サントーニのアリゲーター素材を使ったキャップトゥ・オックスフォード(俗にストレートチップ)です。
アッパーの竹符(竹斑)がとても気に入っており、最近よく履いています。
日本に展開しているサントーニとしては珍しく、この靴はグッドイヤーウェルト製法で製作されています。
グッドイヤーウェルト製法といえば、コバの部分のウェルトに出し縫いのステッチがあるのが普通ですが、この靴にはそれがありません。
これは「ブラインドウェルト」という意匠であり、靴がエレガントに見えることから、ビスポーク靴などではよく使用されます。
手法としては、ウエルトの部分に水平の切れ込みを入れて蓋状にし、蓋の下でソールと出し縫いを行った後、蓋をかぶせて貼り付ける処理であり、ソールに使用される「ヒドゥンチャネル」という意匠のウェルト版のようなものです。
うっすらと出し縫いの痕跡が見えます。
とても手の込んだ処理であるにもかかわらず、美しく仕上げているサントーニの技術力には感心します。
しかし、ソールの貼り替えなどの修理のときにはどうするのでしょうか?
修理屋さんは大変でしょうね。
ところで、よく見るとサイドの部分には玉符(丸符)の部分が使われています。
天然素材ゆえに仕方がありませんが、カオスな感じの符ではないのが救いです。