毎年そうなのだが、十二月になると必ずなんらかの病気をする。これはこのブログを読み返しても、別につけている日記を読んでも、きっと年末は病院通いをしていた。わたしはそれを年末病と名付けた。
 どうしてなのか。気を張って一年の最後まで頑張っていろんなことをやっていて、ついにゴール寸前でダウンする。青森から帰ってから風邪でダウンしたと青森の同人の女史にメールしたら、八面六臂の日々ですからと労わる返信をいただいた。毎日が過酷ではないが、それに近い忙しさ。とうとう倒れたかというようなものだ。
 まずは、ギックリ腰をしたときから始まる。それも十日で治るが、それからいつもの年末の鼻がむずむず。異様な咳が出始める。またかと思う。毎年、年の瀬になると出る謎の咳。それは内科に行っても治らない。いままでもそうだった。青森からそうで、ここ何十年もそうして、内科受診して薬を処方してもらっても治らないで、ぐずぐずとひと月は毎日ティシュの山ができる。それが耳鼻科に行くと一発で治る。副鼻腔炎と後鼻漏というやつで、風邪とはまた違うようで、熱はないし、だるいとか、そういう風邪の症状がない。後鼻漏は普段でも誰でもあることで、洟が喉の奥から気管に入り、痰になり、それで咳が出る。それがひどくなったときだ。市販薬の総合感冒薬でも効かないし、咳と痰の薬もダメ。浅田飴などの喉飴も気晴らし。家のわたし専用の薬箱に入っている咳止めの粉薬も効かない。一昨年など、咳をしているだけで全員から白い目で見られた。だから、わたしはコロナではありませんと医者の診断書を額に貼って歩かないといけない。
 これは移る病気ではないから、それでも家ではマスクはしているし、孫が遊ぼと上に乗ってくると拒否する。孫は遊び相手がいなくなるとかなしい顔をする。かわいそうだが、万が一、風邪でも移したらよくない。
 年末に10年前だが、わたしは疲れて免疫力も落ちていたか、東京にいたときに、帯状疱疹をしたことがある。あのときは、少ない年金で一日200円の食費で生活しようという実験をしていたときだ。栄養も摂れないでいたからか、両腕にいっぱい湿疹が出てきた。なんだろうと、思って、小石川にいたときで、後楽園の近くの皮膚科に行ったら、すぐに、これは帯状疱疹だと薬をくれた。生まれて初めてやった。おふくろはそれで苦しんでいたのは知っていた。まさか、強健を自認していたわたしがなろうとか、すっかりと自信喪失だった。
 年末には、古本屋でいつも寝込んだ。吐いて眩暈がして立てない歩けない。それでも休めない。古本屋の事務室で寝ていて、息子にどこか年末年始でも開いている内科がないか調べさせ、息子の車で雪道を連れて行ってもらったこともある。肝臓だったか腎臓だったか、その数値が異常に何千という正常値の何十倍も高くなり、血液検査の結果に、医者も驚いていて、何をしましたかと聞いていた。これでは立ってもいられないでしょうと、絶対安静と自宅で寝ているように言われたのに、仕事は休めないから、あのときは熱が40度近くあったが、パソコンで仕事は続けていた。

 今回はそんなひどくはないが、微熱も出てきた。咳は止まらない。そのうち目ヤニで目が開けていられなくなる。目にも来たかと、目薬をさしたが効かない。弱り目に祟り目だ。それでも大人しく寝ていたら、いきなり両腿の内側がつった。痛い。こむら返しというのはいままでも毎月のようにやっているが、これは両足一緒だから激痛。孫がそれでもかまうことなく上に乗って甘えてくる。頼む、離れてくれ。と、それで終わりはしなかった。次に来たのが、両足の親指が反り返る、たまにやる痙攣。それは痛いというより、なんとも不愉快な感じ。いつもそれが起こると、別の足で抑える。それが両足同時に来るからできない。耐えるよりない。10分くらいでおさまるのを知っているから、その間、もだえ苦しむ。七転八倒は久しぶりだ。痛風ではないが、水分補給が足りないのだ。寒くなると、毎日の飲み物は量は減る。これは飲まないといけない。
 ともかく、耳鼻科に行かないと。自転車なんか乗れないが、車で走ったら、駐車場はいっぱいで入れない。それで自転車でまた行ってみるが、耳鼻科は予約でいっぱいで、本日の診療は終わりましたと、昼前にそういう看板が玄関に出ていた。他の近くの耳鼻科がないかと、ネットで探したら、どこも満員。すでに終了ばかり。いまはネットで予約をしないといけない。
 翌日は孫を保育園に置いて、ショッピングセンターの駐車場に車を置いて、歩いて近いところの耳鼻科に行ってみた。朝一の9時ならどうだと。そうしたら、玄関は閉めていたが、看護師さんが一人出てきて、スマホで予約の仕方を教えてくれた。すでに27人が予約でいっぱい。昼になると言われたが、なんとか診察だけはしてもらえそうだ。どこもここも混んでいる。飛び込みの患者や電話ではみんな断られていた。それほど病人ばかりなのだ。
 駅のマックでコーヒー飲んで待っていたら、電話が鳴り、SMSで順番が来たと教えてくれる。スマホがないおじいさんたちはどうするのだ。そこの耳鼻科には昨年の暮れに来ていた。一年ぶりなので紙にいろいろと書かせられた。女医さんで、鼻穴からスコープを突っ込んで、モニターで見せてくれる。汚れた洟がついていますねと、説明してくれる。去年は少し蓄膿症と言われた。市販の鼻うがいも朝晩していた。それでも治らない。鼻の薬の吸引をした後、処方してくれたのはアレルギーの薬と去痰剤など。これで治るだろうか。
 食欲もなく、どうも胃も悪い。胃薬も市販のを飲んでいるが効かない。あちこち同時にガタが来ている。あれほど健康そのものであったわたしも、年末になると病人になる。一年の厄は薬であったか。こうなったら、みんなやっつけてやると、病人に気持ちまでなっていられないと、気合を入れるところはまだまだ、負けてはいない。