感謝の心 | ~心のやすらぎ~

~心のやすらぎ~

高野山真言宗の僧侶による法話ブログです。
毎月1話掲載してまいります。

 私達の本山、高野山は、弘法大師空海が真言密教を日本に広め、僧侶が修行する為の道場として、弘仁7年(816年)に開かれた聖地です。

 

 お大師様は承和2年(835年)3月21日に高野山奥之院にご入定なされましたが、今も人々を見守り、救い続けてくれています。

 今年はお大師様がお生まれになって、ちょうど1250年の記念の年です。

 高野山では、お大師様がお生まれになった6月15日を中心として、「命よ輝け~大師のみこころと共に~」 のスローガンのもと宗祖弘法大師御誕生1250年記念大法会を執行しております。

 

 今の世の中、暗いニュースが流れ不安を感じる事の多い今の時代。

世の中だけでは無く、自分自身の事も思うようにはならず、怒りを感じたり、悩んだり、悲しんだり、諦めてしまったりと感じる方も多いのではないでしょうか。

 幼児期は天真爛漫だった子供も知恵が付くにつれ、あれもしたい・これもしたいと思うようになります。

自分自身を知る事が大切ですが、中々自分で自分を見つめ直すのはのは難しいです。

 

 お大師様は、座右の銘に 「人の短を言うなかれ、己の長を説くなかれ」 と書かれています。これは、人の悪口を言わない、自分の自慢をしないと云う事ですが、これが人付き合いをうまくする方法だと思います。

 他にも、他人と自分を比較する事や、何かしてあげたのにやってあげた方は何もしてくれないと思う、損得勘定等人付き合いが下手になって行きます。自分自身の内面を一度見つめ直して下さい。

 

 もう一つ大切な事は、感謝の気持ちを持つ事です。

最近有難うございますという言葉や、すいませんという言葉があまり聞かなくなりました。

今後楽しく生きる為に、感謝の言葉を意識的に発するよう頑張って下さい。                  

 

 南無大師遍照金剛

 

留辺蘂町 金毘羅霊院 髙田 有修 僧正