朝はいつも早く起きた。薬も飲まないといけないし朝飯は昨日の残した焼き饅頭とスナックで。宿のWi-Fiはあるが、電波が悪い。それでさっさと出てくる。カプセルは狭いのでもう泊まりたくないと、今夜の一泊は捨てて、別のマカオ市街の場所のいいところでないかと外の海岸の椰子の並木のところに座り、ネットで検索した。さすが南下してきたから暑い。真夏だった。アゴダで調べたら、いいところにちゃんとしたホテルのようで二万円がいまなら残り一室6800円とあったのを予約する。そこからなら観光も回りやすい。それからデータローミングで繋いだついでに毎日のブログと詩をアップする。毎日更新しているから、わたしは無事に旅をして元気だと知り合いたちは思うだろう。

 と、すべてが順調に行っているように見えた。そんなときはどこかにどんと落とされる。昨日の続きで、今度は中国からマカオに入るに間違わないように外国人のレーンに並ぶ。すると問題発生した。マカオに入国はできないというのだ。翻訳機で相互に会話して理由が判明した。中国を出たり入ったりするのもビザには二回までと書かれていた。もう二回をマカオに昨日入って使い果たしてしまった。ええ聴いてないよと、コマーシャル。青くはならないが、そうなのかと初めて知る。これからマカオどこか香港にも入れない。というより、ここから出られない。どうしたらいいですかと、イミグレの女性に聴いた。もう一度ビザを申請するとか。それは一週間以上かかるだろう。それとも中国国内は移動できるので、上海行きの国内便を探して戻るよりないと言われた。がっかり。マカオも香港も返還されて同じ中国ではないのか。一国二制度というのは、まだどこか別の国扱いなのか。それは調べて来るべきであった。わたしが甘かった。まずはどうするか。落ち着け。慌てるな。と、自分に言い聞かせるが、動揺はしていない。トラブルはトラベルなのだ。こんな安いからと予約した珠海市がまさか中国とは思わなかった。ここがマカオのホテルなら問題はなかったのだ。それでも香港にも入れなかったろう。どちらも出入国扱いになるのだ。そう言えば、マカオと香港だけならビザもいらない。今回の旅行も上海経由でマカオに来たらよかったのだ。途中降機のストップオーバーとかトランスファーというが、乗り継ぎなら二日ぐらいは上海に滞在できる。そういうチケットを求めて上海は二日だけにしたら面倒なビザの申請もいらなかった。今度からはそうしよう。

 

 ゲート前にある両替所でマカオの金はもう使わないので、元に両替する。この四日で、日本円で二万五千円両替したが、まだ元は半分以上も残っている。それはそうだ。買い物するのでもないし、飲食もたいしたことはないし、移動も数百円のものだし、観光施設はシニアは無料のところばかりだ入場料1700円でも老人は只なのだ。金はある。まだクレカは使っていない。

そこでゲート前にある巨大モールの中で朝マックをしながら考えよう。まずは、旅行サイトに予約した香港から上海の新幹線をキャンセルした。それから今日の予約したマカオのホテルは返金はできないだろうが、一応キャンセルのメールを送った。それも英文を翻訳機で英語にして、書いた。まだやることがある。上海行きの国内航空便を予約した。それは取れた。今日の4時過ぎの便で帰る。マカオは夜にバスで1時間見て歩いただけだった。たった1時間の市内バスで移動しただけのマカオ。酷い旅行になってきた。最悪だ。それから、トリップから、今夜と明日の連泊のホテルも取らないと、マカオと香港の分がキャンセルだから、上海に泊まるところを探した。それも当日値下げでシングルの部屋で人民広場に近い中心部のこじゃれたホテルが連泊でとれた。割引と航空券特別値引きで一泊1500円と安くなった。飛行機と一緒に予約すると安いのは知っていたが、随分と引いてくれる。

 旅行の日程はすっかりと狂った。それでは今度は上海から日帰りで郊外のいろんな観光地に行ってみようと、気分を変えた。落ち込まないところがわたしのいいところ。こういうこともブログネタと考える。いろんなことがあって旅は楽しい。

 先へ先へと進まないといけない。思案して留まっても何も解決はしなかった。まずは空港に行こう。ゲート前には売店やバスチケットの窓口がある。こういうときは翻訳機はすごく助かる。英語は通じないし津軽弁で聴いていた。「おめだぢ、なにしゃべっているんず」もうどうでもいい。空港行のチケットを買って、どこから出るのかと聴いたら、売店の人がすぐ近くのバスまで案内した。寸でのところで乗れて出た。同じ市内の空港でも高速を走り、遠い。そこもまたでかい空港だ。なんでもでかいことが好きな中国だ。

 ちょっと前はネットの予約券をプリントアウトして持ってきたのが、いまはそんなのはいらない。パスポートだけですべてのチェックインが済む。空港にも旅行会社からもう予約が入り、それでチケットが出てきた。いろいろとプリントした紙を持ってきたが、一度も出さなかった。飛行機が出るまで、またこれをドリンクを買ってテーブルがあるところで随時書いている。まるで実況中継のようだ。だけど、このブログもアップさせるのは一週間以上は溜めているので、これを読むときはもう帰国しているのだ。

 そこでは金属探知機に引っかかった。右足の股関節のところがピーピーと鳴る。脇に寄せられ、質問されたから、バッグから、封筒に入れた国立国際医療センターのレントゲンのコピーに医師が英語で説明文とサインした紙を見せた。股関節にインプラントが入っていると。そうしたら通れた。

 

 午前に飛行機の手配をして、午后にはもう機上の人になる。飛行機は満席で、よく座席が取れた。ホテルは逆にキャンセルもあり、当日のぎりぎりが値段が下がりお得になったりする。

 飛行機の隣の青年から話しかけられた。リーンレ(日本人)だというと、さっそく翻訳機で話した。旅行ですかと言っていたから、そうですと中国語で返す。みんな笑って、それは日本製ですかと聴くから、made inチャイナですと言うとますます笑う。青年は静かに本を読んでいた。読書家なのか。

 二時間半のフライトで、昨日出てきた虹橋とは違う、前に日本から来たときに着いた浦東国際空港に着いた。夕方の6時過ぎだ。そこから1時間で地下鉄で人民広場に出た。もう何度もそこは来ている。そこから徒歩5分のところにホテルがある。解りやすいし、中心地だ。晩飯はどうするか。飲食店がかなり並ぶ賑やかな商店街の中。そこのローソンに入って、海苔のない海苔巻きとシュークリーム、豆乳などと缶ビールも試飲してみようと買う。値段は日本と同じか少し安いくらい。

 ホテルとあったのが、綺麗なところだが、ホステルだった。フロントで翻訳機を出したら、若い女性が、日本語話せますというから助かる。ドミトリーの相部屋だった。なんだとがっかりする。道理で安いと思った。ネットの写真ではシングルベッドが写っていたが、二段ベッドの上なのだ。まあいいかと、そのまま疲れて晩飯とビールで寝入る。精神的な疲れだな。