海外旅行に久しぶりで行く。そのために、用意をしていた。まずは中国だから、あまり金のある恰好では行けない。どちらかというと、質素で地味な恰好で、いい服装では行けない。いまの中国は以前と違い、コロナ後の世界は外国人も受け入れず、人通りもなく、商店は倒産して、失業者は多く、治安もあまりよくないだろう。そんな中国にこんな円安のときにのこのこと出かける。それも8日ぐらいで、あまり金も使わないからいいかと、万全の支度で向かう。

 

 まず、カメラやビデオカメラといったものは持って行かない。前に北京で故宮博物院裏の北海公園辺りの写真を撮っていたら、警官に撮影禁止と注意された。言うことをきかないとしょっぴかれ、カメラは没収となるといけない。どこでも撮ってもいいわけではなく、その辺が厳しい。へたすればスパイ扱いされたら困る。それで、カメラは持たず、スマホでいい。それなら、みんな持っていて、写している。スマホも古い捨てるようなレノボだから、中国製をカメラ用にいまも使っているが、それで写す。それなら怪しまれない。撮ったら、撮影料を請求するところもあった。いまは個人情報で、人の顔をむやみやたらと撮影はできないのだ。その点、スマホなら、何かネットでも見ているふうに撮れば分からない。このブログの写真はその古いスマホで撮ったものばかりだ。扱いが小さい添えるだけのものだから、雰囲気だけでいい。

 腕時計ももう何年も使った安物で、傷だらけ。衣服も穴のあいた捨てるようなものばかり着てゆく。みんな向こうで脱ぎ捨てて、新しいのを着て帰ってくるから、着替えという荷物もいらない。

 

 バックパックも小さなのを買った。登山用とかがっしりとした大きく重いものはいらない。できるだけ小さく軽いものがいいと、探した。気に入ったものがなかったが、なんと衣料品のしまむらにあった。英国製ではないだろうが、イギリスの国旗と撥水の生地で、チャックの入るところが三か所あり、内ポケットもある。機内持ち込みはサイズが限定される。縦40センチと幅も小さいリュックなら持ち込める。大きくなると格安航空なので別料金が発生する。それと、荷物扱いは大きくてもいいが、それを受け取るときに待たされるのが嫌で、手荷物一個でそのまま機内からゲートに進めるのが早い。前に二度ほど、スーツケースが受け取れず、空港に置き去りにされたとか、フィリピンの別便に間違えて送ったとか。そういうトラブルがあったから、できるだけ、短期間の旅行では、15とか20リッターぐらいのスモールバゲージにしている。

 

 今回から、翻訳機を通販で買った。テレビで宣伝している通販会社で、そこなら何かあっても安全かと、頼んだ。来たのは手のひらに隠れるくらい小さい。ワイファイ接続で140カ国の言語を変換して話す。オフラインでも8カ国の会話が双方でできるというので、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語と繋がなくてもそれぐらいなら会話ができるというもの。しかも、写真撮影もできて、OCRで文章もその場で日本語に翻訳してくれる。通話も記録するというすぐれものだ。それも昔は高かったが、いまは1万円以下でいっぱい売っている。それがあれば、ホテルでもどこでも英語が通じない国でもあれば助かる。いままでは、それがないので、中国では筆談で、列車の切符を買うに、第一希望と紙に書いて窓口に出した。漢字の熟語ばかりなら、互いに意味が分かる。ヨーロッパでも電子辞書に入っている旅行会話のコンテンツを使って、それも14カ国の会話で、声も出るので、双方向はできないが、相手に伝えることはできた。今度は通訳がいらないくらい、そのままの会話ができるのか、試してみたい。

 

 それと、用意したのがトラベルベストだ。薄い、春夏用をネット通販でもちゃんとした新聞社でやっているサイトから購入した。怪しい会社からは買わないようにする。何かあっても、返品もできないし逃げられる。前に買ったカメラはそれで損をした。不良品を掴ませられた。

 ベストは普通のベストではない。表向きは普通で裏は汗よけのメッシュなのだが、実は内側に8箇所も隠しポケットがチャック付きでついているもの。パスポートや現金、クレカやスマホはそういう内側で見えないところに入れて、手ぶらで街歩きをしたい。そうしないと、いままでも盗られたことがある。特にウエストポーチはいけない。その中には貴重品から財布が入っているとみんな悪いやつらは狙っている。いままでも二度ほど、そこから金を強奪された。それからはウエストポーチは使わないようにした。それよりはさりげなく、ベストで、内側に隠しているのでスリにも遭わない。もし、万が一、ナイフで刺されても、防弾までは行かないが、ベストの内側にいろいろと入れていれば、防御にもなりそうだ。財布も持ってゆかない。小銭はポケットに直に入れておくと、そこから出せる。中国はキャッシュレスというから、果たして、現金で買い物ができるのか。アリペイなど、ダウンロードしてもそのときだけしか使えないし、大丈夫なのか。それが心配だ。

 

 靴は太極拳のボロボロに切れたカンフーシューズを履いてゆく。それは向こうの専門ショップで買って、履き替えってくる。その他、いろいろと太極拳のシャツも買って着てくるし、剣の布ケースも買えば日本より安いだろう。仲間たちもお土産というので、太極拳のキーホルダーや小さなグッズもあればみんなに買って来たい。

 着替えはホテルで洗濯して、毎日部屋で乾かす。なんだかんだと持ってゆかない。できるだけ軽く、使い捨て。コンパクトにまとめて持ち歩く。バックパッカーはスーツケースなんか使わない。石畳や階段はどうするのか。がらがらと引っ張って歩くと疲れるし、わたしはヨーロッパでキャスターがみんなひと月で壊れた。修理代が高くつく。それだから背中に背負うのがいい。お土産も小さく軽く薄いもの。そんな高いものは買わない。

 過去の失敗から学んで、これがあれば便利とか助かるというようなものを用意した。いつでも走って逃げられる恰好でないと、何があるか分からない。海外旅行も最近は怖いものがある。