山野草がキレイな時期です。先日薬用植物園に行って来ました。大好きなキンランがたくさん咲いていました。

写真を撮りながら、ギンランは咲いてないかなぁと思っていたら、優しそうな年配の男性が、「キンラン綺麗ですね。ギンランは咲いてないですね。」と声をかけてくれました。ギンランはキンランに比べると草丈も小さいのでなかなか見つけることが難しい花です。
亡くなった父と同じくらいの年齢でしょうか、父のお気に入りの帽子と同じ形のものを被ってました。「私も探しているのですが、ギンランはまだ早いのかもしれませんね。」と答えました。
しばらくすると、その紳士が手招きをしてくれて、キンランの横にキレイに咲いているギンランを見つけてくれました。

キンランとギンランは10年前に亡くなった父との思い出の花です。
父はとても優しい人で私は1度も怒られたことがありませんでした。
いくつになっても夢みる夢子のままで能天気なのは、甘やかされて育ったせいなのでしょうか?
そんな父にダメ出しをされたのは、友達と劇場版「エクソシスト」を観に行くと言ったとき、普段優しい父が断固として許可してくれませんでした。初めての映画館デビューは、父に連れていってもらった実写版「星の王子さま」でした。
父はどこか浮き世離れしていた人で、いつも楽しそうに絵を描いていたり、本を読んでいたり…植物が大好きな人でした。
早春になると父と道なき雑木林に探検に出掛けました。そこは秘密の花園で色々な種類の山野草がキレイに咲いていました。
形の面白いウラシマソウや、ヤブレガサ、エビネや綺麗なホタルカズラの群生、1つ1つ、父が植物の名前を教えてくれました。
日だまりのスポットライトを浴びたキンランとギンランを見つけて父と感動したことを思い出します。

もう半世紀も前の小さな頃の思い出ですが、鮮明に記憶に残っています。父の大きな手、優しい瞳、大きな愛に包まれていたことを改めて思い出しました。ゆっくりと歩いていく父に似た紳士の後ろ姿を見て、もしかしたら父が会いにきてくれたのかも…
何だかとても温かなものに包まれた不思議な感覚になり涙が溢れてきました。