マグナーニといえば、スペインを代表する靴メーカーのひとつです。

ボロネーゼ製法による履き心地のよさには定評があり、私もかつては好きなメーカーでした。

 

しかし、ここ数年マグナーニの靴を購入していません。

その理由を考えてみました。

 

1.商社の介在による過剰在庫の弊害

どこだったか忘れましたが、ここ数年大手総合商社などが大量に日本に輸入しています。

ひょっとすると、ほとんどすべての百貨店にマグナーニの取扱いがあるのではないでしょうか?

知名度やブランド認識も高くない靴がそれほど売れるわけがなく、どの売り場も常に過剰在庫になっています。

バーゲンのシーズンになると、当然のことながら売れ残った大量の靴はタタキ売りされており、そんな現場を何度も見るうちにイヤになったのです。

ちなみに、イタリアのサントーニも同じような状況になっています。

本国のメーカーには、商社による度を超えた大量仕入がブランド価値を大きく棄損していることに早く気付いてほしいです。

 

 

2.奇抜なデザインや意匠は飽きる

マグナーニは複数のカラー・素材の革を組み合わせたり、変わった位置に切り返しを入れてみたりと、デザインにはアグレッシブです。

しかし、履いていると数か月で慣れてしまい、それからしばらくすると、それを選んだ自分のセンスのなさがイヤになってしまうのです。

下の写真はオパンケ製法の意匠ですが、これもすぐに飽きてしまいます。

マグナーニは品質の良い靴を作れるのだから、オーソドックスな靴で勝負してほしいです。

 

 

 

3.素材への疑問

マグナーニが使用している牛革ですが、品質はどうなのでしょうか?

私の手入れがいい加減なのかもしれませんが、アッパーにカーフを使用している2足は、どちらもひび割れなどが発生しました。

また、オパンケ製法の靴(上の写真の靴)は、踵のトップリフト(ゴム)は半分以上残っているのに、ソール(革底)に穴が開きました。(通常はトップリフトを数回交換した頃にソールに穴が開きます。)

オパンケ製法ゆえにソール交換が難しく、やむなく廃棄しました。

 

どこのメーカーでも最近は品質の良いカーフが手に入らないとのことですが、思い切ってエキゾチックレザーだけで勝負してはどうかと思います。

 

少しひび割れはありますが、梅雨の時期や雨の日用に使っています。

 

このリザードのダブルモンクは気に入っています。ただし、ソールが弱いので、事務所で室内用にしています。