創業八十周年記念誌
(1993年 イチワ・月刊あるふぁ 刊)

▪遠軽町百年史
(1998年 遠軽町 刊)

▪DIGITAL ROAD MAP 北見▪網走道路地図 2004年版
(2003年 株式会社チセイ堂 刊)

参照リンク



 

2022年6月7日 投稿