フィジカルと技術
https://sakanowa.jp/topics/44491
松本と栃木の試合でGK頭部へのキックがあったことを松本GKが昨今のJリーグで起こっている
「球際の厳しさとファールの違い」について言及したとの記事である。
かく言うサンフレッチェも「スパイク一足分の寄せ」や「球際の厳しさ」という激しいサッカーを監督が提唱しているが結果、ミシャや森保さんのころのような技術で相手を翻弄するようなサッカーは見られなくなってしまった。
ミシャや森保さんは考えること、自分の技術が相手に通用するなら使っていい、成功しないならやるな、といい、成功させたいと思えば、考え、技術を磨くようになった。
技術を磨く、思考を整理する、となると、どうしても成長する選手は限られてくる。
技術的に素養があり、頭のいい人でなければミシャや森保さんのサッカーにはついていけず、できない選手は、できる選手がなにを考えているかすら理解できない状況に陥るため、どうしても残るメンバーは決まってしまうので今回のような17連戦などという体力を消耗するようなスケジュールについていけなくなってしまう懸念はあったと思う。
しかし激しく、厳しく、オールタイム走る、というのを選手に課すると、あまり考えなくても監督がコントロールしやすいという側面もあると思われる。
攻める場所やプレイする場所を限定せず、相手から奪い、走り、ゴールへ向かえばいいのである。
オールコートマンマークディフェンス、オールタイムランニング、オールタイムオフェンス。
切り替えは誰がやってもいい、だが、だれかが切り替えたら全員がそちらに向かわなくてはならない。
全体で上下をくりかえしながら、ひたすら走る、というのが今のサンフレッチェのサッカーであり、Jリーグ全体のサッカーの傾向であると思うのです。
今回は、日曜開催だったので、土曜の昼は、レジーナの試合を見て、夜はJの他チームのサッカーを5時ごろから時間ずれしているのを何試合か見たのだが、どのチームもファールまがいのタックルが多く、技術的にというところがなりをひそめているように感じた。
そういう試合を見たのち翌日のセレッソとサンフレッチェの試合なのですが、お互い調子がよくないのもあり、交錯するようなシーンもあり・・・必死なのはわかるのですが、3バックにしたとしても、結局内容は変わらず、得点はセットプレイと、これは、セレッソのセルフジャッジ(荒木君のハンド疑惑に対して)からリスタートが遅くなったところをサントスさんが飛び出して雄也くんのゴールとなったのですが、これはサントスさんの機転と常に狙っている雄也くんの技術で取った得点とすると、やはり、頭脳と技術が根底にないと相手を上回ることはできないと思ったのだ。
レジーナの試合を土曜日に見て、フィジカルの強いジェフのDF陣を90分かけてサイドに広げていき、最終的に自分たちのプレイできるスペースを作り出し2得点流れからのゴールで勝利した、そのサッカーの90分通しての展開の面白さを見た後だったのでよけいでも今の男子サッカーの「フィジカル頼り、頭を使わせないことで監督が選手をコントロールしやすいチーム作り」に辟易としてしまった。
単純に勝てばいい、勝てばファンは喜ぶだろうというところがまだまだ抜けていないサンフレッチェ。
WEリーグが広島で見られるようになったこれから、結果が出てもフィジカルのないぶん技術で勝負する女子サッカーと比較されることを考慮し、ファンが熱望する「面白いサッカー」で勝負できるチーム作りに転換することをどこよりも先に始めないと、マリノスやフロンターレとはどんどん水をあけられてしまうということを今回のフォーメーション変更を機に考えてほしいと思った。
ひっくるめて言うと、4バックだったとしてもやってることは変わらない、セレッソもひどかったから勝てた、ということで、いまだ3バックの効能ではない、ということを肝に銘じてほしいと思う。
効能が見え始めるのは、早くてF東戦、休止の間にしっかりフィジカル重視でないサッカーをおり込めるなら天皇杯、できれば休止後には構築するサッカーが見られるようになっていれば、と期待できる。
でも、正直3バックと聞いた時、あおちゃんが「自分たちから穴をあけている。」という中国新聞の記事を読んだとき、なんだか、やっと、話が通ったんだな、と思い、結果が出たことで選手の言い分も通り始めるのではないかと期待している。
佐々木君、あおちゃん、がんばってチームを支えてほしい。
と、期待半分、まだまだ半分のセレッソ戦の感想であった。