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いつもお読みいただき
本当にありがとうございます
小学生5年生でも
わかるように解説
セミナー講師でもある
土地家屋調査士の
牧田一秀です。
この業界で20年以上の経験を活かし、不動産の調査・測量・登記手続きをしています。
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マキタ不動産登記事務所
土地家屋調査士 牧田一秀
最近、火災に関する事件が
相次いで起きていますね
画像出展
http://www.news24.jp/articles/2017/07/05/07366131.html
住宅が密集している
ところでは、
消防士が
隣に燃え移らないように
隣接建物の壁などの
構造物を破壊して
延焼が広がらないように
防止する行為をします。
South Yorkshire Fire & Rescue
映画やテレビドラマで
見かけるシーンですが
小さい頃、実際に
近所が火事になったとき
見たことがありました。
この行為自体が
違法ではないことは
頭では理解できるのですが
行政側による、
安全確保のための
「いきなり強制しますよ!」
という行為が
許されることについて
ネットや書籍などから
調べてみました。
これは
即時強制といって
緊急でやむを得ない
事情がある場合、
目の前に迫りくる
危険な状況を素早く
取り除く必要上、
わざわざ
お隣の家主に
延焼をしないように
「壁を取り除いてください」と
命じる(=義務を課す)
暇なんかありません。
命じたとしても、
即素直に対応してくれるかも
わからないので
延焼しないように
お隣さんに
予告することなく
消防士が
実力行使により
目的を達成する作用のこと。
即時強制というのは、
行政上の必要性から、
実力行使を
直接国民の財産に加える
作用なので
当然に
法律の根拠が必要です。
この場合の根拠は
消防法29条1項
消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために必要があるときは、火災が発生せんとし、又は発生した消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。
同条2項
消防長若しくは消防署長又は消防本部を置かない市町村においては消防団の長は、火勢、気象の状況その他周囲の事情から合理的に判断して延焼防止のためやむを得ないと認めるときは、延焼の虞がある消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。
同条3項
消防長若しくは消防署長又は消防本部を置かない市町村においては消防団の長は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために緊急の必要があるときは、前二項に規定する消防対象物及び土地以外の消防対象物及び土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。この場合においては、そのために損害を受けた者からその損失の補償の要求があるときは、時価により、その損失を補償するものとする。
同条4項
前項の規定による補償に要する費用は、当該市町村の負担とする。
同条5項
消防吏員又は消防団員は緊急の必要があるときは、火災の現場附近に在る者を消火若しくは延焼の防止又は人命の救助その他の消防作業に従事させることができる。
*上記条文は
http://houmu.la.coocan.jp/11web/11web41/11web400201.html
このような即時強制と
比較対象できるのが
例えば、
行政による
違法建築物の
強制的取壊しの場合。
相手方である
建物所有者に
当該建物を
除去する義務が
あるにもかかわらず
相手方が
それを行わなかったこと
つまり
【義務の不履行を前提とする】
ですが、
即時強制の場合は、
緊急避難的に
【義務の不履行を前提としない】で
「いきなり強制しますよ!」
が実現できるのです。
行政のしくみとして、
実効性を確保するために
場面に応じて
強制力を働かせた措置が
あるのですね。
今日も最後までお読みいただき
本当にありがとうございました。