少し前に、アッパーのオーストリッチ革のクイルマークが美しく揃っている靴をネットで購入しました。

メーカーのこともよく知らず、新品でも完全なデッドストック品でもなかったので、記事にもせずに時々履いていました。

 

しかし、傾斜のある梅田の地下街などでよく滑ってしまうのです。

原因は中底にセメント製法により接着されていたスポンジソールでした。

 

アッパーのオーストリッチ革の状態がよく、ダミーのウェルトがついているセメント製法の靴には抵抗もあったので、梅田のBontaさんで改造してもらうことにしました。

 

 

「LARIO」というあまり聞き慣れないイタリアメーカーの靴です。

ソックシートに記載のとおり、1898年創業ということであれば歴史のあるメーカーのようです。

 

 

改造後の写真です。

どこを改造したのかというと、スポンジソールを取り除き、新たにミッドソールを中底と縫い付けたうえで、ミッドソールのはみ出した部分とアウトソールを出し縫いしてもらったのです。

つまり、セメント製法の靴をブレイクラピッド(ブラックラピッド)製法の靴に改造してもらったのです。

 

 

雨の日にもガシガシ履けるようにラバーソール(コマンドソール)にしました。

 

オーストリッチ革は雨に弱いと思われている人は多いと思いますが、私はそのように考えていません。

雨にぬれても、カーフと同じように布で拭いておけば問題ありません。

シミになるのではとの意見があるかもしれませんが、オーストリッチ革には細かい模様(筋)がびっしりと刻まれており、全く目立たないのです。

 

 

コマンドソールの場合、接着されていることが多いように思いますが、しっかりと出し縫いがなされています。

ちなみに、このソールはビブラム社製ではありません。

 

 

ソールはイギリスの「ITSHIDE」のコマンドソールです。

出し縫いしている部分のラバーは薄く、屈曲性にも優れています。

 

 

靴の様式は、プレーントゥ・オックスフォードです。