今朝は山田中学生問題研究所の山田所長が、紹介しています
「子どもの個性をつぶす親」と、「子どもの長い人生を支える5つの氣」
のお話です。
『子どもの個性をつぶす親』
1.比較・競争に力を入れる
親が比較競争ばかりやっていると、子どもは自分を見失い、
自分のよさを見つけて発揮することができなくなってしまいます。
2.親の価値観を押しつける
ものごとのどこに価値を見い出すかは、人によってさまざまです。
自分なりの価値観をしっかりもっている子どもならば問題ありませんが、
そうでない子どもの場合は失敗しがちです。
順風満帆な人生を歩んできた親や、逆にものすごく無念な思いをしてきた親は、
押しつけ傾向が強いもの。
3.親が子どもの行動をコントロールしすぎる
こうしなさい、ああしなさいと子どもの行動をコントロールしすぎると、素直な子どもは親の指示ばかり待つことになります。
親から離れれば、教師や上司の指示ばかり待つ。
上司がいなければ、どうしてよいか迷ってしまう。
このような「指示待ち人間」になってしまうと、
自分の能力を自分で開発していくというエネルギーがそがれてしまうのです。
4.子どもにあまり体験をさせない
「そんなことより勉強をしなさい!」
「そんなことをしている暇があるの!」
「そんなことをやって何の役に立つの?」
「そんなことをやったって飯が食えないだろ!」
……そんなふうにしかって、
子どもがいろいろな体験をしようとしているのを阻んでしまってはいませんか?
今はバーチャル体験がはやっていますが、あれはニセモノなんですよ。
本物の体験というのは、自分の身をそこに置いて体験するもの。
体全体から心にしみこんでくるから、簡単には消えません。
そういう体験をしているうちに、なんだかこれは自分に合いそうだということがわかってくるものなのです。
体験こそ、自分探しのチャンスなんです。
5.他人の評価を重視しすぎる
人に相談するのはいい、尋ねるのもいい。
けれど、親自身が「あの人がこう言ったから」と他人の評価や意見ばかりを重視しすぎると、
子どももしっかりと自己評価できる人間にならないんです。
「自分はこういうことをめざして、今はこういうことを着々とやっているんだ。
あなたにはそう見えるかもしれないけれど、自分はここに価値を置いているんだ」
と言える人間に育てたいのなら、親自身がそうした姿勢を示してあげなければなりません。
6.人とのふれあいを遠ざける
「よい友だちとつきあわせるにはどうしたらいいですか」
「悪い友だちとのつきあいをやめさせたいんですが、どうしたらいいですか」
親の心配もわかりますが、悪く思える子どもたちだって、人の心をもっているんですよ。
よい子に見える子どもたちより、もっと温かいものをもっていることだってある。
子どもたちが友だちと遊ぶのは、人間関係の学習の場なんです。
子どもの友だちは、親が気に入る子ばっかりではありませんよ。
わたしもいじめられた経験がありますが、いじめられた子の気持ちがわかることは、教師としてよい経験をしたなと思いますね。
どんな場でも人とのふれあいを遠ざけないで、できるだけ人とふれあうチャンスをつくってあげてほしい。
個性って、人間社会でこそ生きるんですよね。
7.単独行動を否定する
一人だからできることもあるんです。
友だちと接することも大事だけれど、
「あなたはいつも一人ね。それでは世の中、生きていけないわよ」
ということばかり言っていてはだめ。
一人だからこそ、じっくりと自分育てができるという場、時があるんですね。
積み木にしろ、何にしろ、たっぷりそこで自分を実現させることができる。
ひょっとしたらその子は芸術家になるかもしれない。
一人の世界に浸って、すばらしい作品を生み出すかもしれない。
一人でいることが好きということも、一つの個性として認めていく親でないといけないと思います。
その子はその子の世界で、自分の個性を耕しているんです。
8.固定観念を子どもに押しつける
親の価値観を押しつけるというのと似ているけれど、少し違う。
「これはこういう見方をするものなんだ」と、
ものの見方を決めつけてしまうことです。
「おまえの見方はまちがっている。これはこういうものだ」とかね。
子どもというのは真っ白な状態で生まれてきて、
そこにいろいろな色づけをしながら育っていくんです。
親や教師や地域の人たちや、あらゆる環境が、いろいろな色をつけていく。
そのときに、「こういうものなんだ。それ以外は許さない」という固定観念を与えてしまうと、
偏ったものの見方をするようになってしまうんですね。
それは子どもにとって大変不幸な場合がある。
「そうか、俺はこう考えているけれど、おまえが言うような考え方もあるよなぁ」
というスタンスで接すると、子どもの考える世界も広がりますよ。
9.予期せぬ子どもの行動を拒否・否定する
子どもは、大人が思わないようなことを言ったりやったりするものです。
それを「言っちゃだめ」とか「そんなもの」などと、笑い飛ばしたりしてはいけません。
小さい子どもだって自尊心がありますから、拒否されたり笑い飛ばされたりしたら嫌なものですよ。
まずは子どもが言ったりやったりすることを受け入れる、認める。
そして、これはこのまま放っておくとまずいなと思う場合は、親の知恵で修正方法を示唆してあげればいい。
「もう少し、こうすればいいんじゃない?」というような声かけをすれば、子どもも納得できるはずです。
10.「だめ!」「早く!」といった禁止・催促が多い
「だめ!」「早く!」をやたらと使わないことです。
親のほうは使っている意識がないんですが、子どもにカウントさせたら、おそらく一日に自分でも驚くほど言っていると思いますよ。
料理でも、砂糖の入れすぎもだめ、塩のかけすぎもだめ。
スパイスだってちょっと入れるからおいしいのであって、なにごともほどほどが大事です。