北野農場便り -2ページ目

とうとう雪に

暑い夏でしたが、地球の地軸が傾いていることと太陽の回りを一年かけて回っている事実は変えようもなく、北海道では着実に冬へと向かっています。
4月におさらばした雪が、今朝窓を開けるとしっかりと積もっていました。
これから、溶けたり、降ったりしながら、12月頃には根雪になり来春までの
冬ごもりになるのです。
しかし、まだまだ農作業は続く。
来年度使用の肥料や資材を年内に運搬しとかなくては・・・・

災害は忘れたころにやってくる

新潟で直下型の大地震があった。被害に遭われた方には心よりお悔やみ申し上げます。ライフラインがずたずたになり、途方に暮れる人も少なくないかと思われます。早期の復旧を心から望むものです。
しかし、TVで見る限りでは道路・鉄道・電気・ガス・水道などがずたずた。米所新潟なので、収穫したばかりのコシヒカリも倉庫で散乱しているだろうと思われる。また、水道と同じく田圃には欠かせない用水路もずたずたになっているかと想像すると、来年の米作付けはできるのか心配になる。いずれにしても台風といい地震といい今年は災害の多い一年である。

2重制度

自民党でもあっさりと決まってしまったものだ。
BSE検査で20ヶ月以下を検査対象から外し、検査をしたい都道府県には検査費用を助成する。その一方で、アメリカ産牛肉は輸入解禁交渉。
狐につままれた状況だ。これで、牛丼は復活するのだろうか?
今のままだと、口うるさい消費者と輸入阻止をねらう生産者を黙らせれば問題なしと思われる。しかし、再度アメリカでBSE感染牛が見つかるか、検査感度の向上で何ヶ月でも検査できるようになったときには、やはり費用がかかるので自己判断で対応しろと言うのだろうか。
まだまだ、混乱が続くと思われる。

科学的根拠

BSE全頭検査の是非を巡る会議の中に頻繁に出てくる言葉である。昨夜与党がBSEの全頭検査見直しについて了承したとのニュースが流れた。国会で承認されれば牛の検査は21ヶ月以下は原則しなくても良いことになる。
この人方は、当初の科学的・・・30ヶ月以上検査・・・を科学的根拠といっていたのではないだろうか? その後検査から生後21ヶ月の感染牛が見つかったのは事実。 どんな検査をしようがリスクゼロはないにしても、あまりにも消費者の声を無視した取り決めのように感じる。
科学的には発生原因が輸入された肉骨粉といわれて、BSEになった牛の飼料などを調べるが、どの農場もそのような餌は与えていないことがわかっている。本当は原因がわからないのである。いつどこの農場の牛に出てもおかしくない状況下に検査結果が陽性であれば、その牛の生後前後1年(2年間)に同居した1歳未満の牛はみんな屠殺されてしまう、廃業しかねない状況なのだ。
BSEパニックを受けて、一刻も早く原因究明と消費者へのあんしんを与えるための全頭検査ではなかったのだろうか。
では、21ヶ月以下の牛を検査からはずすことによるリスクを何でカバーするのか政府は真剣に説明しているだろうか、どんな食品もリスクは付き物、だから科学的根拠がない検査はやめましたでは納得できない。

日本とタイ

先日、小泉さんが日本とタイのFTA交渉で米を例外扱いせよといったそうな?
WTO農業交渉が暗礁に乗り上げ、世界は2国間で交渉するFTAに移ってきたが、メキシコに続きタイとの交渉での首相の発言(日本農業新聞)だったようだ。一方、砂糖とでんぷんはすでに合意したような報道(日経新聞)もある。
米ばかりが日本の農業ではない。砂糖の原料となる甜菜やでんぷんの素・・・ジャガイモなどは北海道の重要な作物である。とくに畑作もつは、連作障害(何年も同じ作物を作ると病気が多発)回避のため豆や麦、ジャガイモ、甜菜、などを数年おきに作る場所を回しているのである。あの美瑛の丘のきれいな農作物のパッチワークはこのような理由で作られているのである。
世界の農業・農業者が共存できる協定を強く望むものである。

餅米

米を作っている農家であれば、餅米もみんな作っているかというとそうではない。餅米と粳米(うるち米)では含まれるでんぷんの特性が違っていて、混ざると餅にならないのである。また、これは製品が単に混ざるだけではなく、うるち米の花粉が餅米に飛んできて受粉しても、うるち米に化けてしまうのでやっかいな物である。

てなわけで、今では餅米は近所に頼まれた一部農家がこっそりと作るか、北海道ではしっかりと産地として区分けがされていて、餅米団地(上川北部、北見地区など)の友人に分けてもらうしかないのである。

その友人が今日、我が農場へやってくる彼のところは飯米用のうるち米が作れないので、うるち米との物々交換となる。

大豆の収穫

今朝は天気予報通り、雨の朝となりました。
昨日は台風22号が北海道の接近、被害が心配されましたが、三陸沖で温帯低気圧になったようです。
そんなこともあり、収穫期を迎えた大豆の刈り取りとその収穫後に秋小麦を播種する作業と一気に進めたため、てんてこ舞いの一日でした。
大豆・・・・昨年は低温のため茶目(大豆のへそが茶色く変色する)になり規格外品が大量に発生したが、今年は生育途中で台風に遭い葉っぱが吹っ飛ばされ生育ストップ、小さいながらも上々の品質となる。
最終麦播種・・・・標準播種日は9月20日頃で10月中旬に播種する事は現収につなる。降雪までの生育が確保できないためであるが、その解決策として播種量を増やして個体数を確保する。そんなわけで、途中で種が足りなくなったが、近所の農家より緊急にかき集めて無事播種作業終了
これで、本年の重大農作業はすべて終了する。

なく子も黙る農業委員会

先日、賃貸契約をして耕作していた農地を購入することになった。農地の賃貸、売買は公職選挙法で選ばれた農家代表の農業委員が取り仕切り、売り手と買い手の調整をするのであるが、買い手の競争倍率が高くなると所有面積だとか年齢だとか農地までの距離だとかで購入者を決めてしまう。また売り手には何人もの購入者が出ても価格は地域の標準的な価格で農業委員会が斡旋してしまう。その反対に買い手がいないときは、押し売りもするのである。
最近、この農業委員会のあり方が問題になり・・・・今は認められていない株式会社が農地を取得するときの審査など・・・見直しの話が出ている。
土地はトラブルの元、その中に入って交渉をする農業委員の仕事は正直きつい。よって、最近では選挙で選ばれたことはなく、地域で推薦された者が嫌々やっている

2732億円の損失

UFJ総研の試算では、BSEの発見で輸入禁止になったアメリカ産牛肉を使用する業界の損失額だそうだ。これに、輸入関税が入らなくなるから、国も業界も大損失となるわけで、今行っているBSE全頭検査を21ヶ月以上に変更しようとの意見もうさんくさく感じてしまう。
若い牛でBSEが発見される科学的根拠はないと言うが、当初30ヶ月以下では見つからないと言われ、世界基準に政府は日本も合わすべきだと言っていた。その後は風評が収まらず、全頭検査をすることとなった。そして、21ヶ月、23ヶ月の感染牛が見つかったのである。
これも、科学的根拠はなかったことである。・・・科学的根拠とは当事者のご都合なのかとも思うしだいである。

さて、2732億円の損失と、もし感染牛からうつってしまうかもしれないヤコブ病のリスク。天秤にかけることじたいができるのだろうか。ゼロリスクはないのだろうけど、食べる側に決める権利がない今の現状ではいつまでも不安はつきまとうのである。

雪が近いか?

どんよりとした朝を迎えています。

昨日、雪虫が飛んでいるのを見ました。羽のついたアブラムシの一種で
冬に入る前の暖かな日中に飛び回るのでそう呼ばれています。

年寄り達は、この虫を見ると「雪が降るぞ」といいます。事実、この虫が観測されてから10日以内に大雪山では初冠雪が記録されるそうで、冬がすぐ目の前に近づいているようです。

そろそろ、小屋の外にある農作物は全部収穫し終えないとと焦っていますが、この心境ちょうど熊が冬眠する前の気持ちなのでしょう。