小説、普通の暮らし~過去の話はここから見て下さい。

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この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などにはいっさい関係ありません。
ーー普通の暮らしを持続させるためには、相当の努力が必要である。

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漁協が反対じゃない???

町田の漁協反対のアナウンスはいったい何なんだ?????

この頃、真子は町田にひなん者お話会を漁協に出張したいと提案した。

町田の返事は、Γちょっと待ってね」と言ったきり、他のイベントで漁協へのひなん者お話会は実現しなかった。

この頃集客イベントばかりだった。
休む暇なし、集まったカンパは、会場費や赤城森下への謝礼、交通費で消えていった。

市民運動を迷走させるのは簡単だ。イベントをやり資金を吐き出させ、忙しくさせて考える時間を奪うのだ。疲弊させれば、一人ぬけ、二人ぬけ、自然に自ら潰れていく。

真子が見た反対運動は、その見本のようだった。講演会、記者会見、市民検討会。真子にはがれきを止めるための運動が、いつしかイベントをこなすことが目標になっているように感じた。


5月20日 ひなん者お話会×森下青太講演会が小倉北区で開催された。

内容は震災避難者(真子)の話と森下青太の講演(被災地の現状と北九州市のこれから)

森下は某テレビ局の社員。Facebookで放射能防御を目的とした活動を全国展開していた。

また、森下は福島第一原子力発電所が爆発した後、自身のブログを開設し放射能防御を呼びかけ、全国から寄せられる健康被害や放射能汚染に関する情報を集め、発信していた。

真子もいわき市にいた頃、森下のブログを見たが、自分のまわりで起きている事とかけ離れ過ぎていたし、大袈裟でややワイドショー的な文章だったため胡散臭く感じていた。(ネットでは森下ブルーと呼ばれてましたね)

真子は森下の前座で自分の体験を話した。

真子は福島にいた頃、森下のブログが嫌いだったが、実際会ってみても、森下はブログの文章から受ける印象通りの人物だった。

丁度、あんまり指導力も音楽性もないのに、中古のスタインウェイに鍵かけて生徒に使わせずヤマハのC3あたりでレッスンし、生徒があまり上手じゃないのに、レッスン代がやけに高いピアノレスナーと同じ印象を受けた。

何でこんなオッサンを支持する人たちが多いのか不思議やった。

きっと森下も、がれきの止めかたも知らんし、赤城泰治と同じような抽象的なことしか言わないだろう。

どうせ駄目と思いつつ、講演会終了後の食事会で、真子の目の前に座った森下にΓどうすれば、がれき受け入れは止まりますか?」と問い掛けた。

森下は、Γがれきは国策だからねぇ。」

やっぱり、こいつも止めかたを知らない。

(はあ…)

(やっぱりね。危険性は言うけど解決策を何ももたないで講演会ばかりしてる震災タレントやな)


赤城や森下のような、止めかたを知らない人たちにアドバイス受けてて止まるのか?……

放射能汚染の危険性をいくら訴えても、行政が動かないことを既にいわき市で経験していた真子は焦りを感じていた。



5月21日 赤城泰治のアドバイス通りひなん者お話会は市民検討会を開いた。
記者会見を開き、第1回市民検討会開催には北九州市内だけでなく、九州中、山口県からも参加があった。

赤城や森下のアドバイスに不安はあったが、100人以上の参加者と報道カメラを見て、真子は北九州に住む人たちに、放射線量だけで放射能汚染の影響の有る無しを語る専門家たちの嘘と、東北の土壌汚染の実体が伝われば良いと心から願った。


市民検討会終了後、山本太郎を先頭に主催の町田、外山、そして真子も検討会参加者と一緒に小倉駅裏の国際会館から市役所へデモ行進を行い、試験焼却の中止を求めた。


市民検討会に自治会、町内会は不参加。反対してるという漁協の参加もなかった。要はこの市民検討会は、何百回開催されても市役所は痛くも痒くもない烏合の衆の集会に過ぎなかったのだ。

メンバーを見てみると

北九州市民・近隣自治体市民
福岡市、飯塚市、宗像市、山口県宇部市、行橋市、熊本県

識者:外島耕次(佐賀大学教授)
赤城泰治(環境ジャーナリスト)
森下青太(ジャーナリスト)
山本太郎(俳優)
鈴木寿行(弁護士)
村田知之(歯科医師)
村田敏子(環境ESDコーディネーター)
北山菊夫(福岡県保険医協会理事)


デモ行進に人が次々加わり、市役所で待機してた人も含めると市役所のロビーには、赤ちゃん連れのお母さん達含め 約600人の人々が集まった。(ベビーカーで集合した写真を覚えている人もいるでしょう。)

同じく5月21日夕方、北九州市役所で環境局説明会開催した。真子が環境局梶原に日明に住む住民として説明会の開催を申し込んだ。

真子は地域住民に来て欲しかったので、住んでいる場所である日明市民センターを会場に指定し、一旦受け入れられたが、急遽開催場所の変更があり、北九州市役所の一室で行われた。

北九州市は混乱を避けるために、部屋に入る人数を20人限定するという手法をとった。

5月22日 日明焼却場前 約50人強の市民が座り込みをしたが、警察(市長が警察に要請した)に排除される。

日明焼却場前 早朝から約30人の市民が座り込み。市役所には約100人の市民が集まった。ひなん者お話会は市長への手紙を秘書課、環境局へ提出したが市長と面会できなかった。

日明焼却場(北九州市の清掃工場)へのトラック搬入の詳細は次回。(次の投稿まで、少し時間がかかります。申し訳ありません。)