朝は妙心寺退蔵院の副住職・松山大耕さんのお話です。
『充実した生活を送るための心の洗濯』
普段の生活の中で誰しもが感じる、
「なんとなくスッキリしない」
「なにか、モヤモヤしている」
といった違和感について、みなさんはどうなさっていますか?
身のまわりが美しく整っていても、
身体的な病気を患っていなくても、
心が整っていなければ、充実した生活を送ることはできません。
せっかく美しいものが目の前にあっても、
素晴らしい音楽が流れていても、
心が曇っていたならばそれを味わうことはできません。
心身共に充実した生活を送るためには、心の洗濯が欠かせません。
心の洗濯にはいくつか方法があります。
まずは、
「一日一度は、静かに坐って、身と呼吸と心を整える」
ということです。
短時間でもかまいませんから、一日一度は心を空っぽにする時間を設ける。
それだけで違いが生まれてきます。
ただし、一日だけ食事を制限してもダイエットが成功しないのと同じで、
たった一日静かに坐ってみても効果は表れません。
毎日少しでもいいですから継続して静かに身と心と呼吸を整えてみてください。
そうすることで自然に心の中身が少なくなって、ゆとりが生まれてきます。
毎日同じ光景を見ていても、
考え事をしていたり、他のことに集中していると、
秋の紅葉も美しいと感じない、もしくは視界にすら入らない場合もあります。
何が違うのかといえば、
自然が違うのではなく、
私たちの心の状態が違うのです。
目の前に鮮やかな紅葉が見えるのは、
あなたの心が澄み渡っているからです。
心の洗濯のためにもうひとつ実行して頂きたいことがあります。
それは、「ひとつのものに集中する」ということです。
何気なくご飯を食べる、
何気なくお風呂に入る・・・
それでは感謝の気持ちも生まれません。
例えば、テレビを見ながらご飯を食べても、
本当のごはんの甘みや旨味は感じられません。
たまには、姿勢を正して、会話もせず、ゆっくりよく噛んで食材をしっかり味わってみてください。
ごはんを食べることだけに集中してみてください。
そうすると今まで感じなかったおいしさや触感や香りを味わうことができます。
同時進行で別々のことをしていると、集中力が散漫になり、
本当の良さがわからなくなってしまいます。
ごはんを頂くときは、全身でごはんを味わってください。
寝るときにはゴロゴロするのではなく、全力で寝てください。
そういう習慣を身に付けていけば、生活にメリハリが出てきますし、
本当のものの価値がわかるはずです。
心の洗濯をするために、
1つ「身と呼吸と心を整える」
2つ「ひとつのものに集中する」
by 松山大耕さん
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます