
「函館ベイエリア」
しっとりツルツルすっぴん美肌


今朝は料理の鉄人、道場六三郎さんのお話です。
「手に職をつけたほうがいい」と、19歳の時に東京にいきました。
家を出ていく時、母は
「六ちゃん、人にかわいがってもらえや」
と言いました。
親として、一番悲しいのはいじめに遭ったり、人から嫌われたりすることだったんでしょう。
一方、親父は
「石の上にも三年だ。
行ったからには石に齧(かじ)りついてでも我慢しろ。
決して音を上げるな」と。
また、両親は浄土真宗の信者でもあり、幼い頃からこんな話をよく聞かせてくれました。
「おまえは自分の境涯(きょうがい)を喜ばなければならない。
この世に生まれてきて、目の見えない子や耳の聞こえない子もいる中で、おまえには鼻はついている、耳はついている、五体満足に全部揃(そろ)っている。
それを喜ばすに何を喜ぶんだ」。
「辛いこと、苦しいことがあっても嘆いてはいけない。
逆境に遭ったら、それは神が与えた試練だと思って受け止めなさい」
「たとえ逆境の中にいても喜びはある」。
そういう言葉の一つひとつが、僕の人生において非常に支えになりましたね。
料理の世界に入っても幸いなことに、先輩やオヤジさん(親方)から非常にかわいがってもらえて、別段辛いことってなかったですね。
僕は調理場でもなんでも、いつもピカピカにしておくのが好きなんです。
例えば鍋が煮こぼれしてガスコンロに汚れがつく。
時間が経つと落とすのが大変だから、その日のうちに綺麗にしてしまう。
そういうことを朝の3時、4時頃までかかっても必ずやりました。
それで、オヤジさんが来た時に
「お、綺麗やなぁ」と言ってもらえる。
その一言が聞きたくて、もうピカピカにしましたよ。
だからかわいがってもらえたんですね。
仕事場の人間関係でも一番大事なのは人に好かれることで、もっと言えば
「使われやすい人間になれ」
ということでしょうね。
あれをやれ、これをやれと上の人が言いやすい人間になれば、様々な仕事を経験でき、使われながら引き立ててもらうこともできるんです。
「人生の要諦は心術にあり」
道場六三郎さん
月刊致知
致知出版社より。
あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます