中国に来月旅行に行くに、うっかりとビザの申請が必要だとは知らなかった。いままでは15日以内の短期であればビザなんかいらなかった。それが、アメリカと日本と経済制裁している国は、渡航条件の制約で、まるで来るなというように締め付ける。日本は中国人の旅行者にはある程度緩和したが、コロナ以降は、すっかりと変わって、中国にはほいほいと行けなくなる。ゼロコロナ政策の後遺症が続いている。それをネットで知ってから、申し込みはネットでできるというので、書類を中国ビザ申請センターのサイトからダウンロードして、自分で書くことになる。それは10枚もあって、学歴、職歴から、渡航歴、家族関係と細かく記載させられる。ええ? こんなに書くのと、萎えた。しかも、一枚記入しても内容不備なら、次のステップに進めない。途中で止まる。どうしてかというと、日本語では駄目なのだ。ローマ字で書く。英語表記だ。息子の会社で経理をしていたという前職も英語で調べて書いた。ようやく最後まで辿り着いた。が、そこでまた問題発生。スマホで自撮りした顔写真だが、背景は白でないといけない。部屋の壁紙は白なのだが、蛍光灯の加減で、灰色になったら拒否された。それならと、スマホに無料ダウンロードしたフォトショップのアプリで、背景を抜いたら白くなる。ところがそれを入れたら、注意書きで、加工して背景を抜いた写真は使えませんと出た。ええ? 面倒くさい。こんなことなら、中国なんか行くのじゃなかったと後悔する。いまさら、ホテルはとったし、航空券と新幹線と国内の飛行機のチケットもクレカで支払って買ったのに、すべてがキャンセルでも戻ってくるのはどれだけか。だけど、難問に対して、途中で挫折するのが嫌いなので、ますます奮起する。

 

 かつてビザ申請は青森にいたときは、東京のインド大使館に行くのが旅費もかかるので、代行サービスの会社に頼んだことはある。1万円くらいかかったか。後は、現地のイミグレで入国のときにオートストラリアでもどこでもその場で書類に書いて、10ドルくらいの現金を支払えば即時交付してくれた。それはビザが短期間でもいるところの国でも簡単だった。ガイドブックに書いているのは最新情報ではないので、それをネットでちゃんと確認してゆかないと大変なことになる。

 中国はアメリカと日本や一部の敵対する国を除いて、前のように15日以内ならビザなし入国ができるとした。政治的に動いて解決しないと、中国人はインバウンドでどんどんと日本にやってくるのに、ネットで見たら、日本人はほとんど行っていないという。締め付けが厳しく、ホテルに宿泊していても、書類を書いて、警察署にいちいち届けないといけないとか。それがないと不審者でスパイ扱いされたら困る。

 

 嘆いてもいられないので、そういうビザ申請の代行サービスもネットにはあるが、8000円とられる。しかも、申し込みはネットから自分でやらないといけないから、年寄りは無理だろう。全部お任せとはゆかないのだ。

https://chinavisa1.net/toroku/sample-shinseisho11.html

上のURLがその書き方の見本で、その通りに書いてゆく。

 写真もららぽーとにあるカメラのキタムラに行って、ちゃんとした中国ビザ申請用で撮ってもらう。写真屋さんは知っていて。サイズもすべて規定通り。メガネをかけてはいけない、髪がかかってはいけない、目もぱっちりととうるさいでしょうと言う。三千円以上かかったが、写真二枚とデータでもよこす。それはまた再度申し込み用紙に記入するときに使う。どちらの写真も同一のものでないといけない。ちなみに、ららぽーとのJTBに寄って聴きに行ったら、中国旅行のパンフは置いていない。ツアーは中止になっていた。窓口では、いまは難しいと渋い顔で、ビザ申請も自分でしてくださいと、はねつけられる。大手旅行社でもそうなのだ。面倒くさいのは頭にくる。

 今度は一度書いたので、すらすらと1時間くらいで書いて、それをネットで中国ビザ申請センターに送信できた。それをプリントアウトする。さらに、後で窓口で言われたのが、前の古いパスポートも必要だとか。それは忘れたので、家にありますと書いて終わり。

 

 用意ができたが、今度は東京に行かないといけない。全国の大都市には中国のビザ申請センターはあるが、青森にいたら、そのために二回も東京に出てこないといけない。往復二回の旅費は大変だ。それで代行サービスとなる。センターの窓口では郵送対応はしていませんと、直接来て本人の申請が必要だと書かれている。

 場所はお台場の東京ビッグサイトの真ん前のビルの12階にある。平塚から電車で新橋まで行き、そこからゆりかもめの無人電車でビッグサイト駅で降りる。往復で交通費は3千円かかり、それができて取りにまた行くので二回分、電車賃だけで6000円かかり、ビザの費用は7550円かかる。

 写真撮りのために、床屋に行って、髪を短く刈った。バサバサの長くなった髪はすっきりとした。それで顔に髪はかからなくなり、本人確認が容易になる。

 

 ビッグサイトも久しぶりだ。息子たちのゲーム会社で、毎度のコミケに出店するが、そのときに来たのは9年前か。それから4年前には、ビッグサイトの警備もバイトでやった。広いゲートの入口で車の搬入の誘導から、ほぼ徹夜でやった。

 申請は待たされるかと覚悟して行ったが、1時間も待たないでやってくれた。ビザ申請のときに航空券のコピーもいるし、宿泊ホテルの予約のコピーもいる。わたしの場合はマカオと香港にも泊まるので、日程がややこしい。窓口はあれこれを出してと要求してきて難色を示していた。そのとき、自分でパソコンで表組した日程表を見て書いていたら、担当の人が、それがあればいいですと、あらかじめ作っておいてよかった。それにサインして、提出したらすべて申し込みは終わる。

 疲れた。帰りは、有明のターミナルで船を見たり、電車で帰るに、せっかく来たので、りんかい線で大井町終点で、買い物したり、蒲田で降りて商店街を買い物して歩く。

 

 一週間後、青森から戻り、勇んでまたビッグサイトの中国ビザ申請センターに向かう。何かあったら、電話が来ると言っていたが、電話がないから問題はなかったのだろう。受け取りには百人くらいが待っていた。本もいっぱい持って来た。多分、待たされるだろうと。女の子ばかりが多い。旅行は男子は少ない。どうしてか、昔からだ。番号で呼ばれて、ようやくパスポートにビザがついて返された。よかった。これから、来月まで、二週間、何事もなければ、旅行に出られる。青森から誰誰が死んだと電話が来なければいいと願いつつ、なんとなく、疲れ果て、お台場で花の咲いている花壇を眺めながら、散歩して帰ろうか。