成田からタイ・バンコクを経由してシャルルドゴール空港についたのは早朝だった。成田を出発して約20時間の長旅だった。このパリ旅行は私がヨーロッパを訪れた初めての旅でヨーロッパという地への不安と期待がない交ぜになった気分だった。



ターンテーブルから荷物を受け取り、さあ空港から外に出ようとしてどこが出口かよくわからずに戸惑った。出口の前に市内までの交通手段がわからないことに気がつき、出口はさておき近くに椅子に腰掛けて、鞄からガイドブックを取り出した。すると小柄なアジア系の女性が私と同じく出口がわからないらしく恥ずかしそうに私に外に出たいんだけど・・と話しかけてきたので、私もですとは言えず、ちょっと見ると先ほどの場所から視点が変わったからか出口はすぐ目の前にあることに気がついた。デザイン的に出口のドアが見えにくかっただけだったのだ。さもはじめから知ってましたとばかりに、外に出たいの?そこを通ればいいだよと教えてあげるとまた恥ずかしそうにお礼を述べて彼女は出て行った。

出口が見えなかったのは私だけではなかったようだ。それにしても不思議と正面から見たときは見えなかった。あえてそういうデザインを狙ったのなら、さすがにフランスだなと思えなくもない。それだけフランスという国は美的センスを大切にするのかもしれいないと思う反面、少し過剰評価し過ぎではないかと思う自分がいた。

成田からタイ・バンコクを経由してシャルルドゴール空港についたのは早朝だった。成田を出発して約20時間の長旅だった。このパリ旅行は私がヨーロッパを訪れた初めての旅でヨーロッパという地への不安と期待がない交ぜになった気分だった。



ターンテーブルから荷物を受け取り、さあ空港から外に出ようとしてどこが出口かよくわからずに戸惑った。出口の前に市内までの交通手段がわからないことに気がつき、出口はさておき近くに椅子に腰掛けて、鞄からガイドブックを取り出した。すると小柄なアジア系の女性が私と同じく出口がわからないらしく恥ずかしそうに私に外に出たいんだけど・・と話しかけてきたので、私もですとは言えず、ちょっと見ると先ほどの場所から視点が変わったからか出口はすぐ目の前にあることに気がついた。デザイン的に出口のドアが見えにくかっただけだったのだ。さもはじめから知ってましたとばかりに、外に出たいの?そこを通ればいいだよと教えてあげるとまた恥ずかしそうにお礼を述べて彼女は出て行った。出口が見えなかったのは私だけではなかったようだ。それにしても不思議と正面から見たときは見えなかった。あえてそういうデザインを狙ったのなら、さすがにフランスだなと思えなくもない。それだけフランスという国は美的センスを大切にするのかもしれいないと思う反面、少し過剰評価し過ぎではないかと思う自分がいた。



市内までの交通を調べて、バスで近くの鉄道駅まで行き、そこから地下鉄に乗ってパリの中心部へ行くことにした。まずはどこへ行こかなと考えた。やっぱりまずは凱旋門を見てみたいなと思い切符を販売する窓口の男性に近づいて、凱旋門へ行きたいのですがと言いかけて凱旋門は英語で一体何て言うのだろうと言葉に詰まってしまった。凱旋門はきっと固有名詞だろうから知らなければ考えても仕方がないと思い、なんとか凱旋門を知ってる言葉を使って伝えることができないかととっさに考えて出てきたのが、”世界で一番有名な門”だった。かなり恥ずかしかったが、男性はいつものことであるように表情ひとつ変えず君の言いたいことはわかるよと言って凱旋門までの乗り換え駅など地図を使って丁寧に教えてくれた。きっと多くの観光客を相手にしているから私のような輩も中にはいるのだろう。



列車は郊外は地上を走り、都心に近づくと地下を走るスタイルのものだった。窓からは家の外観などは違うけれど、日本のように一軒家と緑が多く見えた。98年のフランスワールドカップの決勝戦が行われたサン・ドニスタジアムが見えた時には、サッカー好きなので少し興奮した。そうこうしているうちにちょうど朝の通勤時間のようで駅で止まるごとに人が増えてくる。地下に入る前に電車は満員となり途中駅で乗車できない人も出るほどだった。駅に着くとホームは人で溢れていて、乗る人も降りる人も大変そうだ。通勤電車は日本だけかと思っていたがフランスでも朝の混雑はあるのだなと意外に思った。



凱旋門まで行くつもりだったが、乗り換え駅でなんだか降りてみようかなとふと思い降りてみることにした。改札を出て地上へ向かう通路を歩いているとパン屋さんがあり、さまざまなパンがむき出しで並んでいた。通勤の途中に朝食にパンを買っていくフランス人が並んでいて、並んだパンの中にはいかにもおいしそうなクロワッサンがあった。クロワッサンを見ると急にお腹が空いてきた。フランスに着いたばかりだが、すでの私の体はフランス時間に順応をしようとしているのかもしれない。どれにしようかとパンを眺めていると近くにいたおばさんがどうぞというように促すので思わず、クロワッサンを指差してひとつ買うことにした。買ったクロワッサンを受け取り地上へ出るとそこはおあつらえ向きの公園だった。芝生が階段状になっていて、そこに腰を下ろすと正面に改修中の教会が見える。買ったばかりのクロワッサンを頬張るとパリパリとした衝撃的な食感でとてもおいしい。日本で食べていたクロワッサンは一体何だったのかと思えるほど、まったく異なる食感で日本のクロワッサンと本場フランスのクロワッサンはまったくの別物と言ってもよいほど違っていた。おそらく作り方は同じでも日本とフランスでは気候が異なるから出来上がりにも差が出るのかもしれない。日本は島国のため湿度が高いからパンがしっとりとしてしまう傾向があるのだろう。
きょうの海は波がほとんどない
海面はなめらかで
穏やかな表情を見せている

よく海の色は青と表現されるけれ
緑色のような青だったり
太陽の光が反射して
白色のような青だったり
黒のような青だったり
さまざまな青が集まって
はじめて大きな海になる

海も人と同じ
さまざまな青が
喜んだり怒ったり泣いたり

今日は機嫌がいい日なんだろう

高知・夜須にて
旅を終えて

旅に出る時はいつも、”この旅でひとつだけいいことがあったらいいな”と思って出かける。いつも旅から帰るといいことはひとつどころではなくもっとたくさんあるのだが、新しいところへ出かける前はいいことなんてないんじゃないかと躊躇する気持ちが出てくる。

最近はいつもひとりで旅にでかける。観光地などに行くと楽しそうなカップルや家族連れをみると自分はひとりで何をしているのだろうかと疑問を抱くとともに寂しさが込み上げてくることもあるが、旅から帰ってくるといつもよかったことしか頭には浮かばない。

地方のひとはやさしいというのは間違いないことだと思うが、そのやさしさを感じる余裕のある自分がそこにいるのもまた事実だと思う。東京にいる時の自分と旅に出たときの自分の心の扉の開き具合を比べると旅先での心の扉は東京にいる時の自分より少しだけ広がっているように思える。だからこそひとがあたたかく接してくれるのかも知れないし、またそれを感じることができるのだと思う。

今回の旅では小さな日本でも実際に見てみるととてつもなく大きいということを感じた。5日間でレンタカーの走行距離は957キロだったけれど、四国の半分を駆け足で見たに過ぎず、闘牛で有名な宇和島や西日本最高峰の石鎚山、足摺岬など見られなかった場所がたくさんあった。いまや飛行機でどこへでも飛んでいけるので、地球の大きさを感じることが少なくなったけれど、やっぱり地球は大きいと感じた。

ぼくの感じた愛媛と高知は、温暖な気候、おいしい食べ物、きれいな海と夜空、心と体を癒してくれる温泉、そして明るく笑顔がすてきな女性たちだった。