こんにちは
今年度は日々次年度に向けてずっと動き続けてきて、毎日毎日待ったなしですチカレター
さて、先日7歳8カ月で受けたWISC-Ⅳ検査結果(コチラ)についてのブログをアップしましたが、その結果、閲覧数がいつもよりちょっと増えたので、そのことでこの時期がちょうど小学校に来年度入学するお子さんで、発達が気になるけど通常学級でスタートするか、それともゆっくりスタートで特別支援学級でスタートするかの決断をしなくてはならない大変な時期なんだということを思い出しました。
ちなみにワガ家も小学校に入学前の1年間は主人と2人、頭が沸騰するくらい悩みに悩んで、結果、特別支援学級(情緒)を選びました。
そんなわけで今日はまじめに
『IQ88⇒94の自閉症のムスコの就学先を、迷いに迷って特別支援学級(情緒)にしたけど、その選択は結局4年生の今どうだったのか』
ということについてお伝えしたいと思います。
ムスコは保育園在籍時の4歳2カ月の時、田中ビネーⅤによる発達検査でIQ84(コチラ)。小学校入学にむけて2回目の田中ビネーⅤによる発達検査でIQ88(コチラ)。その後、7歳8カ月の時はじめてWISC‐Ⅳによる発達検査(コチラ)を受け、IQ94との結果になりました。
ワタシも発達検査をはじめて受けた当初は、IQがいくつなのかということばかりが気になって、
IQが高ければ通常学級に行ける
↓
通常学級に行ければ『ふつう』に生きることができる
↓
『ふつう』に生きることができれば、ムスコはきっと幸せな人生を歩める
そう思ってきました。
※今は『特別支援学級=幸せになれない』では決してないし、逆に『通常学級=幸せになれる』というわけでもなく、幸せに生きられるかどうかはこの2つの選択のどちらかで決まるものではないと思っています。
その結果、3歳から自宅療育を悪戦苦闘しながら自己流で開始し、その迷える中で運よく療育園に保育園と併用で週1回通うことができたりということもあり、最初84だったIQは検査方法がWISC-Ⅳに変わった時にはIQ94まで上げることができていました。
でも、ムスコはIQが94の平均の範囲に入っていても、特別支援学級(情緒)に在籍していても、
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学校生活はまったくめちゃくちゃでした
まず、
座っていられない
少しのことで癇癪を起す
お友達を叩く
数えきれないほどの問題行動を起こし、その度にほうぼうに頭を下げ、支援学級の先生と協力して、ムスコにどうすればそれがいけないことか、ほんとはどう行動するのが正しいことなのかを、ムスコと一緒に考え続けました。くわえて療育デイサービスの先生、主治医やリハビリの作業療法士の先生、今は退職したものの特別支援学級を長く担任した宮良先生(コチラ)などにも積極的に相談して、学校でムスコの問題行動が起こったら、その都度その都度学校に怒鳴り込むではなく、丁寧に話し合いを続け、時に先生方と意見の相違からぶつかっても、また話し合いを続け、ムスコのためにどうすればより安定した環境が整えられるか、ムスコ自身が自らの意思で自分を律せられるようになるかを考えながら過ごしてきました。
今ムスコは小学校4年生で、ずっと特別支援学級(情緒)に在籍しています。そして、どういう神様の思し召しなのか、毎年毎年支援学級も交流学級も違う先生で、時には支援学級の先生が年度途中で産休に入り、代替えの先生が見つからずやむなく教務主任の先生が担任代行となったこともありました。そんなわけで、ムスコの件でお付き合いした先生は支援学級と交流学級であわせて9人。(プラス校長先生は2人、教頭先生は3人)
まったくありがたくない先生(や)もいましたが、どの先生もムスコに対し一生懸命指導しようとしてくれていたと思います。
でも、
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いつも基本うまくいかない。
悩みに悩んで特別支援学級に入れたのに、学校にお任せすると一生懸命やったというわりに、一生懸命苦悩しながら頑張っておられるように見えるのに、ほぼほぼその指導がムスコに届かない。ムスコにコミュニケーションや社会性を学ばせたいのに、伸びるのは特別支援学級で個別に授業をやるおかげで、苦手な国語が少々と得意な算数の力だけ。正直『ここは塾かよ』と思う時がありました。
余談ですが、特別支援学級の担任を長くされている宮良先生によると、小学校1年生の授業は45分ですが、理解するのにIQが84ならマンツーマン指導でやれば10分で終わるとのこと。今、ムスコは4年生ですが、IQは94なので45分授業なら15分で理解できると思うとのことでした。じゃあ、通常学級の一斉指導ではどうして45分必要なのか質問すると、通常学級だとできる子もいるし、できない子もいる。できない子に合わせていくと45分かけてあの手この手で理解できるようにしていかないといけないから、それくらいはかかるとのことでした。
↑
これを念頭にムスコのことを思い出すと、たしかに入学間もない頃は、毎日学校の池で水遊びを授業時間に楽しんでいました(!!)が、国語や算数でつまずくことはありませんでした。
今も4年生になり学習は難しくなりましたが、ワタシとマンツーマンで自宅学習しても、単元の最初は難しいような感じですが、何回かやるときちんと理解することができています。
さて、本題にもどります。
結局どうして学校の先生はムスコをうまく指導できないか?それがどうして起こるのか?というポイントから、通常学級を選ぶべきか、特別支援学級を選ぶべきかについての、迷ったときのワタシなりの考察をアップしたいと思います。
まず、学校の先生がムスコを指導できない理由は簡単です。
学校の先生は自閉症という障害を全く理解していないから
この一言に尽きます。
※特別支援学校教諭の免許のある先生は除く
こういうと大体の人は
いや、まさか!?
そんなことないよ!
そんな基本的なこと理解していないわけないじゃない。
だってそんなの基本でしょ?
と反論してきます。
でも、事実はそうです。ただ、学校の先生は本気で
自閉症という障害を自分は理解していると信じています
ここが問題。
もし、そんなことない、信じられないと思った方がいたら、担任の先生、校長先生、教頭先生に
・自閉症ってなんですか?
・注意欠如・多動症(ADHD)ってなんですか?
・学習障害(LD)ってなんですか?
・心理検査報告書(発達検査の結果)はご覧になりましたか?
・(心理検査報告書を見た場合)わが子にどのような配慮が必要とお感じになりましたか?
・個性と特性の違いは何だと考えですか?
・療育ってなんですか?
と問うてみるといいと思います。
ワタシはまだブログ記事にしていませんが、ある出来事があり、上の質問を校長先生・教頭先生・支援学級担任に面談の場で、ゆっくり静かに問いました。
結果、帰ってきた答えは、
校長先生
・自閉症ってなんですか?
⇒自閉症はコミュニケ―ションが苦手(自信なさそうに)
・心理発達検査の結果は見たかどうか。見たとしたらどう思ったか?
⇒ムスコくんにたくさんの情報を入れると、処理しきれず固まってしまう。(長考の末、かろうじて回答)
上記以外は答えられず。
教頭先生
心理発達検査は見ていたが、どの問いにも答えられず。
硬直して沈黙。
支援学級担任
面談の時に支援担任として恥をかかせてはかわいそうだと思ったので、事前に小1時間自閉症についての話しを伝えてから面談だったが、基本的にコミュニケーションが苦手で、1人でいろいろなことができないということを主張。でも、ムスコのいいところもたくさん話してくれた。
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正直、自分で聞いたのにもかかわらず、まったく学校の先生に自閉症についての理解がないばかりか、その先生方の動揺ぶりに逆に主人もワタシもショックを受けました。
・・あぁ~、
障害について理解されないまま、
こんなつらい環境で
ムスコはがんばっていたんだなぁ~
と思ったら、
なんか泣けて泣けて
本当に本当に悔しかったです。
※ちなみ自閉症スペクトラムは脳の機能障害です。そもそも自閉症に関連する脳の部分(前頭前野・側頭葉・前帯状回・扁桃体など)の形が大きかったり、小さかったり、血流が悪かったり、脳の信号がうまく送られなかったりといった様々な要因でうまく機能しないことによる障害で、本人にはどうすることもできません。手術等の根本的な治療法はないことから、治療教育(療育)を根気よく続け、社会への適応をさせていくしかありません。
もしこの質問にすんなり答えられる先生がいる環境であるなら、安心して特別支援学級を選択してもいいと思います。
でも、現実には
学校教育の現場に、自閉症という目に見えない障害を持つ子供たちに、医学的な観点にもとづいた配慮はほとんどないのが実情です。
脳の機能障害だというのに、発達検査でどのように指示すれば分かりやすいかなど検査結果が出ているのに、
・心理発達検査の検査結果は、血液型による性格診断みたいなもの
・病院でのリハビリは、放課後の体操教室
程度の理解しかありません。
どちらもお医者様の指示によって、臨床心理士さんや作業療法士さんなどの有資格者が関わって行っているものなのに、そういう観点は残念ながら学校の先生方にはありませんでした。
学習指導要領には、自閉症は視覚障害・聴覚障害・肢体不自由などの障害と同様に、きちんと障害としてとらえられ目に見えない障害ゆえその点も考慮して配慮する旨の記載もありました。
でも、実際には目に見えない障害ゆえ、先生方は自閉症という障害を脳の機能障害とはとらえず、先生によっては心の問題・わがままと思い、結果
“親身に熱心に指導すればきっとわかってくれる”
そう思ってあの手この手で指導しておられる先生が大半です。
こういう状態を例えるなら、耳が聞こえない障害のお子さんに、先生が指導したいことを真正面から大声で呼びかけて、伝わらないといって怒っているようなものだと思います。お子さんは学びたくて一生懸命に口の形を読むかもしれません。でも、親としては手話を使って、学びを子どもに伝えてほしい・・そう願う気持ちと一緒です。(ちなみにこのことを宮良先生に言ったら、「真正面じゃなくて、真後ろから叫んでるのと一緒のことばかりだ」と苦笑いでした)
すみません、本題からちょっとそれましたね。本題に戻ります。
このような学校教育の現場で、わが子を通常学級スタートか特別支援学級スタートかで迷った場合、なにを基準に判断すればいいかワタシがたどり着いた答えは、
結局
自閉症が脳の機能障害である以上、
医学的な根拠に基づいて判断をする
ということです。
分かりづらいので補足すると、WISC-Ⅳの発達検査でムスコの場合、IQは94でしたが、その中身が問題で
言語理解指標 IQ107
知覚推理指標 IQ91
ワーキングメモリ指標 IQ82
処理速度指標 IQ96
という結果の
一番高い「言語理解指標 IQ107」
一番低い「ワーキングメモリ指標 IQ82」
この差が、25あるということが判断のポイントです。
書籍を読み漁ったワタシ調べでは、この差が15以上になると、
本人が生きづらいと思うことが多くなる
ということなので、25もあるムスコは相当生きづらさを感じていると思います。
逆にワタシ調べでは、IQが例えば80で親として心配する範囲であったとしても、4つの指標のバランスがさほど悪くない場合は、通常学級でも丁寧に教えてもらい、友だちとのかかわりの中で模倣しながらやっていけるので、特別支援学級よりも通常学級の方が伸びることが期待できると思います。
※6歳でIQ80だと、「6×0.8=4.8」なので、4.8歳の子に接するように丁寧に説明してあげると素直に伸びていくと、↓のような書籍で知りました。(障害について医師の立場から学校と医療をつなぐ活動をしている横山浩之先生の本です)
実際にムスコと同じ特別支援学級在籍の男の子は、どの指標もIQ80前後とその子のママに教えてもらいましたが、たしかに日常の学校生活や友だち関係は大きな問題はないようで、あるとすれば勉強の方のようです。特別支援学級にいれば学習はバッチリという考えはありますが、逆に前にアップした記事(コチラ)でお伝えしたように、大きな意味で人生に必要な
世の中にはいろんな人がいて、その数だけいろんな意見があって、でもそれでいいんだ
ということを学ぶことは、学習について大人と関わることの多い特別支援学級では感じ得ることが難しいと、個人的には思っています。学習については親は大変ですが、小学生くらいなら答え見ながら(!!)でもフォローはできるので、親として踏ん張れるなら通常学級でトライでいいと思います。
ちなみに通常学級で難しければ、通級や特別支援学級への次年度転籍は、すぐに先生が指導しきれなくて白旗上げるので、あっという間に特別支援学級がある学校だといくことができます。
逆に特別支援学級から通常学級へは、よっぽど恵まれた環境でない限り難しいのが実情です。(特別支援学級に入る時は、「落ち着いたら通常学級に行ける」ような話はありますが、学校からの提案で通常学級に転籍というのはほとんど聞いたことがないです)
うちのムスコの場合、4年間を振り返ってみて、発達検査の4つの指標間の差が25あることから、入学時はへっぽこ担任でしたが(失礼)小学校という刺激がいっぱいでしんどい環境に慣れるためには、特別支援学級で良かったと思っています。
ただ、ムスコの場合、通っている小学校が全校児童100人ほどの小さな学校で、交流先も10人ちょっとしかいない学年なので、2~3年生以降はしんどくても通常学級で通級利用で良かったように思います。(この辺は別な機会になぜそう思うかについてまとめたいなと思います)
以上が、ムスコを情緒学級に4年間在籍させたワタシの、就学についての考えです。
来年度入学に向け、通常学級か特別支援学級かの選択でたくさん悩まれると思いますが、どうかその決断が最良の決断だったと思うことができるよう、心から願っています。
※今回の記事は、めちゃめちゃ私見いっぱいの内容なので、訳が分からない内容だったらすみません
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この記事の修正および追加の履歴
2020年12月2日
この記事投稿
2020年12月5日
リンク追加、誤字脱字修正、文字の色や改行の見直し、
読みやすさの見直し(内容に変更なし)
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