即身成仏について、密教だけに思想か、と質問があった。
最近、知恵袋の宗教カテゴリーで興味が持てる内容が少なく、私の宗教ネタが少なくなっている。
同じようは事は書いたが、記録しておく。
私の回答から
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真言宗の依経の大日経を読んでみると、即身成仏と明らかに示されている文はないようです。
「その身を変えずしてすばらしい境涯になれる」的な文はあります。
大日経には華厳経の肝心の部分に似た部分もあります。
しかし、諸法実相の観点で大日経を読んでみると「諸法は虚空」としか説かれていません。これは華厳・阿含・方等・般若・法華涅槃の区分で言えば、方等部の教えです。
つまり、円融三諦・一念三千は説かれていません。
方等部の教えでありながら、華厳経に似て、法華経の即身成仏に似ています。大日経はかなり後に成立した経典です。たぶん大日経が成立する過程で、華厳経や法華経が混じったのでしょう。
ちなみに、華厳経は、円融三諦は説かれていますが、一念三千は説かれていません。
法華経では円融三諦・一念三千が説かれています。
一念三千が説かれて、初めて成仏・即身成仏の原理が明らかになりました。
そのため、二乗・女人・悪人の成仏が、原理的に可能になり、それらの成仏が法華経には説かれています。
ちなみ法華経の竜女の即身成仏を勘違いしている方が多くおられるようなので、
少し解説すると、
文殊師利菩薩が「竜女が成仏した」と答えた事を信じられない二乗・菩薩に対して、竜女が三十二相の成仏の姿を示したまでです。三十二相の馬陰蔵相は女性ではあり得ません。
つまり、真言宗の即身成仏は原理も示されていない曖昧なものです。
法華経のみ即身成仏が説かれています。
（金剛頂経についても、即身成仏はとの返信があり）
金剛頂経を読んでみました。
「仏の境涯の三昧を修すると仏になれる」的な事はあるようです。
「それはそうだろうね」という世界です。
法華経のように具体例がありません。
女人のように五障とされる衆生も即身成仏できた、となっていません。
言い直せば、理論で終わっています。
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ちなみに、密教の即身成仏の思想を、伝教大師（最澄）・日蓮大聖人が取り入れたとする本があるようだ。
しかし、空海の即身成仏を論じた「即身成仏義」は、最澄の滅後であり、亡くなった最澄は取り入れる事は難しい。
即身成仏の考えは、本来は法華経によるものだ。