北野農場便り -3ページ目

農業とIT

世の中の情報革命はすさまじいものがあるが、こと田舎においては
まだまだ、ゆっくりと時間が過ぎている。
今ではパソコンが一家に一台、高速ブロードバンドでコンサート中継画なんかを楽しむ時代なのだろうが、村ではまだまだそこまでは行かない。

商業ベースに乗せるにはあまりにも人口が少なく、その少ない人口の中でも老人比率が高く、個人でパソコンを使える人はごく少数なのが実体だから、いっこうに高速化は進まない。

農業で利用可能な情報技術、ソフトもあまりない。インターネットを利用して気象情報の提供や栽培履歴をパソコンで管理してネットを通じ情報公開、各農家には情報端末をおいてその日の農産物市況を同報通信。てなところが今まで取り組まれてきたが、結局のところ机の前に座っていては、農作業は進まないのである。さーて、今日も青空、肉体労働に励もう。

米の出荷

昔は、刈り取った稲をはさ掛け乾燥して、脱穀(稲穂からこみを取る作業)もみすり(その籾から玄米を取る作業)で60㎏に袋詰めして出荷しました。
今は、大型コンバインで収穫した段階ですでにもみになっています。それを乾燥機に入れて18%まで乾燥して、JAにある大型調整施設へ出荷してしまいます。
そんなことで、以前はある程度もみすりをしたところで、我が家の収穫量が正確に把握できましたが、大型調整施設に出荷するようになってからは、収穫量把握は全量出荷がおわる10月下旬でないとわからなくなってしまった。
しかし、作業的にはこの時期ほとんど睡眠時間がとれないほど昔は忙しかったが、今は、労働時間をしっかり守れる状況です。

大型施設のメリット・・・1)労働時間の軽減がはかれた2)地域全部の米を調整するので、ロットの均一化がはかれた、3)最新鋭の機械で製品の品質向上が図れた

デメリット・・・1)金がかかる、2)個人ごとの評価がわかりづらい、

などでしょうか、今年は個人ごとの出来不出来の差が激しい年です。この施設のおかげで、均一化された安いおいしいお米が届けられるでしょう。

大豆

北海道長沼町の畑作農家が、遺伝子組み換え(GM)大豆を来年、商用目的で本格栽培する計画であることが、1日明らかになった。

びっくりである。私的には技術的に諸外国に後れをとる事には不安で、試験場などで大豆アレルギーなどを取り除くような遺伝子組み替え技術確立など、行うことまでは反対しないつもりだったが、今回の生産者が本格栽培をする計画の大豆は特定の除草剤に枯れない大豆で労働集約化をねらったものである。これは今の世論にはそぐわないことだと思うし、自分のことしか考えない変わり者の農場主にしか思えない。

大豆などの栽培では、草との戦いが栽培管理の大部分を占める。しかし、水田、麦、小豆、大豆、などと作付けするところを2~3年で取り替え、草取りをこなす機械を利用すると、圃場によっては除草剤を使わないでも栽培できる。栽培技術的に除草作業は問題解決できるのに、買い手に拒絶されているこの遺伝子組み替え大豆を栽培することは、北海道農業のイメージダウン、食のあんしん安全をめざす多くの生産者意志に反すると思う。

ではでは

学校給食

村の若者(貴重な存在)の間では、食農教育なんて言葉が聞かれる。読んで字のごとく子供のうちに食についてもっと勉強してもらい、将来は日本農業の応援団になってもらうとの考えである。洗脳活動の一部。
当然、その中心活動になるのは学校給食の完全米飯化である。そう週5日の学校給食にご飯を出すことである。そうすれば、ご飯食に慣れ親しんだ子供達が将来にわたってご飯を主食にした日本食を好むようになると言うのである。
はたしてそうであろうか?私は学校給食自体が食の外食化につながる風習を子供達に教え込んでいるように思われる。よって、大人になった時には食は誰かが作ってくれるもの、家庭でも学校でも愛情を込めて食事を用意するところを見なくなってしまうことの弊害の方が心配なのだ。すべての家庭がそうとは思わないが朝食抜きの学童達が増えている現状を考えると、食育につながっているかどうか疑問である。
村の若者よ、学校給食にご飯が何回出るかだけの目先の活動になることなかれ。
ではでは

補助事業

道営土地改良総合整備事業という事業で、暗渠工事をすることになっている。
暗渠って何だ・・・・田圃の地下水位をコントロールするために吸水性のあるパイプを地中埋め、排水路に余分な水が流れるようにする工事
優良な農地は水はけがよく水持ちがよく、雨でも水浸しにならず、何日も雨が降らなくても干ばつにならない圃場です。これに、土壌の肥沃が加わり良い圃場か悪い圃場か決まるのであるが、暗渠はその前段の改善策としての工事です。
この工事、多額の費用がかかります。それで補助事業となるのですが、事業費の50%を国の税金で北海道が32.5%、地元が17.5%と負担配分されます。このうち我が農場が負担するのは地元分のうち市町村も負担してくれる予定なので7.5%程度になりそうです。
多額の税金が使われることに批判もありますが、農地が個人資産であっても多くの法律で規制されている理由の一つですし、公共資産であると考えられる部分です。
ではでは

台風おおすぎ

台風21号が本州上陸。今年は本当に上陸する台風が多い年である。
幸い今回は北海道への影響は少ない模様であるが、昨夜より弱い雨が降っている。
台風18号の北海道への被害は300億円とも言われているので、今回も油断はできないところである。
我が農場の作業は、何とか雨前に小麦の播種が終わり、ほっとしたところである。残る重要作業は、大豆の収穫を残すのみとなる。

農相がべらんめい

小泉さんの内閣改造が発表された。
北海道から武部さんがなんと自民党幹事長になり、中川さんが留任、町村さんが外務省へ。
高校野球は優勝するし、ファイターズもプレーオフに進出、滅多にこない台風が北海道直撃などと合わせると、今回の人選は北海道にとって吉となるのか?

さて、私的には郵政民営化よりも農林水産大臣が気になるところであるが、島村さんが再度大臣に。東京下町出身、前回大臣の時にやったことが思い出せないが、日本の農政どうなるかが心配。

JA改革に取り組む発言をされたが、いまや農業関係で改革といえばJA。自民党政治に深く関わってきた農協組織だけに、何もしないではいられないのだろう。このJAグループ・・・全国農協中央会の会長さんも北海道なのをご存じだろうか。
ではでは

小麦の播種作業

例年だと今頃から稲の収穫作業となるが、猛暑の影響で早まったため、例年この時期に行う秋小麦播種作業が遅れている。
秋小麦ってなに?・・・・秋に播種するから秋小麦(秋まき小麦)、じゃ春に蒔くのは春小麦(春まき小麦)?・・・・その通り。
どこが違うの?・・・・品種が違う。
秋小麦は主に麺用の小麦(薄力粉)となる春小麦はパン用の小麦(強力粉)となるのである。
作業が間に合わないのなら、みんな春小麦にしては?と思われるかもしれないが、今蒔いて、一回雪の下になり来年の夏に収穫する秋小麦は生育期間が長いため500㎏/10ほどとれるが、4月播種から8月収穫の春小麦は130㎏/10aほどしかとれないのである。
国内消費のほとんどを輸入物に頼っている日本。その中でも国産麦70%を生産する北海道の麦作。遅れ気味の作業ながらもがんばっています。

餡の元は小豆

移動性高気圧が広く北海道を覆うため、しばらくは晴れが続くそうである。
今日は小豆の収穫を頼まれているところへ行き農作業。

この小豆、5月下旬に畑に種まきされ、9月上旬刈り取られ、30センチくらいの小山にして自然乾燥させていたものである。ようやく今日の脱穀作業で袋に入り、中間業者に販売できる状態になる。

北海道の大自然の中で乾燥された小豆は輸入ものにはない独特の風味が出て、高級和菓子にはなくてはならない素材となる。なのに、北海道にはこの高級和菓子の文化が以外とない。明治に入ってからの開拓者ばかりの土地柄、お茶をたしなみ和菓子を愛する風習がなくて当然なのか。

赤いダイヤといわれる小豆は完全自由相場。今年は大豊作の模様で、価格は大暴落。やすい餡製品をたくさんお食べあれ。

ではでは

風が吹けば・・・畑が乾く

昨日午後3時より予報どおり、雨が降ってきた。その前に稲刈りは無事終了。
そのほかに、小麦の播種作業、小豆の脱穀作業と10人のメンバーが手分けして雨前に作業をおわらす。
例年と比べると、猛暑の影響で半月ぐらい作業行程は進んでいるので、農作物が収穫をできずに雪の下になる心配はないのであるが、雨前はなぜか焦りが感じられる。農民の性なのだろうか?

さて、雨上がりの今朝は、早々に畑に農業機械も入れず、だらだらと圃場が乾くのを待つのみである。来週28日は十五夜、ススキの穂でも刈り取りに行ってくるか。

ではでは