Canon P(対物プリズム剥がれ) | ★カメラのキタムラ公式ブログ★

Canon P(対物プリズム剥がれ)

2回目の更新です。

田口さんのコラムです。
ご覧くださいませ♪

Canon P(対物プリズム剥がれ)

衝撃・経年変化により対物プリズム等が剥離している場合があります。
対物プリズム及び本体側の接着剤の痕跡を綺麗に掃除します。

Canon P(対物プリズム剥がれ)

対物プリズムは2個の直角プリズムの貼り合わせてあり
三角測量をするため中心部に
反射用のビームスプリッターが蒸着されています。
と言うことは貼り付ける際に合致像を完全に合わせるか
近似像に合わせておかなければなりません。

Canon P(対物プリズム剥がれ)

対物プリズムを貼り付ける前に重要な作業があります。
それは軍艦部を分離する際に外した摺動レンズの位置出しです。

対物プリズム剥がれ 4

対物プリズム剥がれ 5

摺動レンズは上下像の修正する役目を担っています。
その性質から像が上下左右に移動します。
この性質を失念して対物レンズを貼り付けてしまうと
修正範囲外になってしまうのです。
摺動レンズの刈り取り付け前に指で挟み回転させます。
画像では確認しづらいですが水平線が点線迄
上下に移動するのりしろが確認できます。
確認したら上下の移動量の1/2分割で取り付けますと
後の微調整がやりやすくなります。
仮に「画像:対物プリズム剥がれ 4」
「画像:対物プリズム剥がれ 5」でも良いですが
点線部を実線で取り付けたとしますと
どちらかの微調整のりしろを失うこととなります。

Canon P(対物プリズム剥がれ)

隠居人 田口由明