
「ヒソップの花咲いています」
今朝は親指のお話です。
親指の働き①
手には五本の指がある。その五本の中で、どの指が中心であるか。こう考えてみると一番中央の、丈の高い、姿のよい中指のように思える。しかし、中指に手の働きの自由自在がまかされているだろうか。
親指の姿は醜い。丈も低い。節も一つ足りない。一番端の方にいて、お邪魔になっているような姿である。
生まれて以来親指にはまだ一度も指輪をはめてもらったこともない。親指はまことに粗末に扱われている。それでも親指を除外することは出来ない。
親指の働き②
ペンを持つにも、お茶を飲むにも、何をするにも四本の指が親指と組み合わされた時にはじめて自由自在が許される。中指がなくても、小指がなくても、文字は書ける。他の四本の指は絶対にのけられない指ではない。
五本の指の中で絶対にのけられないのは親指である。親指を除いて、他の四本の指だけではなかなかお茶を飲めない。扇子も開けられない。何でも稽古すれば相当上手にはなれる。しかし親指を除いて扇子を開くことは百年稽古しても不可能であろう。
親指の働き③
中心を失ってはならない。親を除け者にしてはならない。子供のわがままで、親を粗末にして眼中におかない。親を除けることは出来るだろう。だがその時に自然の守りを失うことになる。天の支えを失うことになる。
親指と四本の指
親指と四本の指とは、指の腹を合わすことが出来る。四本の指はお互い同士ではどうしても腹を合わせることが出来ない。ここにも天の啓示がある。
常岡一郎一日一言
致知出版より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます