日蓮宗の人が、戒壇の大御本尊の重さを推定していた。
「戒壇の御本尊様は楠の厚木です。表から見るとこういう板です。ところがこれは大変な板です。ただの板ではないのです。こういう板になっているのです。だから後ろから見ると丸木です。丸木を表だけ削ってあるわけです。大変なものです。重たい。上はただ三寸そこそこの板ですけれど、まわりは丸木です。まん丸い木です。その丸い木を、前を削って板にしたにすぎません・・・」
日達上人全集二輯五巻445
ここから形状を推測している。
富士宗学要集五巻334「富士大石寺明細誌」
「厚さ二寸二分(6.7cm)、縦四尺七寸五分(144cm)、横二尺一寸五分(65cm)」
計算式は
32.5×32.5×3.14÷2×143÷1000000×1200=280kg
半径×半径×円周率÷2×高さ(ここまでは円柱の半分としている)
次に比重をかけている。
先ず、半円柱状としているようだ。
「上はただ三寸そこそこの板」を無視している。
「まわりは丸木です。まん丸い木です。その丸い木を、前を削って板にしたにすぎません」
こちらは明細誌と整合が取りにくい。
ただ、「板にした」ということからは半円柱状は想像しにくい。
「まわりは丸木」とされる「まわり」はどこなのか?
身延山離山の画は近年に書かれたものだ。ここには背負っている様子が画かれている。
つまり、形状から背負えると考えられている事がわかる。
次に楠の比重を1.2としている。
1.2といえば水に沈む、楠は水に沈むのか?
調べ直すと、気乾比重は0.52だそうだ。
これらから、280kgの最大でも4分の1になりそうだ。