初夏のブレンド ゆりのきカフェ  | 千葉県八千代市のコーヒー豆店 きたみcoffee

千葉県八千代市のコーヒー豆店 きたみcoffee

千葉県八千代市でスペシャルティコーヒー豆を売るお店です。2015年7月にオープン。嫌な苦味のないクリーンな味わいのコーヒーをお届けしています。美味しいコーヒーのある豊かな暮らしのお手伝いをしています。http://kitamicoffee.com

まだ5月なのに真夏並の暑さの日が数日ありましたね。暑さが増すと経済効果があるそうですので、夏が近いこの季節としては悪いことではないようです。ガリガリ君やアイスクリームも売れ行きがいいことでしょう。ガリガリ君はいろいろな味が毎年発売され、ファン層をしっかり握っています。

 

業界は違いますがコーヒー豆店としても同感です。一年中同じコーヒーがあるのではなく、コーヒーに季節感を出し、その季節に一番美味しい味を作っています。春から初夏になり、ほんわかした気分から夏への扉を開きはじめるこの時期、コーヒーは軽すぎても深すぎてもだめなのです。でも私は「中間」という考え方をしていません。この季節、日向は暑いですが、日陰に入ると爽やかな風が心地の良い気分にさせてくれます。初夏のコーヒーは、そんな爽やかさも表現することを意識しました。ブラジルをベースにして多くの方に好まれる下地とし、口当たりの柔らかいコロンビアを加えるとブラジルは別の味わいに変わります。そして爽やかな気分を表現するためにエチオピア・モカを使います。モカはレモンティフレーバーが魅力です。しかし多すぎると個性的になってしまいます。

 

季節のブレンドに強い個性を出さないほうがいいと考えています。多くの方に好まれる味わいと口当たり、毎日でも飲みたくなる味わい、私はそんな風に季節のブレンドを仕上げています。コーヒー焙煎店にとって、ブレンドは私が作る作品のようなものです。ストレートコーヒーが寿司ならブレンドは料理でしょうか。ストレートコーヒーではあり得ない味を表現する方法としてブレンドという手段をとります。それはシングルモルトウィスキーとブレンデッドウィスキーの関係と同じです。

 

名称もまた大切です。親しみやすいものにしたいですが、平凡ではつまらない。きたみcoffeeのある八千代市ゆりのき台はゆりのき通りという素敵な道が正面に通っています。道の下側はツツジ並木、上側はゆりの木の並木。この木が「ゆりの木」という名称であることを地元でも知らない方がいらっしゃいます。私はこのゆりのき通りが好きで、この通り沿いに店を出したかったという強い思いできたみcoffeeを誕生させました。ゆりの木の花は5月から6月に咲きます。そのため、ゆりの木は初夏の季語になっています。初夏のブレンドにぴったりなので「ゆりのきカフェ」という名称にしました。皆さんにこれから長きに渡って親しんでいただけたら幸せです。