「申し訳ないが、今月で辞めてもらえないだろうか」 | 北風家のおやじのブログ

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「カモミール咲く」















今朝は植西聰さんの著書よりご紹介します。




自分が困っているとき、悩んでいるとき、大変な状態にあるときこそ、相手に尽くしたり、助けてあげるという行為が崇高さを増します。

苦情下において徳を積むと、通常のそれよりも数倍の預金を積んだことになるばかりか、莫大な利息までつくようになるのです。

その好例として、金太郎という丁稚奉公人の話をしましょう。

金太郎は実家がものすごく貧乏だったため、子供のころ、ある時計屋に丁稚奉公に出されました。

「学校にもろくに行けないから、知識も教養もない。そんな自分が生き抜いていくためには手に職をつけるしかない」。

金太郎は、日夜、時計の修理工として、一生懸命になって働きました。

ところが数年後、その時計屋の経営状態が思わしくなくなり、何ヶ月も給料がもらえなくなってしまったことがありました。いっしょに働いていた仲間たちは主人を見限って、次々と暇を取って逃げだす始末でした。

金太郎も大変な思いをしたのはいうまでもありませんが、自分を雇い、ここまで育ってくれた主人のことを思うと、逃げ出すわけにはいきません。

むしろ、これまでの恩に報いようと、主人のため、お店のため、文句一ついわず、汗まみれになって、無給でただ黙然としいて働き続けました。

そんな彼の努力もむなしく、お店の経営状態はますます悪化し、とうとう店じまいを余儀なくされました。

主人から泣く泣く「申し訳ないが、今月で辞めてもらえないだろうか」と言われたとき、金太郎は信じられない行動に出ました。

なんと、それまでの蓄えを全部主人に差し出しながらこう言うではありませんか。

「このお金をどうか当面の生活の足しにして下さい。私はご主人様のおかげ で手に職をつけることができました。だから無一文になっても、どこかで 働いて、なんとか暮らしていくことができます。 このお金は今までの授業料みたいなものなので、どうかお収めください」

その後、言葉通りに、金太郎は楽々と転職を果たすことができ、そこで働きながら独立するための資金をため、やがて自分のお店を出すことに成功しました。

さて、今までその丁稚奉公人のことを、「金太郎」と書いてきましたが、この人物こそ、セイコーの創始者である服部金太郎さんその人なのです。

さすがに服部金太郎さんと同じことをやれとはいいませんが、その気になれば誰だって、この10分の1、100分の1ぐらいのことならできるはずです。

・自分が失恋して落ち込んでいるときこそ、友達の恋の悩みを聞いてあげる。

・忙しくて仕事にてんてこ舞いしているときこそ、会議の書類作りで四苦八苦している後輩のために、ポイントをアドバイスしてあげる。

・不意の出費でやりくりの大変なときこそ、お客さんが来ないと嘆く友人のお店で商品を購入してあげる。

こういったことをできる範囲で行っていけば、より莫大な利息がついていきます。

以上

「宇宙銀行」
植西聰さん
サンマーク出版より。

あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます