パソコン離れを若い人からおこしていると言う。iPhoneがあれがそれで足りると、ネットとゲームと映画と音楽などはすべてケータイで足りるから、大きなノートパソコンを持ち歩く必要がない。それでも仕事では使うだろう。使わない仕事はあまりない。いまどきの若者たちは、パソコンは別にしなくてもいいし、車も持たなくてももいいと、かつてわたしの若いときの、ステイタスから離れて、それがなくても困らないという。

 わたしはいまもブログと詩を毎日更新しているので、欠かせないものだ。仕事でもずっとWindows95から使ってきたから、パソコンは27年使っている。仕事ではデスクトップだが、趣味ではノートパソコンを持ち歩いていた。それも初期のものは分厚くて重い。何キロあったものか。海外旅行をするようになってからは、荷物は軽くと、重いノートパソコンは置いてゆく。その代わり、旅の記録をつけるのに、通信はできないが、テキストだけ打てる超小型のポメラを買って持って行った。ケータイもあったが、海外では使わなかった。それだから、ネットが使えず、ホテルを予約することもできず、すべて飛び込みで行きあたりばったりの旅行になる。都市によってはホテルはどこも満室と断られ、あちこちフロントに当たって歩いた。それではいけないと、8年前の旅行から、薄くて重さが1キロ以内の軽いノートパソコンを探して、ようやく見つけたイーシースの9インチが手に入ったので、それを旅に持ち歩く。次々にホテルの予約ができて、観光地の情報も入るので、格段に旅には便利になった。

 それよりもさらに軽く薄く小さいのがタブレットだ。それも出た当初は英会話教材を買ったらついてくるというのを持ち歩く。ポケットWi-Fiも買って、旅はさらに荷物が軽くなる。職場にも持ってきたが、休憩時間にブログを書いていた。そのためにタブレットにやはりできるだけ小さく折りたためるキーボードがないかと探したが、Bluetoothで無線のキーボードがあったので、それを今日まで7年も使ってきた。文字はかすれ、キーはすり減り、ゴミも隙間に入ったのだろう、最近は文字が走るようになる。キと打てば、キキキキキキキキと無限に文字が走る。それで慌てて止めるが、前に全ページを削除してしまい、大変なことをした。そういう苦い経験があるので、キーボードは消耗品と、新しいのを先日買いに行った。あちこち探して、リサイクルセンターで中古でもまだ新しい薄く軽いキーボードを買った。千円と安い。ところが、それはよくよく見たら、シフトキーが左側にしかない。「ろ」のカナがとんでもない右下に押し込められている。指は慣れていて、いつもの場所を打つと、違う文字が出るという、文字の位置がそのたびに変わるのはよくない。どうして統一しないのか。特に海外で造られたものは、いい加減なところがあり、一昨年はノートパソコンを買ったが、送ってきたのは一文字がないのだ。それで返品しようとしたら、不良品ではないので返品はできないと断られた。ローマ字打ちの人はできるが、わたしのようにカナ打ちの人は一文字がないとどうするのか。日本語の「ろ」がないと、わたしの名前の一字がない。

 そういう失敗があったので、このたびは、新しいタブレットPCが格安で出ていたので、いまだけに弱いわたしは、正月特価で新品が四割引きいうタブレットPCに飛びついた、3万円もしないが、スペックはいい国産だった。10インチで重さは900gぐらい。薄く小さく軽いWindows11Proofficeがついている。保証期間も1年とある。製品の画像から拡大して、キーボードの文字と配置に問題がないか確認した。今度はちゃんと視覚的に調べたので問題はなさそうだ。それでネットで購入したのが翌日にもう届いた。

 さて、バッテリーも7時間は持つようだし、見た目は問題はなさそうだ。それで触って、打ってみたが、別にどこもおかしくはない。が、タブレットとキーボードを繋ぐカバーに問題があった。折りたたんでタブレットを立たせるやつだが、それが机の上では滑って立たない。すぐにパタンと倒れる。どこかにきっと問題が隠されている。それぐらいならと、百円ショップに行って、何か滑り止めがないかと探したら、パソコンなどが倒れないようにシリコンの地震転倒防止の粘着マットがいろいろと売られている。それを買ってきて、カバーの端に貼ったら、今度は滑らない。よかった。と、またバタン。それは滑り止めには弱かった。百円ショップで別に買ったスマホスタンドもやってみたが、それも倒れる。どうしようかと考えて、辿り着いたのが洗濯ばさみ。それをカバーケースの折るところに二つ挟んだら、今度は安定した。

 ひとつ解決したが、またひとつ持ち上がる。実際に打ってみたら、右上のカナ文字がキーが狭い範囲に押し込めたので、三分の二よりなく、指が隣のキーに当たらないように気をつけなくてはいけない。完璧なものはない。どこか無理があって、おかしい。いままでもそれで我慢してきた。

一番手になじんだのが、サーフェイスであったが、あれは人気がない。周辺機器のドライバーがインストールできないし、保守的な独自の世界で、受け付けないのが気にいらない。それも中古で買って一年半くらい使ったが、手触りと薄さ、デザインでは一番よかったのに、壊れて修理に持ち込んだら断られた

 

 そうして、何十台目かのタブレットPCを正月から使い始めて、古いのはサブで使うことにした。機械だから壊れることもある。突然壊れて修理に時間がかかるというと、その間、なければ困る。モバイルノートから超軽量のノートパソコンにして、いまはタブレットPCに落ち着く。それが一番安くて薄く軽くタブレットとしての使い方もあり、なんとなく外に持ち歩くにはいい。いまは、自宅ではほとんど使わない。それは孫が邪魔をするからで、自分の書斎はあるが、息子たちの荷物に半分占領されて、椅子と机に向かったことがない。自分の居場所は外なのだ。毎日、日曜でも息子と出歩かないときは、ファミレスや図書館、スーパーのイートインやファーストフード店にいて、そこが書斎となっている。本とドリンクと時には弁当も持って出るので、背中のバックパックは軽いほうがいい。

パソコンも中古の再生品が多い。安いと思ったものはそればかり。バッテリーの寿命は保証しませんと明記している。それでは困るので、新品特価を探す。見合いして交際する恋人に、隠された不具合がないか、いつも騙されてきたので、今度は慎重になる。