東北大震災からの、ひとつの復興。ひとつの工場の存在が、ある地方を支えていることがある。特にほかに産業のない地域では、その工場の存続が地域の未来を左右する。佐々涼子著「紙をつなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場」は、タイトル通り、日本製紙石巻工場が震災から復興する軌跡を書いたノンフィクションだ。 ノンフィクション作家は、身を削って仕事をするように勝手に思っていたが、どうもこの作品は早川書房がバックにいてプロデュースしたようである。恵まれたライターだなと思った。