十字御書「正月の一日は日のはじめ、月の始め、としのはじめ、春の始め。此をもてなす人は月の西より東をさしてみつがごとく、日の東より西へわたりてあきらかなるがごとく、とくもまさり人にもあいせられ候なり」 1551
有名な御書である。
ここで「月の西より東をさしてみつがごとく」を少し説明したい。当然多くの方がご存じだと思うが念のために…。
昔は太陰暦で月を中心に日付が進んだ。
月の初めは「一日(ついたち)」。天体の月は「新月」。月は見ることができない。
「三日月(みかづき)」は「三日の日」の月の形である。夕方(日没)西の空、高度24度に位置する。
同じ時刻の次の日は12度高度を上げて、三日月より太くなる。
「八日」になると同じ時刻では半月、南中(真南)付近だ。
日没時間に南中した月は、日を追うごとに東へ向かう。
15日の日没時間では、満月の月は東にいる。
月の変化の周期は、およそ29.5日。太陽の運行との違いが出るため、閏月が必要になった。
種まきの時期を間違えると収穫に大きな影響をおよぼす。朝廷の大きな役割の一つが歴を決める事だ。