先日、昨年の後半にオーダーしていたVASSのUチップが納品されました。
靴の雑誌「LAST」第23号に掲載されていたモデルで、アッパーはスコッチグレインレザーです。
ちなみに、Uチップというのは俗称で、日本でしか使われない呼称のようです。
正式には「エプロンフロント(ダービー)」といわれています。
このうち、この靴のように、つま先部分が左右の革パーツに分かれているものを区分して、「スプリットトゥ(ダービー)」ということもあります。
使用している皮革は、D-TEの石橋さんによると、オーストリアの「Herbet Kolde社」というメーカーのカーフだそうです。
聞いたことのないタンナーですが、革の品質については現時点でよくわかりません。
ただ、伝説の靴職人でもあるラズロ・ヴァーシュ氏が選んだ皮革に間違いはないと勝手に思っています。
ソールはビブラム社のコマンドソールです。
雨の多い日本では、一定割合でラバーソールの靴も必要です。
だいぶ前に新宿の伊勢丹で見た時よりも、コバ周りの仕上げは丁寧になったような気がします。
コバ部分に出し縫いの糸が見えますが、ハンドソーンで縫い付けられているのはウェルトのすぐ下にあるミッドソールまでです。
一番下のラバーソールは接着剤で圧着されていますので、何か損したような気分です。
アッパーのモカシン縫いは典型的な「拝みモカシン」です。
モカシン縫いの種類については、靴の雑誌「LAST」第23号に詳しく記載されていますが、プロでも外から見ただけでは分からないことも多いのではないかと思います。
メーカー:VASS
種類:エプロンフロント(スプリットトゥ)/ダービー
ラスト:P
素材:牛革
色:アンティークコニャック
底材:ラバーソール
製法:ハンドソーンウェルト製法