vol. 723
いつもお読みいただき本当にありがとうございます
小学生5年生でもわかるように解説
プレゼンテーション講師でもある
行政書士・土地家屋調査士の
牧田一秀です。
土地を相続したのだけど……
「遠方に住んでいるので、利用する予定がない」
「ご近所に迷惑がかかるので草刈りなど管理しないといけないが、お金がかかる」
そのような相続した土地の管理にお困りの方へ、
今年4月から全国の法務局で始まる、
「相続した利用しない土地を手放す制度」はご存知でしょうか。
この名前を
相続土地国庫帰属制度
といいます。
詳しくは、法務省HPをご覧下さい。
また、法務省で動画案内もあります。
【相続土地国庫帰属制度編】令和5年4月以降、不動産に関するルールが大きく変わります!(MOJchannelより)
ただし建物は引き取ってくれないので注意。
お金はかかるけど不要なら自分で解体するしかありません。
でも土地だと、いらない(売れない)からといってポイッと捨てるわけにはいきませんよね。
法務省のHPから、いくつかポイントをまとめると
①相続で取得した土地が対象
*相続人に対する遺贈で取得していてもOK
売買で取得した土地は対象外、
あくまでも所有者不明土地の発生を抑制するために、相続や遺贈で取得した相続人が、
土地を手放し国に帰属させることを可能にする制度です。
自分が選んで購入した土地なら自分で責任もって管理しなさいってことか。
でも相続だと自分が欲しくなくても法定相続人として承継してしまいます。
利用しない土地であれば、管理せずに放置されたままが多い。
↑
これが、所有者不明土地の予備軍となる原因。
②土地には承認要件あり
土地だったら何でもOKではなく、要件審査があります。
これが以外ときびしく、価値ある土地しかもらってくれないイメージだ。
例えば、手放せない土地の主な例として
・建物や工作物などがあったらダメ、更地であること。
・土壌汚染や埋設物がある
・危険な崖がある
・境界が明らかでない
・担保権などの権利が設定されている
・通路など他人による使用が予定されている
……などがあります。
*法務省HPより
国側にしてみたら、引き取ったあとで管理や処分するのに多くのお金や労力がかかる土地は対象外ということ。
管理コストの国への不当な転嫁の防止。
また仮に要件を緩くしてしまうと、所有者自身で管理する意識が低くなり、結果として規律が失われてしまうことが背景にあるようだ。
しかしそれでも、どうにか手放したいと願う所有者もたくさんいるはず。
その場合は、条件をひとつひとつクリアして土地をきれいにしてから国にお返しすることになりますね。
③負担金が必要
いくら手放すからといって、国はタダでもらってはくれません。
手続にはお金がかかります。
申請したときには審査手数料、引き取ってくれると認めてくれたら負担金がそれぞれ必要となります。
負担金は10年分の管理費の相当額とされており、
原野など粗放的な管理で足りる土地なら約20万円
200㎡の市街地の宅地だと約80万円かかります。
意外にも負担金は大きいですね。
しかしこれから先、ずっと自分や子、そして孫が管理しないといけないと考えるとお安いのではないでしょうか。
全体の流れです。
他にも、共有地なら共有者全員で申請しなければいけない等の細かい決まりがあります。
詳しくは、法務省HPをご覧下さい。
また、法務省で動画案内もあります。
【相続土地国庫帰属制度編】令和5年4月以降、不動産に関するルールが大きく変わります!(MOJchannelより)
この制度、かなり注目されると考えています。