お姉ちゃん、エライなぁ | 北風家のおやじのブログ

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「夜空」
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今朝は以前みやざき中央新聞の社説に掲載されたお話です。


とあるハンバーガーショップに入った時のお話。

その日は結構混んでいて、3つのレジに列ができていた。

私は前から3番目に並んでいた。

バイトの女の子が「店内でお召し上がりですか?お持ち帰りですか?」とお客さんに聞いている。

どこのハンバーガーショップでも見られる光景だ。

何を食べようかと考えているとき、ふと前の方が騒がしいことに気が付いた。

一番前の男性の声が怒鳴り声になったからだ。

どうも注文した商品の一つを入れ忘れたようだ。

男性は、「何しとんねん!トロイいんじゃ、お前!もうエエわ!」

と怒りをあらわにし、商品が入ったかみ袋を奪い取るようにして店を出ていった。

その後ろ姿に向かって、バイトの子は、「申し訳ありませんでした。すみませんでした。」

と何度も頭を下げていた。

一瞬にして店内の空気が刺々(とげとげ)しくなった。

2番目に並んでいたのは70歳くらいのおじいちゃんだった。

バイトの子は、今にも泣きそうな顔だったが、無理やり作った笑顔で、「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりですか?」

と、何事もなかったかのように接客した。

おじいちゃんは静かな声で言った。

「お姉ちゃん、エライなぁ。世の中にはさっきの人みたいに、自分の思い通りにならんかったら怒鳴り散らす人がいる。

あの人もなんか急いどったんやろう。あんなこと言われてあんなの心はもくズタズタのはずや。

にもかかわらず次に並んどるわしに笑顔で接してくれた。

わしにはあんたくらいの孫がおる。

あんたの笑顔を見て、その孫を思い出した。

これから孫に連絡を取ろうと思う。

いや、ありがとう。

あっ、コーヒーを一杯」

その言葉を聞いた途端、
堰(せき)を切ったように
バイトの女の子の目から涙が溢れ出した。

ワンワン声を上げて泣き出した。

しばらく涙が止まらなかった。

横のレジに並んでいた中年の女性が声を掛けた。

「あんた、本当にいいお仕事してるわよ」

刺々しかった店の雰囲気が、一瞬にして和らいだ。

言葉なんだなぁと思った。

何の関係もない間柄でも、たった一言で、一生忘れられない人になる。

そんな言葉を発する人になりたい。

みやざき中央新聞「社説」より。

あなたにすべての善きことが雪崩のごとく起きます♪