またもや色合わせが難しい色の靴を購入してしまいました。
ベージュの靴の購入は控えていたのですが。。。
エンツォ・ボナフェの1アイレットのプレーントゥ・ダービーです。
アッパーの素材はほぼ全てが竹符(竹斑)のクロコダイルです。
Enzo Bonafe氏は昨年惜しくも逝去され、あれから一年以上経過しました。
そろそろ巨匠がハンマーで叩いた新品の靴は市場から無くなる頃であり、エキゾチックレザーとしては最後のチャンスかと思い、購入しました。
数年前に梅田の阪急メンズ館で同じモデルのリザード版が10周年記念で発売されたのですが、購入するかどうかで迷っているうちに売れてしまって、ひどく後悔したことも影響したのかもしれません。
側面から撮影した写真です。
アッパーだけでなく、サイドの部分にも竹斑(竹符)が配されています。
ワニ革(特にクロコダイル)の竹斑(竹符)には、境目部分にシワシワの部分があります。
竹符(竹斑)のクロコダイルを使う靴の場合、その多くがつま先部分に大きな符(斑)を配置しており、符(斑)の中のシワシワ部分がカカト寄りになっています。
しかし、エンツォ・ボナフェの場合は、つま先に小さな符を配置していることから、符(斑)の中のシワシワ部分がつま先寄りになっているのです。
この靴はクリッキング(革の切り出し)の天才といわれた故EnzoBonafe師匠の最後期の作品かと思います。
まさにイタリアの人間国宝による工芸品といっても過言ではありません。
コバには白い出し縫いの糸が見えます。
また、よく見ると先ほどの斑(符)のシワシワ部分の後ろに「穿孔」が確認できます
この穿孔こそがクロコダイルの証でもあります。
後方から撮影した写真です。
カカト部分のみ丸符(玉斑)が配されています。
左足の左下部分にはキズのような模様がありますが、恐らくワニの生体の時代からあった傷かと思います。
ライニングとソックシートは赤です。
「Good year」の表記がありますが、エンツォ・ボナフェではハンドソーンウェルト製法のことをグッドイヤー製法と呼んでいるようです。
田中十靴店でトライアンフのトゥスチールをお願いしました。
また、オリジナルの靴紐はリボンのような形状で恥ずかしかったので、田中十靴店オリジナルのものに交換してもらいました。
メーカー:Enzo Bonafe
種類:プレーントゥ/ダービー
ラスト:BONJU
素材:クロコダイル
色:ベージュ
底材:レザーソール
製法:ハンドソーンウェルト製法