村上春樹が、風の歌を聴け、で、デビューした時は、ある種の衝撃を受けました。まさに僕らの作家が登場したと思ったものです。しかし、ピンボール、羊と読み次ぎ、羊の下巻で嫌になってしまいました。それから村上と遠ざかります。ジョン・アーヴィングやカート・ヴォネガットを読んで村上が真似ていることを知ったのも手伝っています。ノルウェイの森、を読んだのも、最近になってからです。確かに、1Q84、は大層面白い物語でした。だが、最新の長編、色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年、はどうでしょうか。あんなに売れる作品でしょうか。僕は疑問を持って読みました。そして、新しく出たのが、女のいない男たち、と言う短編集でした。僕は、その頃、藤堂志津子な本を集中的に読んでいて、村上の短編より、藤堂のそれの方が数段優れていると思ったものです。村上の短編を読むなら、試しに、藤堂志津子の、桜ハウス、のシリーズを読んでみて下さい。特に女性にお勧めです。文庫本になっています。